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528 斎藤元彦と奥谷謙一

はじめに

先日、高橋さんが運営知れている番組、リハックにそれぞれ出演された斎藤元彦前兵庫知事と百条委員会院長の奥谷謙一県議ですが、皆さんの目にはどのように映ったでしょうか。今日の教育コラムでは、私が思う2人が選挙戦を通して県民にこの一連の文書問題に対して信を問うことが重要ではないかというお話をしてみたいと思います。

両名のリハック出演の様子

二人の共通点と立場

斎藤氏は、2021年の知事選への立候補時、奥谷議員からの選挙応援を受けていました。斎藤県政で行おうとしていたいくつかの若者支援などの政策に奥谷議員も賛同し、議会として協力をしてきたのです。
今回、リハックにそれぞれ出演された斎藤元彦前兵庫知事と百条委員会委員長の奥谷謙一県議ですが、皆さんの目にはどのように映ったでしょうか。私には、この2人が選挙戦を戦うことができれば、兵庫県民にこの一連の文書問題の中で見えてきた権力の乱用の問題や県政の混乱をどのように収束させていくのかをもっと明確に考えることができるように思います。

自民党独自候補者の選定を継続

最後まで独自候補を選出することが出来なかったのが、維新の会と自民党でした。他の会派、無所属からは候補者が続々と名乗りを上げていました。そんな中、維新の会からついに清水貴之参院議員への出馬要請が行われたのです。一方の自民は、10月3日時点でも県議団総会において独自候補の擁立ができませんでした。また、その他の党との一本化にも至りませんでした。つまりは、自主投票となったわけですからこの時点では票は割れてしまう可能性がありますし応援体制も支援体制も組みにくくなります。
しかし、こんな自民党県連の弱腰に喝を入れたのが国会議員からの意見でした。このままでは不戦敗になることを危惧したのでしょう。候補者探しを続けることがこの時点で決まりました。兵庫県議会の最大会派である自民党が独自候補を出せないことについては、大きな疑問を持ちます。斎藤元彦氏への不信任決議案を提出し可決させたわけですから、知事が空席になることに責任をもってふさわしい人材を準備しておくことこそが責任ある最大会派の務めであるとも思うのです。むしろ、斎藤元彦氏の再選を阻む最強の候補者を立てることが使命だとも言えます。苦労するのは候補者を立てるところではなくいかに他の会派と選挙協力を進め候補者の一本化を進めていくことだったのかもしれません。

今回の兵庫県知事選挙の問題点

斎藤元彦氏は、失職し街頭活動をする中でもリハックの中でも語られていますが、ある強い決意で今回の再選を目指されています。それが、3年間やってきた改革を前に進めることです。行財政改革を行い本当に必要な所へ予算をあてることが彼の続けたい仕事です。具体的には、県立大学の授業料無償化や若い世代への応援施策などを上げています。
この彼の政策の方向性については、間違っていないという言葉を同じくリハックに出演した奥谷謙一議員からも聞かれた言葉でした。つまり、政策については両者ともに立場は違いますが、現在進めてきている改革を継承していけるわけです。
これだけの県政の混乱が生じている背景には、知事への資質という人間性や政治家としての姿勢が問われていることがあります。彼は、失職後の様々な取材の中で今回の問題で改善すべき点についていくつか述べています。
・県議会との信頼関係を回復していく
・県職員とのコミュニケーションを再構築していく
・自分のやりたい施策の意図や意義をもっと丁寧に説明する
・合意形成していくプロセスを大切にしていく
この4つが主な彼の反省の弁です。しかし、圧倒的に重要な点については従前から意見を変えることはありません。それが、公益通報者保護の観点から見た時の3月の権力の乱用です。3月の権力の乱用とは、自身に向けられた告発を第三者調査に回さずに自ら判断して処分を下したというものです。つまり告発者の探索と告発者潰しまでの一連の公益通報者保護法違反です。
彼が今回この点について権力の乱用を認めその是正に努めることを約束しなければ、県職員は不安を解消できないでしょうし県政の混乱も本当の意味で収束しないでしょう。今回の問題の核心の部分を反省せずに出直し選挙で何を問うのかという話にもなりかねないのです。

県民にとって何を選ぶ選挙なのか

政策の方向性は3年前に県民が選んだ方向性と変わらないのが斎藤元彦氏の強みです。それはまた、彼と同じ方向性を応援した奥谷さんの強みでもあります。
では、政策論で争わず何でこの選挙争うのでしょうか。やはり人間性ということになるのでしょうか。果たしてそれが正しいのかどうか不安に感じる人もいるでしょうが、決してそんなことはありません。
権力の乱用を行い自身への告発を正しく扱わないような人間がいいか、そうした行為を正すために真実を追求し正義を求めている人間がいいかという観点でリーダーを決めたとしてもそれは実に選挙の本質に近いものなのです。掲げる政策が同じ様な方向ともなれば、後は実行力などの政治的なスキルと政治家としての道義的な判断の在りようにかかってくるわけです。

チェ・ゲバラの言葉に「世界のどこかでなにか不正が犯されたならば、いつでも強く感ずるようになりなさい」という言葉があります。医学生でありながらも理想の実現のために革命家となった彼の言葉は、自国の事だけにとらわれずに世界規模で正義を実現しようとした行動の一つだったのかもしれません。
また、同じく医学の道に進みながら「個々の病人をなおすより、国家の医者となりたい」と決意した元東京市長後藤新平さんも思想は違えども強い意志で国を立て直した政治家でした。
両者の姿に見えるのは権力をどうとらえるかどう用いるかという点において理想があり自分のためではなく人のために用いたということです。

今回の選挙はくどいようですが権力の乱用により失職した知事の空席を埋める選挙です。その根本を忘れてはいけないと思うのです。告発文書問題の旧名と正しい県政、そして未来志向の政策の実行、この3つがかなう人物がもしかすると奥谷謙一さんなのかと私は思っています。

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