第26回柔道整復師国家試験 柔理2


問題26-22 上腕骨外科頚外転型骨折の変形はどれか。
1.前内方凸 

2.前外方凸 

3.後内方凸 

4.後外方凸

上腕骨外科頚外転型骨折、ちょっと遠位骨片の転位がややこしいな。

外転・内転でいうと、外転。

転位でいうと前内上方転位。

骨折部がどっち凸かというと前内方凸変形。

ちなみに近位骨片は内転するから、大結節は肩峰から離れていく。よって「肩峰と大結節の間は広くなる」。

それからこれもややこしいんなけど「上腕軸」とか「遠位骨軸」とか「軸」てついてるのは全部遠位骨片のことやからな。

合併する神経麻痺は腋窩神経麻痺。「腋窩」繋がりで腋窩動脈損傷いうのもあるで。

問題26-23 コーレス(Colles)骨折で正しいのはどれか。
1.手関節橈屈強制によって発生する。

2.遠位骨片が手背方向に移動する。

3.母指と示指でのつまみ動作は可能である。

4.橈側転移はフォーク状変形を呈する。

こういうとき1.とか(ひょっとしたら3.とかも)が気になって仕方がない受験生はおれへんかな?骨折線が橈側近位から尺側遠位に走るから、とか考えてたらあかんねん。こういう見慣れへん選択肢のある時はたいてい「明らかこれは〇やろ」ていう選択肢が混じっててそれが答えやねん。

2.なんて文句なしに〇やろ?そうしたらほかの選択肢は気にしたらあかんねんわ。4.の選択肢が銃剣状変形なのはわかるやんな?

合併症は手の舟状骨骨折と月状骨脱臼。正中、尺骨、橈骨神経麻痺。ズデックの骨萎縮=反射性交感神経性ジストロフィー=RSD。

問題26-24 ベネット(Bennett)骨折時の骨折部の変形はどれか。
1.背側凸変形 

2.掌側凸変形 

3.外転屈曲変形 

4.内転屈曲変形

ベネット骨折の定義は言えるかな?「第1中手骨基底部掌尺側面の脱臼骨折」この定義はものすごい大事やから忘れんようにな。

この骨折の問題がややこしいのは「遠位骨片の転位」と「骨折部の変形」で出てくる筋肉が違うねん。

遠位骨片の転位―長母指外転筋により橈側近位

骨折部の変形―母指内転筋により内転屈曲変形

そやから例えば「遠位骨片の再転位は母指内転筋による。」ていう選択肢は×やねん。(実際に昔出題された)

答え:4.

問題26-25 肩関節前方脱臼の症状で誤っているのはどれか。
1.持続性疼痛を訴える。

2.上腕軸は外転内旋位をとる。

3.肩峰下に骨頭を蝕知する。

4.三角筋胸筋三角は消失する。

肩峰下、ていうのは上腕骨頭の正常位置。脱臼では骨頭が正常な位置から烏口突起下や鎖骨下に転位する。ゆえに上腕骨頭が正常位置に存在する3.が間違い。

4.は「モーレンハイム窩」のことな。三角筋前縁と大胸筋と鎖骨に囲まれた凹み。ここに上腕骨頭が転位して下から突き上げるからへこみがなくなるねん。エガちゃんの「ドーン」みたいな感じやな。

問題26-26 肘内障で正しいのはどれか。
1.肘関節屈曲位で手を強く引かれて発生する。

2.患肢前腕は回内位をとる。

3.上肢自動運動制限はみられない。

4.整復後は肘関節軽度屈曲位で固定する。

肘内障は学齢前の小児に特有の橈骨頭輪状靭帯外亜脱臼。1.で引っかかる子は案外多いんと違うかな。屈曲位ではなく伸展位で手を強く引っ張ったときに発生しよる。

患児は前腕を回内下垂して患肢を使いたがらない。主張も変形も画像所見もなし。整復後の固定は不要や。

答え:2.

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