DIYのお勉強:壊れやすい場所
皆さんに期待されているのかは分かりませんが、DIYするときに知っていると便利な「構造力学」について軽くお話したいと思います。
建築で勉強して、自分でモノを作る時に気を付けていることです。
今日は、「壊れやすい場所」について説明します。
さて、壊れるというと、
1.たわんで(しなって)しまい、真っすぐにならない。
2.根元から折れる。
この2パターンをあげることができると思います。
なんでこんなことになるのか、パターンごとに説明します。
1.たわんで(しなって)しまい、真っすぐにならない。
棒状のものに力をかけたとき、変形しますよね?
針金を曲げたり、小っちゃい箱を押しつぶしたりしたとき、ぐにゃっと、圧縮されたり曲がったりすると思います。
結論から言うと、
モノって圧倒的に曲がりやすいんです。
今からやる例題では、同じ力で100倍も曲がるんです。
つぶすよりも曲げやすいんです。割りばしとかを折ったりする時を考えてみれば分かりやすいと思います。
次の図を見てください。
二本の壁付けの棒に、上からまたは横から押す場合のそれぞれ、どれだけ変形するかを表しています。
それぞれ l (エル)は棒の長さ、E は材料の強さ、Aは材料の断面積(高さ×横幅)、I(アイ)は材料の断面二次モーメント(高さの三乗×横幅/12としています)です。長さの単位は全てmm。
(語句の意味は分からなくても大丈夫です。)
試しに、棒の長さ l=100㎜、材料断面を高さh×横幅w=20㎜×20㎜としてみましょう。すると、、、
a=25 P/E, b=0.25 P/E つまり、a/b=100 となり、
曲げた方が100倍変形する!んです。
怖いですね、、、。DIYの際に注意が必要なポイントの一つだと思っています。ちなみに、l(エル)が長い時ものほど変形がより大きくなります。物を乗せたときに大きく変形してしまう棚とか、机とか、使い勝手悪いですからね。。。
でも、このおかげで割りばしとか曲げれば折れるし、うまく使われている点も多いです。今回は本題ではないので割愛します。
2.根元から折れる。
先ほど曲げると100倍も変形するといいましたが、もちろんそれだけ、材料に力がかかっているということです。
今度は図で結論をお見せします。
指の大きさは、材料にかかっている局所的な力(応力という、記号はσ)の大きさを示しました。材料は局所的にでも大きな力を受けたら折れたり、壊れてしまいます。
wは断面の横幅を表します。式の通りに計算すると、先ほどの例題では、
30倍の力が局所的にかかっています。先ほどよりもましですが、1㎏の筆箱で、30㎏の小学4年生が乗った力がかかるようなイメージです。それなら壊れますよね。。
このため、曲げの力がかかると、根元から折れたりしやすいんですね。
まとめ
詳しい話、計算過程などは省略しましたが、
まげる力は、押す力の何十倍もの力がかかる!
だから、曲がったり、力の集中する根元で折れる!
ということです。
次に気になるのは、
どうやったらその状態を回避できるのか?
ですよね。それについては今後書いていければと思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後までお読みいただきありがとうございました。
このような理論的な話、需要があるようなら早めに続きを書こうと思いますので、コメントいただけると助かります。
※詳しい理論は、構造力学や材料力学の教科書、Webに書いてあると思います。。そちらを参照するか、コメントを頂ければわかる範囲で返答いたします。。