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500 頑張れ‼斎藤元彦 兵庫県知事「その出直し選挙は『Broken Rage』」


はじめに

以前の動画でもお話ししましたが、兵庫県の斎藤知事を辞任させるためには、当時上司だパワハラ疑惑などで告発された兵庫県の斎藤元彦知事に、当時の知事選で推薦した「日本維新の会」が辞職と出直し選挙を求めました。

大阪府知事の吉村共同代表も説得の電話をした旨を記者会見で述べられていました。今日の教育コラムでは、日本最大の喜劇が今まさに始まろうとしていることについて少しお話してみたいと思います。

維新の行動への理解

維新の会は、斎藤知事を最後まで擁護した党として県民の注目を集めています。9月5・6日の百条委員会を通して、週明けの9月9日本日、兵庫県の日本維新の会は県政運営に支障が生じ始めているなどとして、斎藤知事に対し、辞職と合わせて「出直し選挙」を求める申し入れを行いました。
これによりすべての会派が辞職を知事に進めていることになります。しかし、出直し選挙を申し入れた点については、疑問符が付きます。
維新は斎藤知事を先の選挙で推薦しました。また、元代表の部下であった斎藤知事に対して維新は、これまで度々百条委員会の場でも擁護と受け取られるような対応をしてきました。
それは、政治家らしい筋を通した行動だとも言えます。一度推薦した人間を最後まで応援する行為は、人間同士の関係性を重要視する政治の世界では大切なのでしょう。しかし、今回のような法令違反を重ね、権力を乱用した人間をもう一度、応援するとなればその党の存在意義すら疑われるでしょう。

出直し選挙

維新の会は、次のような言葉で申し入れをしました。
「斎藤知事の説明は議会や県民が十分納得できるものとは言いがたく、実際に県政運営に支障が生じ始めている」
「県民の民意を得て行政施策を動かしていくことは、政治家である知事の責務で、大局的な見地に立った賢明な判断を強く望む」
この言葉は、辞職と出直し選挙を示唆する言葉になっています。
「県民の民意を得て」という言葉は、もう一度、選挙で信を問えという意味なのです。しかし、私はこれこそがコメディだと思うのです。

吉村府知事の言葉の重さ

日本維新の会の共同代表でもある大阪府知事の吉村知事は、この問題について次にようなコメントを発しています。

「百条委員会での証言、説明は兵庫県民の皆さんの理解を得られるものではなかったと思う。」
「党の中で協議をした結果、辞職を求め、県政を前を進めるというのであれば出直しをすべきだという結論になった。」

この言葉は大変に重いものがあります。「まずは、辞任しなさい。もしもまだやりたいなら県民の負託を受けるに値するかを確かめなさい。」という意味なのです。そして、吉村府知事は斎藤知事が出直し選挙になった場合は、再度推薦するかという質問に対して、「支持できるものではない」という見解を述べています。

松井さんたち元代表の言葉

一方で松井元代表や橋下徹さんたちは、下に紹介する動画の中で維新は出直し選挙で斎藤知事を応援し、一緒に県民に謝罪し選挙で判断してもらうべきだという主張をしています。私は、この動画を撮影した時点では公益通報者保護法に違反している状態であることが確認できた9月6日の百条委員会の情報がまだ入っていないことを考慮する必要があるとは思いますが、やはりそこまでの問題のある人間を支持するという考え方には違和感があります。

前半はシリアス、後半はコメディ

Amazon Prime Videoで2025年配信予定の北野監督の新作「Broken Rage」が第81回ベネチア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門で披露されました。この作品への評論を見てみると前半のシリアスな部分と、後半に同じストーリーをコメディタッチで描く2部構成が斬新だというコメントがありました。

私も北野監督の作品のファンの1人でもあるので公開されたら是非、視聴させていただきたいと思います。奇しくも9月6日の斎藤知事への2回目の百条員会が行われたその日は、北野監督が世界で大きな喝采を受けた日でした。私は、この「Broken Rage」で描きたかったものが「暴力映画におけるお笑い」という北野監督のコメントを耳にして思い浮かんだものがありました。
それが、今まさに兵庫県で起きようとしている出直し選挙です。3年前の斎藤県政の誕生が「Broken Rage」でいうところの前半のシリアスな場面、そして出直し選挙を求める維新の対応を含め今起きているのはコメディのように感じてしまうのです。
「Broken Rage」直訳すると「壊れた激怒」ですが、本当のタイトルの日本語訳は違うかもしれません。斎藤知事が告発者探しをし、人事的な圧力で脅し、そして職員の尊い命を奪ったこの事件は、政治家の道義的責任の意味も法律上の解釈もめちゃくちゃな一人の人間の権力の乱用の末の、出直し選挙の末に大敗を期すというコメディのような結末に向かおうとしています。
自分の政治家としての生き残りに全てをかけた一人の権力者とそれを支える権力者の友達が、一つの県の政治を後退させ一人又は二人の尊い命を奪いそして碌な謝罪や故人の名誉を回復する努力もないまま出直すなど、この日本で罷り通るなどと努々思っている人たちを私は心から軽蔑せずにはいられません。

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