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からかい上手の高木さん2 EDシングル評 #2「粉雪」

  3曲目が明らかになっていたタイミングで2曲目の話をするという怠慢ぶりだけど、全曲の論評を自分に課しているので書く。

 サウンドの基本的な傾向は一連のシリーズと同じく、低域がなくて音がでかくてラウドネスノーマライゼーション下で不利な音。ただ、それを是とする強い意志も同時に聴き取れるので、全く問題はない。
原曲比の特徴としては、Bassの処理が挙げられる。
原曲はBassをとにかく前に出す処理がなされており、マスタリングも相まって120Hz近辺が煩わしい印象を受ける。MixとしてもCentreにVo,Snare,Bass,Kickがいるのだから、いささか渋滞気味。
対して今回のカバーでは問題の帯域をすっきりさせ、それでいてKickのAttackを聴かせる事によって下のリズムキープを知覚させるサウンドデザインになっている。

 一方で原曲に近い質感を持たせられた音色もある。
Centreに位置するTelecasterっぽいエレキのコードバッキングだ。
イントロから印象的なこの音こそ、この曲を代表する音色と言えるだろう。
これも原曲に近い汚しのきいたクリーントーンで、もしあのころにカバーされていたら、というifにもなんの違和感もない汚し度合い。
原曲と比べられても、切るべきとことは切って出すべきとこは出していることを知覚させる、これぞカバー曲に求められる音作りの大きな勘所ではないだろうか。


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