第27回柔道整復師国家試験 柔理Part5


27-72 胸骨骨折で正しいのはどれか、2つ選べ。
1.ハンドル損傷で発生する。   

2.斜骨折が多い。

3.呼吸運動に障害は見られない。 

4.合併症に縦隔内臓器損傷がある。

胸骨骨折は直達外力で発生することが多い。交通外傷でハンドルで胸打ったりシートベルトに引っかかって折れたりする。かつては「柄・体境界部」に好発、で出題されてたんやけど17回の国家試験から「体部骨折が多い」に変更されてる。区樫の問題集とかやるときは注意な。

2.横骨折が多い。

3.胸式呼吸すると骨折部が動いて痛いから、腹式呼吸するねん。呼吸運動の障害というのはどうかと思うけど選択肢としては〇、かな。

4.胸腔内臓器、と書きゃあええもんを変にかっこつけた言い回しして何になるねん。

答え:2.、4.

27-73 ゴルフの右スイングによる肋骨疲労骨折の好発部位はどれか。
1.右第1・2肋骨斜角筋付着部 2.右第7・8肋骨結節部 
3.左第3・4肋骨前鋸筋付着部 4.左第5・6肋骨角部

これも変な選択肢やな。右スイングがどっち向きかわからんとか前鋸筋どこに付着してるの?とか肋骨角、肋骨結節?それ何なん?みたいな子でもこの問題は解ける。

肋骨疲労骨折の好発は①利き手の反対の②第5・6肋骨の③背中側やんか。そうしたらこの条件を満たす(明らかに一致する)のは「5・6肋骨」の4.しかあれへん。

27-74 腰椎椎体圧迫骨折で正しいのはどれか。
1.下位腰椎に多発する。 

2.椎体は楔状変形を呈する。 

3.亀背変形を呈する。 

4.脊髄症状を呈する。

1.案外これに正答できひん受験生がおるねん。椎体圧迫骨折で一番頻度が高いのが「胸腰椎移行部」。それやったら腰椎骨折で一番多いのは?上部腰椎やんな。

2.椎体は前方が圧壊されて楔状に変形する。後方は無傷やから脊髄症状も根症状も起きへんねん。

3.亀背とか円背になるのは胸椎圧迫骨折。

4.前述のとおり脊髄症状も根症状も呈することは少ない。そやから当然間欠性跛行なんかも選択肢としては×な。

答え:2.

27-75 肩甲骨体部骨折で正しいのはどれか。
1.介達外力による発生が多い。 

2.横骨折はまれである。 

3.大きな転位を生じる。    

4.上肢の外転動作が困難になる。

1.直達外力によるものが多い。鎖骨骨折が介達外力によるものが多いのとセットで覚えとくと便利。

2.肩甲骨体部は真ん中に肩甲棘が横切っているからそれが邪魔になって縦には折れにくい。基本的には体部骨折は横骨折。

3.肩甲骨体部は腱板によって覆われているので転位は小さい。それから…、

4.肩甲骨に直達外力が加わったとき、または骨折部からの出血により腱板は攣縮する。結果として肩関節の外転運動は制限される。国家試験では肩甲骨(体部)骨折で「腱板損傷に似る。」というフレーズがちょくちょく出題されてた。

答え:4.


27-76 上腕骨解剖頚骨折で正しいのはどれか。
1.小児に好発する。     

2.骨折部の変形が著明である。 

3.肩関節内転位で固定する。 

4.阻血性骨壊死の危険性がある。

1.上腕骨骨折は近位端部が高齢者(骨端線離開は除くよ)、骨幹部は青壮年、遠位端部は小児に好発で覚えとってな。

2.関節内骨折やから転位は小さい。ちなみに解剖頚骨折は関節内骨折なので「関節内血腫」だけど関節包外の外科頚骨折では「骨折血腫」になる。

3.固定肢位は肩関節外転、水平屈曲位。

4.関節包内骨折で骨癒合がよろしくないので骨頭が壊死を起こす。無腐生壊死は「感染によらない骨壊死」なので栄養血管が絶たれて発生する「阻血性壊死」を含む。他に無不正壊死を起こす骨折としては手の舟状骨骨折、大腿骨頸部骨折、距骨頸部骨折がある。


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