「からかい上手の高木さん」Cover Song Collection 追評

以前の評はこちらから


CDを購入したということもあり、以前の記事では言及していない追加の評を著しておこうと思う。

#2 「AM11:00」
男女ボーカルなので音域が広く、ラップパートもある難曲だが、それを感じさせないボーカルの技が光る。「連れ去ってくれてもいいから」の、声が裏返りそうなところ、実にいい。ラップパートについても、男性目線であり男性ボーカルの詞ながら違和感のない歌いこなしであり、自然なのにハイレベルな仕事をやってのけた印象を受ける。

#3 「自転車」
ちょうど自転車を題材にした回のED曲であり、うまい曲を持ってきたなと思った。とにかく大サビ前の「イェイ!イェイ!イェイ!」がかわいい。最高。

#7 「出逢った頃のように」
最終回ED曲。曲のアレンジはこれまでと打って変わってアコギとアコピのみのシンプルなアレンジとなる。最終話自体もそれまでとは違う仕立ての話が連続するので、特別な最後を飾るにふさわしい曲となっている。歌い出しと映像の相乗効果に涙してしまったのは自分だけではないだろう。他の曲よりボーカルに関して特筆すべき点はないように思えてしまうが、それも丁寧に歌い上げられているからだろうと思う。技を見せない技術、といいたところだろうか。曲そのものもサウンドもこのアルバムの〆にふさわしい一曲。

全体を通して、高木さんのカラオケのようなコンセプトで制作されており、力の入りすぎていないボーカルパートで好感が持てる。過剰な演技をして感情を入れすぎてしまっては、中学生が歌っているというコンセプトが崩れてしまうし、まさにちょうどいい塩梅であると思う。肩の力を抜いて、あくまでも、高木さんが西片と遊びながら歌っているようなニュアンスが重要なのだ。


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