第26回柔道整復師国家試験 柔理3


問題27.動揺性肩関節の動揺性の主な方向はどれか。
1.前方 

2.後方 

3.外方 

4.下方

同様性肩関節?て思った子はいてるかな?ルーズショルダーのことな。下方に不安定性のある肩のことを言うねん。

若い女性に多く、両側性。サルカスサイン陽性。

問題26-29 膝の嵌頓症状がみられないのはどれか。
1.離断性骨軟骨炎 

2.滑膜ヒダ障害 

3.半月板損傷 

4.前十字靭帯断裂

嵌頓症状=ロッキング。膝に何かが挟まって伸展も屈曲もできなくなった状態をいうねん。1.は大腿骨内顆に多い。(肘は上腕骨外顆に多い)遊離骨片は「関節内遊離体」とか「関節ねずみ」と呼ばれるからこれらの名称が使われていても〇。

2.は「タナ障害」でも同じ。3.で嵌頓症状が起きるのは知ってるわな。

答えは4.やねんけど、靭帯が断裂すると関節はどうなる?ていうのはわかるかな?靭帯断裂=関節動揺性又は不安定性やで。覚えとってな。ただし靭帯付着部での裂離骨折とか手関節の三角繊維軟骨複合体でも関節の動揺性は出現するけどな。

問題26-30 肋骨骨折でみられないのはどれか。
1.圧迫骨折 

2.脆弱性骨折 

3.疲労骨折 

4.多発骨折

肋骨に圧迫力が加わって骨折が起きるのは「屈曲骨折のⅢ型」。圧迫骨折ていうのは短骨が押しつぶされて発生するものをいう。椎体圧迫骨折なんかが例な。

2.の脆弱性骨折いうのんは「骨粗鬆症による骨折」のことやねん。そやから当然肋骨にも発生する。ただし「脆弱性骨折が発生しやすいもの」と聞かれた時は「高齢者4大骨折(上腕骨外科頚骨折、コーレス骨折、椎体圧迫骨折、大腿骨頸部骨折)」を選ぶようにしてな。

3.肋骨の疲労骨折は「ゴルファー骨折」と同じもん。利き手反対の背中、普通右利きが多いから「左5,6肋骨の肋骨結節と肋骨角の間」に多い。

4.交通外傷なんかで2本以上の肋骨が同時に折れることがある。二本以上の骨が同時に骨折すれば何か所で折れようがみんな多発骨折。

答え:1.

2018J66 "小児骨折で誤っているのはどれか。
1.骨折の治癒過程で骨に過成長が起こる。

2.幼小児の脛骨骨幹部では骨膜下骨折が起こりやすい。

3.骨は柔軟性に富んでいるため粉砕骨折を生じることは少ない。

4.骨のリモデリングが盛んで捻転転位の自家矯正は顕著である。"

1.の具体例は大腿骨骨幹部骨折。過成長というのは健側よりも患肢のほうが長くなってしまうことで、これを防ぐために1センチの短縮転位を残して持続牽引する。端端で骨片を合わせるのではなくてSide to Sideで持続牽引するねんな。ちなみに「成長障害」ていうたら患肢のほうが短くなるやつな。大腿骨なら遠位骨端線離開が実例。

2.このフレーズはこのまま覚えておいたらええわ。対で覚えるのは「成人は脛腓両骨完全骨折」。

3.〇

4.こういう選択肢は出題者のなんていうか「卑屈さ」みたいのが感じられて嫌やな。小児骨折はリモデリングが盛んなのは間違いないけど捻転転位は自家矯正されない。具体例は上腕骨顆上骨折の内旋転位残存による内反肘な。

2018J067 "骨折と後遺症の組み合わせで正しいのはどれか。
1.前腕骨骨折・・・・・・過剰仮骨形成

2.肋骨骨折・・・・・・・ズデック(Sudeck)骨萎縮

3.踵骨骨折・・・・・・・阻血性骨壊死

4.上腕骨外科頚骨折・・・外傷性骨化筋炎"

2.ズデック骨萎縮=反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)を後遺するのはコーレス骨折と踵骨骨折。

3.阻血性(無腐性)骨壊死を後遺するのは上腕骨解剖頚骨折、手の舟状骨骨折、大腿骨頸部(内側)骨折、距骨骨折。

4.外傷性骨化(性)筋炎を後遺するのは上腕骨顆上骨折、肘関節後方脱臼、股関節後方脱臼。

ていうことで消去法で答えは1.やねんけど、前腕骨骨折と過剰仮骨形成ってなんやねん。で、つらつら考えてみると前腕両骨骨幹部骨折。同高位で骨折したときに橋状仮骨ゆうて橈骨と尺骨の仮骨がつながってしもて前腕回旋ができんようになったんがありましたわな。アレのつもりで「過剰仮骨形成」を出題してはんのか。ほとんどクイズやがな。


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