![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/56464962/rectangle_large_type_2_d73a51a35aed2cf1b8b353778650396c.jpeg?width=1200)
Kool Keith - Keith's Salon (2021)
Ultramagnetic MC'sの一員としての活動以来、ソロだけでなく様々なアーティストとのユニットやコラボレーションでの作品をリリースし続けているKool Keithの2021年作。キャリア通算の作品数は、ラッパーの中でもおそらく最上位に位置していると思う。今回の作品はKool Keithソロ名義だが、Bruno PronsatoとBenjamin Jayというテクノなどのフィールドで活動するアーティスト2人によるユニット「Triple Parked」が全曲のプロデュースを手掛けており、実質的には彼らとの濃密なコラボレーション作品とも言うべき充実作だ。
どの楽曲もBPMはヒップホップの王道である80〜90台なのだが、それゆえにヒップホッププロデューサーによるビートとのサウンドの違いが明確に浮かび上がっている。クリアな鳴りのドラムやシンセで構成されるブーンバップサウンドは、普段ザラついた音に慣れ親しんでいる耳にはとても新鮮だ。各パーツがバランス良く配置されていて、聴いていると広大な空間が脳裏に浮かぶ。サンプリング主体のサウンドではなかなか味わえないこの感覚は癖になりそう。どのビートも太いドラムの鳴りやグルーヴ、ループの心地良さなど、ヒップホップに必要不可欠な要素が十分に備わっており、文句無しにかっこいい!もともとアブストラクトなスタイルのKool Keithとの相性も抜群だ。
"Wanna Be A Star"など、90年代のFunky Ass Records時代の作品を2021年バージョンにアップデートしたような一枚。Kool Keithファンはもちろん、ヒップホップに新しい刺激を求めている方、ジャンルにこだわらず良質なサウンドを楽しみたい方におすすめです!2021年上半期の推薦盤‼︎