(T_T)。〇(アーウィンで良くね?)
どうも、アーウィンで良くね?おじさんです。
アーウィンとはマンゴーの品種のことです。恐らく日本人の99.99%くらいは興味のないことだと思いますが、「もしかしたらアーウィンを超える品種があるかもしれない」と悪戦苦闘したおじさんの3年の記録を残しときます。
めちゃくちゃ長くなりますが、専門的な教育を受けていない素人の戯言なので、なんかやってんなぁくらいで読んでいただけると幸いです。
答えは既に出ている
日本で流通している国産マンゴーの大部分はアーウィンなわけです。私より学識や経験が豊富な先人たちが苦心の末に出した結論がアーウィンです。
・アーウィンよりおいしいけど実が小さい。
・アーウィンよりおいしいけど香りが弱い。
・アーウィンよりおいしいけど見栄えが悪い。
・アーウィンよりおいしいけど繊維が多くて食べにくい。
・アーウィンよりおいしいけど柔らかすぎて棚持ちが悪い。
・アーウィンよりおいしいけど収穫時期の見極めと追熟が難しい。
総合的に判断してアーウィンで良くね? いや、それがベスト。
これから栽培される方にとっても、動画サイトにて管理方法を公開されている方が沢山いるので、参考にしやすいです。(ありがとうございます)
別解「趣味」
マンゴー営農に向けたフローチャートを考えると大体アーウィンで良くね?となるので、趣味で数本栽培する場合に私がオススメする品種は…
・種からずっと空調の利いた明るい室内で育てるならチョカナン(多胚珠)
・種から育てて基本外、冬に室内に取り込むならキオサウェイ(多胚珠)
・接ぎ木苗を買って温度管理し収穫を狙うならキーツ、金煌、玉文
「夢」を育てる、みたいな感じですね。
いばらの道
さて、ここからはいばらの道です。国産アーウィンよりもおいしい別品種のマンゴーを作り世に問うという場合、アーウィンはマンゴーだけどマンゴーはアーウィンではないという問題が発生します。最高のアーウィンを作るために研ぎ澄まされた技術を別の品種に適応しても微妙にズレると思います。
品種、環境の違い
論より証拠ということで、実際に育ててみてください。というのは余りにも投げやりですね。マンゴーの苗はなかなかお値段が張る上に流通も少ないので、ホームセンターでブドウカテゴリの中からデラウェアとシャインマスカットの苗を買ってきて、無消毒で雨ざらしにして育ててみてください。
長野県のような年間降水量が少ない場所であれば案外うまくいくかもしれませんが、鹿児島のような多雨地帯では、特にシャインマスカットは露骨に弱ると思います。
私が栽培していて感じた品種による違い
あくまで私が栽培した中の話です。めんどくさ 品種本来の特性を探るために放任気味に育てていました。
樹勢の強さが上に向くか、横に向くか
マンゴーは基本的に樹勢が強いですが、ほっとくと高さを重視する奴と面積を取りに行くやつがいますね。上に伸びる奴は設備の天井につっかえるので誘引が大変で、横に行くやつは開心自然形に樹形が整いやすくコンパクトになりますが、枝を充実させて良い実をつけさせることを考えると芽かきが大変かもしれません。
頂芽優勢を無視する奴
マンゴーの台木の多くは台湾原種の多胚珠の種から育てたものが使われていると思います。私が接ぎ木苗約35本を3年育てて、穂木が健全なもので台木から芽が出た例は1例だけでした。台木としての性質は優秀ですね。
実生苗で、主枝が衰弱し始めたらスパッと切り替えて地際から再生するタイプもいます。こういった品種を台木に使ったらどうなるのか気になります。流石に台木には向かないかなぁ。しかし、再生力は評価できると思います。
ぐにゃぐにゃに曲がる奴
アルフォンソはなんかすごい癖がありますね…インド等で露地栽培するなら枝が自然と下垂することで大木になっても花が下に咲いて収穫しやすいメリットがあるのやも。日本で営利栽培となると…うーむ。
『私が』目指す栽培に適した品種はどれか?
文化資本というのは田舎にも適応されるので、仮に非農家の私がマンゴー栽培で生計を立てるということを考えると、まず広い土地の確保と台風に負けないしっかりとした設備を購入するところから始めないといけません。初期投資が大きくなるのは確定として、アーウィンに適した環境を空調管理すると、ランニングコストが増大して借り入れを返済できなくなる可能性があります。
初期投資はしょうがないとして、維持管理コストは抑えたい。そういった栽培環境でも高いポテンシャルを発揮できる品種。最低限の加温により開花期を野良の日本ミツバチ等の活動時期に合わせることで、受粉にかかる手間を省力できたり、耐病性が高く極力防除をしなくてもいい品種はないものか?
まだ面白そうな栽培方法を4つほど試したいのですが、私の勘ピューターが2年後くらいにチャンスが来そうだと言っているので、マンゴー農園計画は一回手じまいにして凍結しときます。
商売をするとなると、人に見せて恥ずかしくないものをちゃんと作れるようになってからですね。
ミツバチはマンゴー以外の果樹の受粉もやってくれるので、ついでに蜜源植物を植えて花畑も作りたいですね。
不完全な完熟という矛盾。
ビギナーズラックによる奇跡を常時再現できるように精進します。
失敗からのアドバイス(虫注意)
趣味の小規模のため顕在化してない問題があるかもしれませんが、この辺の気候と同様な場所なら生態系利用で結構やっていけるんじゃないでしょうか?落下防止用のネットが完熟果の食害予防にもなります。コシロモンドクガやタイワンキドクガといった害虫が侵入してこなければいいですが。
致命的な虫だけは取る(発見を早めるため花ガラはすぐとる)
カタツムリなんかはわかりやすいですが、マンゴーの新梢や花につくガの幼虫は糸で身を守りながら成長前の実をダメにしてしまうので要注意です。
すぐ狭くなる
マンゴーは大きくなりますし、大きくしないと収穫量は望めません。ハウスが狭いと管理作業が億劫になるわ実や枝が引っかかって落ちるわで何にも良いことはありません。鉢を動かしたりも厳しくなってきます。見切り発車も大概にして欲しいですわね自分。
マンゴーという果樹は露地植え出来ない環境だと趣味と営農との間にひと際大きい溝があるなぁというのが正直な感想ですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。