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Brainorchestra - Marmalade (2020)
スタテン島の対岸に位置するニュージャージー州の都市、エリザベスで活動するラッパー/プロデューサー、Brainorchestraの2020年作。全10曲を全て異なるプロデューサーが手掛けているが、いずれもサンプリング、そしてループを主体としたビートで、統一感のあるアルバム。どれもループを組んで一丁上がりというような作風で、ドラムやベースが強調されているわけではないため、いわゆる90年代のブーンバップ的なサウンドが好きな方には少し物足りないかもしれない。逆に2010年以降のシンプルなサウンド、たとえばRoc Marcianoや近年のAlchemist(昨年の「Alfredo」など)の作品などが好きな方にはおすすめ。ラップに関しては東海岸らしくラフなフロウの持ち主で、Action Bronsonあたりを想起させる。また、ミックスとマスタリングも自ら担当。全曲異なるプロデューサーによるサンプリング主体の楽曲を一つの作品にまとめ上げるのは、かなり大変な作業だったと思う。ビートから受けるラフな印象と、どの曲も2分前後という尺の短さが相まって、手短にサクッと作ったような印象を受けるが、それだけ綺麗にまとめあげた証とも言えるだろう。エンジニアとしての腕の良さや確かなセンスを感じさせる作品だ。
(Instagramより転載)