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471 神対応 岸田首相への期待
はじめに
今日の教育コラムは、岸田首相が長崎でおこなった被爆者の方との面会において神対応をされた件について少しお話してみたいと思います。下の動画はネットニュースで報じられたその会の様子の一部です。
ご覧いただくと今回の会の様子がつかみやすいかと思います。
被爆地域
8月9日、今から79年前にアメリカから原爆が投下された長崎の地で、岸田首相は、被爆者団体などとの面会を行いました。政府と被爆者とのこの会の後半、参加者の一人の男性がポスターを掲げ、大きな声で抗議をしました。
内容は、被爆地域外で原爆の被害に遭った「被爆体験者」を被爆者として認定してほしいというものでした。
この抗議は79年間の思いをかたちにしたものであったと思います。何人の制止にも語気を弱めることなく、毅然とした態度でその怒りと願いを強く訴える姿は、原爆の被害をどのようにとらえ、考えていくべきかを私たちに問うてくれているようでした。
岸田首相が動く
その男性に前方の席から歩み寄っていき目の前に立ち話しかける人がいました。それが岸田首相でした。首相の地元広島も長崎同様に被爆地であります。首相が近づいて「厚生労働相に現実的な対応策を指示しました」と語り掛け、少しの間でしたが直接話し込む姿に私は国のリーダーのあるべき姿の一端を見た気がします。
かなり強い口調で主張していた男性は、岸田首相との対話を通して気持ちを落ち着かせ、手を取り「よろしくお願いします」と応じていました。
過日も旧優生保護法をめぐり岸田首相は被害者の方々に国を代表して謝罪しました。「政府の責任は極めて重大だ。心から申し訳なく、政府を代表して謝罪申し上げる」と述べて頭を下げる姿は、大変共感することができました。少なくとも約2万5000人もの方々がこの問題では、重大な被害を受けました。その人たちに、賠償することを誓ったわけですから、これは大きな前進です。間違いを認め、謝罪するという当たり前の行為を真摯に実行できるリーダーの姿は、私には新鮮で美しく見えました。さて、今回の被爆体験者の方への対応をもう一度見てみましょう。
被爆体験者
被爆者と被爆体験者の言葉には大きな違いがあります。
長崎への原爆投下があったとき、爆心地から半径12キロ以内の地域にいながら、国から「被爆者」と認定されていない人のことを「被爆体験者」と呼ぶことがあります。
「被爆体験者」は爆心地から半径12キロ以内にいるわけですから、被爆者と同様に手厚い助成が必要なわけです。しかしながら、国が認定する地域ではなかったという理由のみで「被爆者」と認定されないのです。
そのため、医療費の助成などで大きな差が出ています。今回岸田総理は、こうした問題を前進させました。高齢化が著しい中で残された時間はあまりありません。30分間の面会時間の壁を破り、総理は厚生労働省に指示を出したと言葉で伝え、厚生大臣も予定を変更して話を聞き続けました。
「被爆体験者は、被爆者ではないのですか?」この言葉に、戦争をはじめ、敗戦した責任を持つ国や政府が決めた当時の政府見解や法律を持ち出して、そうではないと答えたところで、やはり多くの被爆体験者は納得できないのだと思います。
岸田首相が進めた一歩は、大変に大きな一歩であると私は思います。政治決断であるとか、政治的な解決というものは今回のような「神対応」を必要とするのではないでしょうか。
兵庫県で起きている斎藤知事の権力に執着し、責任を取らない姿勢を岸田首相はどのように考えているのでしょうか。総理の神対応をぜひ期待したいところであります。