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からかい上手の高木さん2 EDシングル評 #1「奏」

 久しぶりにnoteに投稿する気になった。
というのも、表題にある楽曲にまたしても大きな衝撃を受けたからだ。

 まずはその選曲だ。
2期のトップバッター曲ということで、1期のいきものががり「気まぐれロマンティック」ような調子で行くと、おおかた福岡の後輩ことYUIの「CHE.R.RY」あたりが来るものだと想像していた。
しかし予想は大きく裏切られることとなった。

 一発目でこれかい…。

 明らかに離別の予感を匂わせてるけどいいのか…?

「元高木さん」という、長期的に見れば主人公二人の幸せな結末を描く作品はあれど、その道程において訪れていただろうと思われる一時的な離別をいやがうえにも想像させる。
ED映像のテイストも打って変わり、1期の元気そうな要素は影を潜め、「秋」の映像に仕立てられている。
この変化が次回以降のEDロールにおいてどのような変化が現れるか、まずは見守ろうと思う。

 さて、サウンド面に関するお話になるが、これも言葉を失うほどの音だ。
1期より2000年代中盤のエミュレートぐあいが強くなっているのだ。
なんと原曲より音の汚しが進んでいる。悪い意味で「ディジタルっぽい」混ざり音。ボーカルの質感が一番わかり易いが、とにかく音が荒い。しかし、これは狙わなければ出てきようのない音であるし、狙うには高い技量と感性を要求されるだろう。Bass以下の帯域を切る、まったく現代的でないミックス・マスタリングは2010年代産2000年代Jポップというジャンルを確立するにふさわしい音だろう。

 また、ボーカルディレクションもすごい。
原曲は大橋さんの情感あふれるボーカルが特徴であるが、この高木さんバージョンではその情感を削ってしまっている。
まったく「高木さん」として違和感のない、肩の力を抜いたボーカルだ。
大橋ボーカル曲から情感とビブラートをオミットする、これは一般的に考えれば取りづらい選択肢だろう。
しかしやってのけた。
しかも結果は、「アリ」。
もう言うことはないだろう。

 久々に「音を楽しむ」気分にもなったし、純粋に中高時代の情景にもリンクさせられたし、音の力が大きすぎる。
噛み砕くまでに時間は掛かりそうだが、少しずつ自分のものにしたいと思う





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