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317 円周率 π

はじめに

今日は、3月14日ということで、円周率3.14に因んだ記念日となっています。小学生の内は円周率は、3.14で計算し、中学生になるとπ(パイ)で表すことが多くなります。計算が少し面倒ですが、工夫して計算することで計算の回数を軽減することができ、ミスも減らせます。
今日の教育コラムはその全貌をまだ誰も明らかにしていない数字について少しお話してみたいと思います。

円周率とは

円周の長さは、円の直径の長さの何倍かを表した数字を円周率と言います。つまり、大体3.14だということで学習をしています。これがわかると、曲がっていて測りにくい円の周りの長さも簡単に大体ですが計算で出すことができます。例えば、中心を通る円周から円周までの長さである直径は直線ですので10㎝と測れたとします。すると演習は31.4㎝と計算ですぐ出せるわけです。
この数字をなぜ覚えておくと便利かというと円周率が3.14という決まった数で表されることからもわかるように、どのような大きさの円でも「円周は直径の何倍か」に対する答えはいつも同じだからです。

本当は何倍?

ちなみに今も円周率の計算は、さらに先まで進んでいますが、2023年の3月、ちょうど今から1年前の時点では、100兆桁まで計算が進んでいました。 なんと、この膨大な計算を達成したのは「岩尾エマはるか」さんという、日本出身の開発者です。
どのくらいのペースで計算が進んでいるかというと、円周率の桁数の近年の更新記録をみると、5年前の2019年に31兆桁、2020年に50兆桁、2021年に約63兆桁、2022年以降では100兆桁を超える計算が進められているそうです。

試しに、円周率を100桁まで並べてみます。

3.14159 26535 89793 23846 26433 83279 50288 41971 69399 37510 58209 74944 59230 78164 06286 20899 86280 34825 34211 70679

となります。さすがに、3.1415926535ぐらいまでは覚えていますが、その後はすらっとは出てきません。

円周率約3と教えた時代

たまに、ニュースなどで「ゆとり世代」という言葉を聞くかと思いますが、1987年4月2日~2004年4月1日の間に生まれた子どもたちで、2022年の時点で18歳~35歳の人たちを指します。
2002年度は教育界の変革の年でした。新しい学習指導要領に基づいて、いわゆる「ゆとり教育」というものが始まりました。この指導要領の基で行われたのが円周率を約3として用いてよいというものでした。
しかし、実際は学習指導要領では「3.14」のままでした。一部、指導要領の中にあった「目的に応じて3を用いる」という文言が、学習塾の営業文句の中で利用されてしまったのです。また、ゆとり教育の弊害を前面に出した報道には、運動会のかけっこでみんなで手をつないでゴールする競争を抑制した教育の姿も表に出されていました。
そうしたいくつもの誤解が重なり、批判は高まりました。当時、文部科学省のゆとり教育の中核だった事務方の役人も結果としてPISAのテストにおいて学力低下を招いた責任をとり、その役職を去ることとなったぐらいです。
その後、日本の教育は、ゆとり教育を反省し、大きな揺り戻しの中で現在の学習指導要領へと移行していったわけです。つまり、簡単に言えば時代の先をいったのか、はたまた失敗したかのいずれかだったわけです。
実際に、円周率を約3として教えていた学校もありましたが、やはりそれは、望ましくないのです。

円周率が約3ではいけない理由

とても単純で、誤差が大きいのです。円周率を3として計算してもしも円周分だけのひもを用意したいときに絶対足りないのです。10㎝の直径で計算したとき円周が、30㎝と31.4㎝では1㎝以上足りません。生活の中で便利なはずの数学が、困ってしまう状況を作ってしまいます。
また、円とそれに内接する正六角形の周長が等しくなってしまうことも例によく挙げられますが、円と六角形の周の長さが同じになって何がいけないのと思う人もいるかもしれません。

円の中に六角形

こんな場合、周りの長さが同じと言われて納得できるかというと明らかに違うだろうと多くの人が思うのではないでしょうか。このように本当は、長さが違うものが同じになってしまうことは、実際の生活の中では不都合が生じるのです。それは、同じ材質や同じ長さの物を用意しても作れないようなことが起きてしまうからです。

円周率は、無理数と言われますが、その計算は今も続いています。割り切れるその日は来るのでしょうか。円は大変美しい形状です。そして神秘に満ちている数値を秘めているのです。
時には、そうした数値に目を向けてみるのも面白いかもしれません。

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