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なぜ宮崎マンゴーが高品質なのか考える

どうも、車輪の再発明が趣味のおじさんです。

ちなみに勝手に考えているだけなので事実無根です。後孔明の極みみたいなもんなので実質フィクションですな。

現状追認が必ずしも正しいとは限らないが、現状となったのには必ず理由がある。というのが持論なので、暇な方、お付き合いください。

さて、沖縄と宮崎の気候を比較していて面白いことに気付きました。


しばらくは謎の表

まずは那覇
そして宮崎

いきなり謎の表を二つ出されても…という感じですが、ざっと見て沖縄の方が年間通して温暖かつ降水量が安定していて、宮崎は梅雨と秋雨時期に大雨が降るのもあって年間降水量が多く、それでいて日照時間は長いというのが読み取れます。

沖縄県の『アーウィン』栽培管理
休眠時期を最低気温に着目して宮崎に適応すると…

今まで、【家庭菜園における冬季越冬の難易度】を判断軸として表を作っていましたが、【高品質なマンゴーを作る】ことを軸にして表を作り直しました。生産者視点だと品質の良いものを高く買ってもらうことが重要ですからね。沖縄と比較して促成栽培のような作型になります。

休眠〜開花〜収穫までの8ヶ月の範囲で作り直し
比較用
温度条件を無くした比較用

ここから謎の表の分析

さて、比較して宮崎が優れている点を列挙していきます。

  • 栽培期間中最後の月以外、7ヶ月連続で宮崎の方が日照時間が長く、合計日照時間は1.4倍にもなる。

  • カビや炭疽病が怖い開花結実期に雨量が少なく、急激に日照が落ち込み多雨の為炭疽病の恐れが出てくる6月の梅雨入り前に収穫が終わる。

  • 温度調整で熟期をコントロールし、ゴールデンウィーク含む梅雨前の行楽シーズンに収穫のピークを迎えられるため、観光の目玉にできる。

  • 宮崎の交通の便はあまり良いとは言えないが、台風等で交通に乱れが出る沖縄よりも大消費地への安定した出荷が可能である。

  • 果実肥大期にハウス外はまだ寒く、収穫期でも世代が進んでいないので虫の密度が少ない。ハウス内への侵入、繁殖を抑えられれば薬剤散布の頻度を少なくできる。マンゴーハフクレタマバエなどの害虫は今のところ定着していない。

こんな感じですかね?デメリットはやはり加温が必要なこと、特に最も温度に神経質になる開花結実期に一番寒い時期がぶち当たるのがヒジョーに辛い。沖縄では15℃を25℃にすればいいところ宮崎では5℃を25℃にしないといけないという。投入されるエネルギー(燃料)は膨大になります。

ただし、台風や豪雨があり設備強度が求められのは宮崎も沖縄も変わらないので、被災する前に売り切って現金化の見込みが高い促成ブランドマンゴー路線は経営判断上妥当なのかも知れません。

あと沖縄は6→7→8と尻上がりに気温と日射量が上昇します。一気に完熟して収穫のピークを迎えるのは域外出荷には都合がいいかもしれませんが、供給量が増えると値が下がるかも知れませんね。夏休みの観光シーズンと重なるので観光客が消費すると供給過多にならないかな?

ここでネタバラシ

さて、いろいろ書きましたが、アーウィンの管理方法については1994年に書かれたものを参考にしました。
つまり、今まで私が書いたことは30年前には知っている人は知っていたし、気付いた人は気付いていたということです。

現在は先人が作り未来はこれから作る…みたいな感じですかね。



ここまで読んでいただきありがとうございました。


参考までに帯広の作型