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1つのディスクに複数のOSをインストールし管理する方法【マルチブート】
今回は、1つのディスク(ハードディスクやSSDですね)に、複数のOSをインストールし、それを管理する方法について紹介していきます。
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UEFI(BIOS)画面で起動優先順位を変更
今回は、外付けSSDに複数のOSをインストールしていきます。
まず、パソコンのUEFI(BIOS)画面で、起動優先順位を内蔵ディスクよりも、外付けディスク(ハードディスクやSSD)を上位にします。
そうすることで、外付けディスク内のマスターブートレコードが呼び出され、ブート画面(OS選択画面)が表示されるようになります。
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UEFI(BIOS)画面に入る方法は、パソコン毎にことなりますが、よくあるパターンは、起動したら[F2]キーもしくは[Esc]キーを連打します。
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そして、UEFI(BIOS)画面の起動優先を変更します。今回は、インストーラーであるUSBメモリとインストール先である外付けSSDを内蔵ドライブよりも上位にします。
2つ以上のOSのインストール時の注意点
では、次はいよいよOSのインストールです。
1つ目のOSのインストールはインストール先を外付けのハードディスクやSSDにすることに注意すれば、さほど難しくはありません。
2つ目以降のOSのインストールに関しては、パーティションの切り方のところで注意が必要です。
今回は、既に3つのOS(Kubuntu、Lubuntu、Xubuntu)が入っている外付けSSDに、4つ目のOS(Ubuntu Budgie)をインストールします。
途中まではガイダンスに従って、インストールを進めてください。
注意する画面は、「ディスクのセットアップ」画面です。ここでは一番下“手動パーティショニング”を選択し、“次”をクリックしてください。
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パーティションの選択画面に移ります。
ここでインストールする場所を指定します。
“sda”、“sdb”、“sdc”が各ディスクであり、自分の場合は、内蔵SSDがsda、外付けSSDがsdb、SDカードがsdcとなっています。
今回は、外付けSSDにインストールするので、“sdb”のパーティションを修正していきます。
この“sdb”には、すでに3つのOSがインストールされています。sdb1、sdb3、sdb4というファイル形式がExt4になっているものがそれです。
sdb2というファイル形式がVFATになっているものは、別のOSをインストール時に作成したパーティションで、必須の領域となります。このままだとインストールする領域がありませんので、一番サイズが大きいパーティションsdb4にインストール領域を作ります。sdb4をダブルクリックしてください。
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「パーティションを編集」するウィンドウが開きます。今は66GB程度のサイズになっています。
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こちらのサイズを任意のサイズ、今回は30GB程度に縮小します。
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するとsdb4は30GBとなり、空き領域として36GB程度の領域が確保されます。
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その空き領域をダブルクリックすると「パーティションを作成」するウィンドウが開きます。そしてマウントポイントにルート(“/”ですね)を選択、使用方法は“Ext4”にし、「OK」ボタンをクリックします。
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するとsdb5が作成され、そのマウントポイントがルートになっていることが分かります。
同様のやり方で、ファイル形式がVFATとなっているsdb2のマウントポイントを“/boot/efi”にしてください。これで準備完了です。
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あとは、通常通りインストールを進めてください。
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ブート画面の編集
インストールが完了したら、再起動します。
起動すると、ブート画面(OS選択画面)が表示されます。一番上にある“Ubuntu”とあるのが、インストールしたUbuntu Budgieになります。
ほかは、Kubuntu、Lubuntu、Xubuntuですが、すべて名前が“Ubuntu”になっています。どれがどれやら…。
Ubuntuの公式フレーバーは、ブート画面で名乗ってはいけない決まりでもあるのでしょうか?
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ひとまず、一番上のUbuntu Budgieを起動します。なかなかオシャレなデスクトップですが、今回はUbuntu Budgieのレビューではなく、「1つのディスクに4つのOSをインストールし管理する方法」になりますので、レビューはまた別の機会に。
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正常に起動し、ひとまず、インストールは出来たのですが、先程見たとおり、ブート画面がすべて“Ubuntu”になっています。
これを修正していきます。
Grub Customizerインストール
修正するには、“Grub Customizer”というアプリを入れていきます。これはブートローダーを編集出来るソフトであり、Grub画面(OS選択画面)に表示されるOSの名前や待ち時間、背景を変更することが出来ます。
まずは、こちらのアプリのインストール方法です。
流れは次のとおりです。
①リポジトリの登録
②パッケージリストのアップデート
③インストール
すべて端末(ターミナル)上で行います。
まず、リポジトリの登録コマンドですが、次のように入力してください。
sudo add-apt-repository ppa:danielrichter2007/grub-customizer
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リポジトリの登録が完了したら、次に、パッケージリストのアップデートです。次のように入力してください。
sudo apt update
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そして、grub customizerのインストールになります。
sudo apt install grub-customizer
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これで完了です。
それと、これは必須ではないのですが、パーティションの構成が見やすくなりますので、“gparted”というアプリもインストールしておきます。
sudo apt install gparted
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Grub Customizerの起動及び編集
まず、“gparted”を起動し、インストールされている外付けSSD(sdb)の中のパーティション構成を確認してみます。
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120GBのSSDであり、5つのパーティションに分かれています。この内、鍵マークがついているの sdb5 が現在起動しているUbuntu Budgieが入っているパーティションです。
では、今度は“grub customizer”を起動してみます。インストールされているOS以外にも“Advanced option Ubuntu”というサブフォルダが展開されている状態で見づらいですので、サブフォルダを閉じてみます。
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若干見やすくなりました。この“grub customizer”の画面とGrub画面(OS選択画面)を比較してみますと完全に一致しますね。
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では、“grub customizer”で名前を変更していきます。変更したい箇所をダブルクリックすることで名前の編集が出来ます。“Ubuntu Budgie 24.10”としてみます。そして編集が終わったら、左上の「保存」ボタンをクリックします。
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パソコンを再起動し、ブート画面を確認しますと、ちゃんと名前が“Ubuntu”から“Ubuntu Budgie 24.10”に変更されていることが分かります。
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最終的に“grub customizer”上で、すべての名前を変更しました。そしてブート画面でも名前が変更されていることが確認出来ました。これでだいぶ使いやすくなります。
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grub customizerのその他機能
“grub customizer”のその他の機能として、デフォルトでどのOSを起動するのか、またブート画面が切り替わるまでの待ち時間を変更することが出来ます。
初期状態だと最初のエントリーとなっており、一番上に表示されているOSにカーソルがあたっており、一定時間が経過すると、そのOSが起動されるようになっています。ここを特定のOSに変更も出来ますし、前回起動したOSを起動するようにすることも出来ます。また、デフォルトのエントリーが起動するまでの秒数を調整できます。個人的には3秒くらいが、長すぎず、短すぎず良い感じの時間です。
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総括
今回は、1つのディスクに複数のOSをインストールし管理する方法について説明させていただきました。
今回は外付けのディスクを使って行いましたが、内蔵ディスクでも当然可能です。ただし、内蔵ディスクで試すと、Windows等の既存のOSが起動しなくなるリスクがあるため、あまりおすすめはしません。
やはり、外付けのHDDかSSDにインストールするのが良いと思います。