225 積極性
はじめに
「積極性」とは、物事に対して能動的に行動する姿勢のことです。また、「能動的」とは自分から他へはたらきかけることを意味します。
この二つの言葉の意味を分かりやすくまとめれば、「自分から物事に対して働きかける姿勢」が積極性を指し示すわけです。
積極性がある人と言った場合、高い意欲をもち、自分で考えて行動できる人や、困難な課題にも臆することなく挑める人を「積極性がある人」と評価できるわけです。
さて、今日の教育コラムでは、物事に能動的に関わるこの積極性について少しお話してみたいと思います。
積極性を評価する
学校では、積極性を重んじる傾向にあります。
これは、社会が積極性を求めているからでもあります。主体的に学びに向かう場合、積極性が示す能動的な態度が重要なのです。では、積極性があるか無いかをどのようにして判断しているのでしょうか。学校生活における積極性の評価の視点とその後の社会における評価の視点を5つずつ示してみたいと思います。
【学校生活における積極性を評価する視点】
(1)自ら進んで課題に取り組み、難しい問題にも挑戦することができた。
(2)工夫して努力し、自らの課題克服に努めることができた。
(3)自らの取り組みを振り返り、新たな目標を設定し継続的に学ぶことが
できた。
(4)なかまと協力して課題を追及し、進んで意見を述べたり活動に関わろ
うとすることができた。
(5)日々、自学自習を工夫して行い、自己の向上に努めることができた。
【社会人として企業が積極性を評価する視点】
①自ら進んで、もっと多くの仕事、もっと難しい仕事を買って出た。
②仕事に関する知識・技能向上のため継続的に自己啓発している。
③常に問題意識を持ち業務にあたり、しばしば具体的な改善提案を行った。
④会議や打ち合わせで、常に自ら進んで自分の意見を具体的に述べた。
⑤常に、与えられた以上の仕事をしようとしていた。
積極的と消極的な違い
積極的な人間と相対するのが「消極的」な人間となります。
この場合、どのような姿が見られるかと言えば、一言で言うと自分から進んでものごとをしない様子が見られるということになります。
何もしないということではなく、指示された学習や、やらなければ自分が困る宿題はするのですが、誰がやっても良いものごとに自分から手を挙げて関わろうとしません。
「消極的」な心理状況には2つほどの特徴が見られます。
①自分に自信がなく「失敗したら恥かしい」と感じる
②向上心がなく「自分の為になる」と思えない
この心理状況のもとでは、自分の良い部分を伸ばそうとせずに自分に関わる悪いことや面倒なことを減らして、良い状態を維持しようとする考え方が働きます。
このことを踏まえて、積極的な人の姿を見ていくと次のような特徴が見えてきます。積極的な人は、人から命令されなくても、やった方が良いと思うことや、これをやれば皆が楽にやりそうなことなどを見つけて自分から関わろうとします。
心理的な特徴としては、自分に自信があり「失敗してもなんとかなる」と思ったり、向上心があり「やればそれだけ自分の為になる」と思える状態であることがあげられます。このような心もちの中では、自分の良い部分や、これから起きる良いことを増やして、更に良い状態にしていこうとする考え方ができます。
面接にて
自分の長所を面接で問われた時に、「何事にも積極的に取り組む点です。」と答えることができるとしたら、それは、とても多くの意味を含みます。
・何事にも挑戦できる
・人のためになる働きができる
・自分のためになることを考えられる
・言われなくても自分に必要な学習を進められる
・向上心がある
などなど、教育者としては積極的な態度の持ち主は大変に魅力的です。逆に短所で「消極的」という言葉を耳にしたときは、大変心配になります。消極的とおとなしいというのは別物です。物静かであるとか慎重であるとか言葉数が少ないという自分を消極的だと表現するのは考えものです。
自分の良い部分を伸ばそうとせずに自分に関わる悪いことや面倒なことを減らして、良い状態を維持しようとする人は、受験に臨もうとしないはずです。なぜなら、受験とは自分に不足している力を補いながら、高みを目指して歩むことだからです。
自分の意見が苦手なことや人前で何かをすることが苦手という意識と消極的な態度の違いを意識した受け答えを意識するようにすることをお勧めします。
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