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神秘の国ブータンの美しき国民性

Travel in Bhutan🇧🇹Day1

飛行機から見えるヒマラヤ山脈

神秘の国ブータンへ

ニューデリー空港からブータン、パロ空港へ向かった。飛行機の遅延もあり、到着したのは日暮れ頃であった。

飛行機着陸時に高度を降ろす最中に、もうこの国の美しさを理解した。
他の国々で見る飛行機からの景色とまるで違ったからである。見えたのは、あたり一面の山々。そしてその山岳地帯に、ちょこちょこと見える集落。都市のライトは少なく、高層ビルや巨大な施設、工場なども見えなかった。

空港に到着して飛行機から出て、その美しさに驚き、涙が出そうになった。
他の国でみる空港とは全く景色が異なった。
空港の建物は伝統的な建築様式で、巨大な広告パネルは一切なく、あったのは国王家族の写真一つである。
空港の周りに商売の臭いがない。それは他国ではなかなかあり得ないことじゃないだろうか。

出迎えてくれたのは、広告ではなく、国王一家。
空港の建物が伝統的でとても美しい

空港の中に入ると、ブータンの国柄を表すひとつの絵が迎えてくれた。
その絵で、この国の文化と大切にしているものを理解でき、心から感動した。

堅実さ(岩)、成長(大木)、豊かさ(水)、自由(鶴)、調和(鹿)が揃って、長寿(仙人)に到達することを表す

空港の中もいたってシンプル。
換金所、SIMカードを買える場所、ちょっとした売店、といった必要最低限の施設に留まっているのは、その先に必要なものは、ツアーガイドが提供してくれるからだろう。

ブータン独自の観光政策

ブータンに訪問するには、いくつかのユニークなルールを守らないといけない。

①訪問者は現地ツアーガイドがいないと、この国を自由に回ることができない
②訪問者は最低1日200〜250USDの公共料金をガイドに支払わなければならない。そこには、ホテルなどの宿泊費用と3食の食事、各種アクティビティ費用などが含まれており、ガイドがコーディネーションしてくれる。

この2つがブータンを訪れるときの大きなルールだ。彼らのこのルールは、自国の文化と環境を守るためにも、そしてブータンという神秘の国についてより良く理解してもらうためにも、とても賢いルールだ。

このルールがあるからこそ、観光客の数もある程度コントロールできる。
このルールがあっても、この神秘の国ブータンを訪れてみたいと思う外国人たちはたくさんいる。
簡単に行けないからこその魅力と、国家資格持ちのツアーガイドによる丁寧なもてなしは、こういった制限による不自由も、付加価値へと変わる。
日本も真似して欲しい工夫だと切に願う。

空港を出ると二人のガイドが出迎えてくれた。
ガイドのBikeshとドライバーのUgyen。
笑顔で出迎えてくれた彼らに安堵を覚えた。
ドライバーのUgyenの車は、とても綺麗でピカピカで、中はフワフワの白いファーがシートに敷かれて、贅沢な感覚を得た。
彼は毎日、時間を見つけては車を拭いていた。

ブータンのローカルビール

パロから首都のティンプーに向かい、その日はレストランでヌードルと水餃子をいただいた。
日本人好みの味。
赤米のビールも美味しかった。

この日ティンプーでは、エド・シーランのコンサートが開催されていた。海外アーティストがツアーで訪れるのはブータン史上初らしく、街はとても賑わっていた。私はPemakoという美しい建物のホテルにその日は泊まった。

首都の中心地にある美しい建造物のホテル pemako 
ロビーの内装も美しい。

仏教文化と共にある街の建築

街を歩きながらBikeshに教えてもらった。
街の建物は、建物の形や外装など、伝統的様式を守らなければならない。自由が効く部分は、塗装の色やペインティングの豪華さらしく、仏教徒の国だからこそ、高貴な色やディテールに凝ったペイントは高額だそう。
ペイントも自由なペイントではなく、仏教に関連するペイントだ。蓮子の花だったり、伝説の生き物であったり、ブータンを象徴するドラゴンであったり。
ホテルや民家の内装もペイントが主だった。
めちゃめちゃ可愛い。

ホテルの内装のペイントはとても繊細だった
艶のある黒に塗られた木のミルワーク
クローゼットの扉には小さな蓮の花のペイント
見切りにもちょっとしたペイントが施されている
街並みの建物は伝統的な外観を維持している
建物は色やペイントで個性をだしていた
寺院もペイントで装飾が施され、それは民家も同じだった

色々な施設や家を見て分かったが、これらのペイントと同じものが、あらゆる寺院にもペイントされていた。
つまり、あらゆる建物が寺院と同じ施しということであり、常に仏教とともに、生活があるんだということを理解した。

国王と国民の絆を感じる国

もうひとつの大きな気づきは、どこの家にも施設にも、必ず国王の写真が飾られている。
彼らは、国王を深く尊敬し、敬愛し、信奉している。それは、国として美しい姿だと思った。

空港に飾られていた国王の写真
ホテルに飾られていた国王夫妻の写真

日本では世界大戦後の教育により、天皇を神格化することに対して、非常に大きな批判的意識を持っているが、神とするかどうかは置いておいて、自国のリーダーに不平不満を垂らし、粗探しやゴシップを楽しむ国よりも、自国のリーダーを尊敬し、期待を胸に、共にいい国にしていこうと思いながら暮らしている国の方が、確実に絆も国力も強いだろうし、その国で生きていて幸せだろう。

そしてリーダー自身も、信頼され、愛され、期待されている方が、国民を信頼し、愛し、期待することだろう。物事は常に鏡だ。
だからブータン国民の国王に対する姿勢はとても美しいものだと思った。確実に心が豊かだ。

そんなことを1日目の数時間にして感じさせてくれた国、ブータン。
7泊8日の旅の中で、様々なことを学ばせてくれるだろう。

山岳地帯のブータンはどこか郷愁の念を感じさせた

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