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522 さいとう元彦 出直しという名の復讐!?

はじめに

兵庫県知事を失職してむかえた9月30日の朝、彼は地元の神戸市須磨で街頭活動を行っていました。出直し選挙を表明している斎藤氏のこの行動に多くの応援メッセージや「いいね」が集まっています。

元兵庫県知事 さいとう元彦 X投稿より

「#元兵庫県知事頑張れ」の動きも活発になっているようです。今日の教育コラムでは、斎藤元彦氏への信頼をどの程度持てるのかというお話を通して、選挙で重要となる公約を県民がどこまで信じることができるのかという問いに少しだけ答えていきたいと思います。

兵庫県知事選挙

本日、斎藤元彦氏が自動的に知事を失職しました。その事を受け、次の知事選の日程が決まりました。
兵庫県の選挙管理委員会によれば、10月31日(木)公示、11月17日(日)の投開票という予定だそうです。衆議院議員選挙と重なれば同日日に投開票の可能性もあります。石破茂自民党総裁は、最近のメディア出演でもできるだけ早い段階で民意を問いたいとお話しされていますので、国政選挙と重なるとこれまた、党利党略により候補者が乱立する可能性があり、斎藤元彦氏に有利な選挙戦が予想されます。

真実はどこにあるのか

新たなスタートとして、斎藤元彦氏が地元で街頭活動を開始したわけですが、告発文章問題に言及することもありませんでしたし、一連の法令違反や告発者潰しに対する謝罪などの言葉はありませんでした。
そもそも告発文章問題をめぐって初動の問題は、多くの知事経験者などが問題を指摘しています。そうした指摘の中には、法令違反が疑われるものも含まれます。事実、パワハラについても斎藤元彦氏自身も認めているわけです。こうした立場であるにもかかわらず、応援する声が毎日のようにXに投稿されているわけです。中には、自らの命を懸けて告発した故人を侮辱する様なコメントや一連の出来事全てが捏造だとするようなコメントすら飛び交っているような状況は看過しがたいものがあります。
選挙は、候補者と有権者の間でいくつかの約束をし、その約束の実行性に信頼がある、または、その約束に候補者の考えや思いが表れていると思えば投票するものです。
この判断は大変難しく、候補者がいかに真実を述べているかをある程度有権者が想像しなければいけません。そこで、斎藤元彦氏のはっきりしないいくつかの事象を集めて、候補者の主張を見極める練習をしてみたいと思います。

練習問題

練習① 県政を混乱させたことを反省しているという発言は本当か?
【問いかけ】

失職と出直し選挙を最初から決めていて事実上の事前の選挙運動をしていたとしたら、県政を一日も早く混乱状態から抜け出させるための努力を怠ったことになります。さて、不信任決議案が可決された翌日には、テレビ局行脚をしたわけですが、この間に斎藤元彦氏は重い決断になるので時間をかけて悩んでいるとしています。議会の不信任決議が出て、当初から告発文書問題について反省する点はないので辞職は考えていなかったとしています。議会の解散も当初から考えていなかったとしています。すると、失職しかなく、県政を前に進めることは述べていたわけですから、不信任後には失職して出直し選挙に臨むと言えるわけです。あるテレビ局に一対一の形で出演した際の斎藤知事は、今後の身の振りようについて全ての選択肢が目の前にありしっかり考えていきたいと述べ、議会解散についてもにおわせていました。

皆さんは、自分の選挙運動に決断までの10日間を利用したと感じますか。また、県政を前に進める、県政の混乱を生んだことに反省しているという彼の言葉に嘘はないのでしょうか、それと嘘を感じるでしょうか。

練習② この選挙戦は本当に一人なのか
【問いかけ】
「私は(政党という)組織の後ろ盾がないし、どこの政党からも力を借りることはない。無所属・1人でやることになる。自分流の選挙に挑戦したい」と述べている斎藤元彦氏の発言は、嘘ではないかという疑問を持ってしまう。すでに、多くの応援がXに投稿されています。彼はそうしたこのような事態になっても応援してくれる人たちがいることをしっかり言葉にしなければならないのではないでしょうか。「一人で」という言葉をあえて用いることで自分はいじめられているような状況であるということを演出しようとしているように思われてしまいます。また、実際に現職時代に行った政治資金パーティーで集めた2000万円近い資金が手元にあります。これは、自民や維新といった政党関係者や政党を支持する人たちのお金も入っているわけです。これをもって選挙資金とするわけです。ついこの前まで後ろ盾だった人たちが与えた政治資金が、お金という大きな彼の後ろ盾として機能しているわけです。また、本来の意味での後ろ盾となる人は本当にいないのでしょうか。大手の病院の委員長は応援団であることを公言していますし、県外の支援者も資金援助をXの中で申し出ています。また、ボランティアに名乗りを上げている人も多く存在しています。これらすべてが後ろ盾です。無所属と豪語してきたわけですから本来政党の応援など気にせず、有権者目線で選挙戦を戦えばいいわけです。かれは、本当にこの選挙一人で戦っているのでしょうか、それともそういった演出で同情票を集めようとしているのでしょうか。

練習③ 出直し選挙なのか
【問いかけ】
出直すとは、原点に戻ることとも言えます。そう言った意味では、斎藤知事は彼は地元の神戸市須磨で街頭活動を開始されました。まさに出直しに適した場所だったのかもしれません。
しかし、これは選挙戦の出直しの場所という点では原点となるでしょう。しかし今回の出直し選挙は、その人間性への否定や告発者潰しのプロセスへの指摘であったことは、不信任決議案に賛成の立場から意見を述べた議会での各県議たちの発言からも確かです。つまり、その点について謝罪や撤回、故人の名誉の回復などがなされなければ問題を解決して前に進むという原点に立てないのです。なぜなら、選挙戦を制したとしてもその点で議会との対立が深まり、ねじれた結果として県政が前に進まなくなるのです。
そして、彼が2021年に立候補した原点には、子どもたちに「兵庫県恥ずかしい」という言葉が出ないような県にしたいという思いがあったはずです。私は、兵庫県を恥ずかしい県だと思ったことは一度もありませんが、告発者を誹謗中傷をした人間、事実を含む意見を嘘八百、一生懸命に県民のために定年間近まで務めてきた人間を公務員失格、本人は否定しているが何百人もの県職員がパワハラの存在を認めていることに対して事実無根と公開の場で暴言を浴びせた人間が知事という職に就いていたことについては大いに恥だと思います。
今こそ多くの子どもたちが「兵庫県恥ずかしい」と言っている状態を解消すべきでしょうと言いたいです。かれは、本当にこの選挙を出直し選挙と考えているのでしょうか、それとも復讐のための選挙だと考えているのでしょうか。

飛び交うデマと過大評価の演出

いずれにしても斎藤元彦氏の3年間の県政で兵庫県が前に進んだとしても、彼の人間性と故人への侮辱やこの間の県職員への負担、そして不要な県知事選の結果生じたものは決して県政を前に進めるものではありませんでした。
第三者委員会の調査の結果や百条委員会の追及の末に見えるものは、いったいどのような真実なのでしょうか。
彼の問題を棚上げにして、仕事ができる、既得権益側につぶされたと主張する人々はそうした事実ですらも闇の組織の陰謀でマスコミをグルだと主張するのでしょう。
選挙は、有権者が候補者を見極める場です。政治家が堕落する原因の一つに有権者の意識の低さや見識のなさも無関係とは言えません。公約の中身を語るためにも、そもそも公約を守れる誠実さや謙虚さといった人間性の高さを兼ね備えているのかを判断しなければならないのではと思います。
告発文書の中身の審議については、今は百条委員会の調査が中断され平行線です。あくまでも問題は、告発行為に対する対応です。権力者が一方的に文書の扱いを決め、不当な脅迫まがいの調査をし、一方的に公開パワハラをしたにも関わらず、彼は県の側の弁護士に相談したことを頼りに自分が正しいと言い続けています。2名の公益通報の専門家や86名全ての県議が問題があると指摘しても彼は、その問題に向き合おうとしません。
おまけに目の前で会見の場で知事が発した言葉や認めた行いがあっても彼がふさわしいと大声で叫び続ける人間が日に日に増している有様です。皆さんはどのように判断するでしょうか。

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