第27回柔道整復師国家試験 柔理Part9

27-94 クワドリラテラルスペース症候群で誤っているのはどれか。
1.腋窩神経の絞扼性障害である。 

2.肩関節外転動作が困難となる。

3.棘下筋に萎縮がみられる。   

4.肩外側に感覚障害を認める。

何やねんそれ?て思たら、「ベネットの骨棘」みたいなやつやな。そしたらクワドリラテラルスペース症候群言うのを知らんかったらこの問題は解かれへんのか?ていうとそうでもないねんで。

要は4つの選択肢からひとつ仲間外れを探したらええだけやんか。クワドリ君は考えんと選択肢だけ見てみ。1.の腋窩神経障害の結果三角筋が麻痺して肩関節の外転が障害されるわけやん。そうしたら選択肢の2.と4.は1.の選択肢と矛盾せえへんわけやん?(ちなみに棘下筋は肩甲上神経支配)

ひとつのテーマ(又は傷病)について聞かれるタイプの問題ではこうやって選択肢相互の関係をチェックしていくと突破口が開けることが多い。

答え:3.

27-95 末梢神経障害と症状の組合せで正しいのはどれか。
1.前骨間神経麻痺―母指球筋の萎縮 

2.後骨間神経麻痺―ティアドロップアウトライン

3.肘部管症候群―フローマンサイン 

4.回内筋症候群―骨間筋の萎縮

答えを先に言うと3.。肘部管症候群は上腕骨外顆骨折の後遺症の遅発性尺骨神経麻痺と同じもんやねん。そやから鷲手のほかにフローマンサインが陽性になって母指の内転が障害される。両手の母指に紙挟んで引っ張り合いしてる図よう見るやろ、アレや。

2.の後骨間神経麻痺はモンテギア骨折とか橈骨頭脱臼に合併する。橈骨神経の運動枝だけの障害。知覚異常はなし。手の伸展はできるけど指の伸展はできひん。

さて、受験生の皆さんが難儀する正中神経麻痺のバリエーションや。よう見とってな。

普通正中神経麻痺、ていうたら猿手とか母指の対立運動障害とかパーフェクトOサイン不能とかやん。肘のところで正中神経が障害された場合にはそれに加えて祝祷肢位いうのが加わる。母指と示指は屈曲不能。これを正中神経の高位麻痺という。

低位麻痺―コーレス骨折、手根管症候群、月状骨脱臼なんかに合併

高位麻痺ー低位麻痺の症状+祝祷肢位―上腕骨顆上骨折、肘関節後方脱臼、回内筋症候群なんかに合併

前骨間神経麻痺ていうのは示指のDIP関節と母指のIP関節の屈曲が不能になる。ティアドロップサインていう名前がついてる。知覚異常はない。

OK?

h27-96 単純性股関節炎で正しいのはどれか。
1.女児に多く発生する。    

2.両側同時発症はない。

3.股関節開排制限が特徴である。

4.大腿骨頭壊死を起こすことがある。

単純性股関節症はペルテスの親戚筋みたいなもんで、経過観察でペルテスに移行するものとそのまま治ってしまうものがある。

だから、男児に多いので1.は×。両側同時に発症はないので2.が正解。

3.股関節開排制限ではなく屈曲位での内旋制限が認められる。

4.先に述べたように経過観察していて骨頭が壊死すればペルテスなので×。

27-97 大腿部前面の打撲で誤っているのはどれか。
1.コンタクトスポーツで多くみられる。        

2.初期は膝関節屈曲位で固定する。

3.受傷後24時間を経過したら温熱療法が有効である。 

4.疼痛増悪時は医師に診断を仰ぐ。

答え:3.

27-98 腹臥位で被験者の股関節を90度屈曲位とし、検者が下腿と踵部を把持、脛骨長軸近位方向へ圧迫を加えながら下腿を内旋したところ、関節部に疼痛が誘発された。この徒手検査で判明する損傷部位はどれか。
1.十字靭帯 

2.側副靭帯 

3.関節半月 

4.関節滑膜ひだ

圧アプライテストな。牽引をかけながら行うと側副靭帯損傷の検査法になる。

答え:3.


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