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【勝手に電波少年企画〜プッシャーばかりのリスボン〜一文無しからBoom Festival へ向けて。そして片想いの先輩も探す旅!07】

私はリスボンに到着。
フェスティバル目当ての人か、夏休みの観光の者か、分からないが、兎に角、観光客で溢れていた。
24時間乗り放題の地下鉄の切符を買ったので、日が暮れるまではリスボンでも観光の中心地っぽい場所で道売りでもしながら過ごし、日が暮れたら空港に行って、寝れば良い。
空港ならフェスティバルを目指す人も見つけやすいので情報や余ったチケットもあるかもしれない。


私は迷いながらも、とりあえず大きな公園がある駅を目指した。
地下鉄をあがると、立派な電車の駅もあり、賑やかだ。
噴水と大きな銅像がある広場。
日が暮れるまで、この広場で過ごそうと思えた。

が。

道を歩けば、プッシャーに当たる。
本当、柄が悪い印象だ。
マリファナ、ハシシ、ケタミンと声をかけてくる。
こんな観光地で声を掛けてくるプッシャーなんてろくなのがない。
私は、そんなプッシャーなんだか浮浪者なんだか区別のつかない者たちを無視して、広場のベンチへ。
荷物をおろし、ブランケットを広げ、絵を並べる。
そして『BOOM FESTIVALのチケット探しています』
の張り紙。


これはまた。鴨がネギ背負って、ガスコンロまで持って来た状態なのだろう。
変な人々が声を掛けてくる。
勿論、旅をしている若者や、ブームフェスティバルへ行ったことあるよという人も。
風も強く、何度も絵が飛ばされる。
もう、単なる休憩でもいいや、という気分だ。
そして。変な人は来る。
「ブームのチケットもあるし、ペーパーもあるよ。」
と。
「いくら?」
と一応、尋ねてみたのだが。話がおかしい。
チケットはタクシーで行かなきゃいけない友人の家にあるから、今は無いとか。
だからタクシー代金に100ユーロを貸してくれだとか。
いやいや、そこら中にATMあるでしょ?
と思わず突っ込みを入れてしまったほど、怪しさ満載だったのだ。
とりあえず、アシッドはあるから持ってくるという。


私も暇なので待ってみた。

再び30分もしないうちにアシッドを持って来た彼ら。
50枚くらいあった。そんなに、必要ないのになぁ。と思う。
そして、その50枚を物凄い高値で売りつけようとして来た。
最初から怪しかったが、最後まで怪しいのが丸わかりな人たち。


「私はそんなに沢山買わないし、効果が無かった買わないから、半分、テイスティングさせて。」


と。私も私で無茶苦茶なことを言った。
無茶苦茶な人には案外、無茶苦茶な要求も通るもので。
私は半分、その場でアシッドを食べさせてもらった。
何か味はしたが。
その後、30分しても案の定、何も無い。
アシッドの効きを待っている間に、その前に話しかけてくれたフランス人の男の子が、また来た。


彼は昔はトランスパーティーが好きでブームにも行ったことがあると言うが、今はジャグリングの世界とヨガやそういった世界が好きだと言う。

アシッドを買わないのか?と言う彼らに、買わない。効かないもの。
と言い、私はフランス人の男の子とその場を去る事にした。
日も暮れ始めていた。


そのフランス人の男の子がイケメンだったとか、気に入ったとか、そういう理由ではなく。
リスボン地元の柄の悪いプッシャー、というか、アニメのキャラみたいに分かりやすいちっちゃい悪キャラみたいな人たちを巻きたかったのだ。


タイミング良く、仲間が来た。フランス人の男の子が来たという感じだ。
彼はパリに住んでいる28歳。ジャグリングをしながらヨーロッパを旅しているらしい。
カウチサーフィンや駅の荷物預かり所を利用して節約しているという。
そして。


ゴアにも行ったことがあり、インドではヨガなどをしていたと言う。
更に。

昔はドラッグを売っていた。売っていたからブームフェスティバルに行くとその頃の仲間に会ってしまう。と。


私は納得。
また、こうゆう人が助けてくれた。と。
ドラッグの人。でもマインドゲーム世界も知っている人。
私たちは空港で一晩過ごし、話しているうちにブームフェスティバルへ行くことになった。
勿論、チケットを探しながら。
空港では。
友達や朝を待つ、ブームフェスティバルへ向かおうとしている若者が沢山いた。
私とフランス人の男の子、ファビは喫煙所でハンガリーのいかにもインド帰り元気な若い女の子と話した。彼女はインドで出会ったイスラエル人の彼氏を待っているという。
そして2人でブームフェスティバルへ行くと。
余りのチケットは持っていなかった。


それにしてもハイテンションでよく喋るのだ。喋る、喋る。興奮していた。
イスラエルから来るから無事に飛行機に乗れたか心配。
と話していた。

そして。彼女の彼氏が無事到着。
私はそろそろ眠かったのだが、ちょっと荷物見ててという、ハンガリー人女子とイスラエル男性。


タイミングを逃し、ウイスキーを回し呑みしていた。
その、ちょっとが全然、ちょっとではなく。
どうせ、久々の再会で、ちょめちょめ…とは容易に予測出来たが。
私とファビはウイスキーを呑みながら、夜空を見上げる。
仕方ないね。という感じで。
気まぐれにポイを回してみたり。
なんだかヒッピーの気分。

そして、なんだかんだ、寝るタイミングを逃しっぱなしで。
私は朝になったらファビと電車とバスでフェスティバル会場へ向かうつもりだったが。
女子トイレでハンガリー人の女の子が提案してきた。
「みんなでタクシーシェアして一人50ユーロでゲートの前まで行こうよ!」
まだまだ真夜中。外は寒い。
私は50ユーロが高いのか安いのか、いまいち分からなかったが、了承。
喫煙所に戻ると、ファビは朝になったらバスと電車で行くと言う。


私は、あ。と思う。
ちょっと前までは。ファビを誘って、じゃぁ、ブームフェスティバルまで一緒に行こうよ!
なんて言って空港まで来たのに。
ハンガリー人のハイテンション女の子の誘いと眠気に負け、タクシーで行くと決めてしまった。私。
タイミングもあるが。ファビはタクシーで行かないとなると。
急に冷静な気分になった。
このハイテンションガールには気をつけないと。巻き込まれたら大変。と。

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