ZorinOSの軽量版、『ZorinOS Lite』の今後について
はじめに
今回は、Linuxディストリビューションの中でも、お勧めのZorin OSの軽量版『Zorin OS Lite』に関する今後の動向について、公式ページに記載があったので紹介します。
Zorin OSって?
Zorin OSは、Windowsしか使ったことがない方でも比較的使いやすい、Linux初心者にオススメのOSです。
Windowsのようなデスクトップレイアウトであること、
インストール直後から日本語表示、日本語入力が可能であること
ブラウザ、メーラー、オフィスソフト等、よく使うアプリが一式プリインストールされていること
適度な文字の大きさ、文字間隔になっており、スッキリとしたデザインになっていること
等から、Linuxに興味はあっても、どのOSを選べばよいかわからない人にオススメできるLinuxの1つです。
そんなZorin OSですが、約2年に1度リリースされるUbuntuの長期サポート版(LTS版)に合わせてリリースされています。
有料のProエディションの他、基本となるCoreエディション、教育用のEducationエディション、そして低スペックでのパソコンでも動作するLiteエディションが用意されてます。
Zorin OS Liteが見当たらないんだけど
Zorin OSは、前回のバージョン16までは、ダウンロードページにProエディション、Coreエディション、Educationエディション、Liteエディションがありました。
しかし、今回のバージョン17では、ぱっと見、Liteエディションが見当たりません。これは一体どうしたことでしょう。
実はダウンロードページの下の方に、『Zorin OS Liteを探していますか?』というリンクがあります。
こちらをクリックすると『Zorin OS Liteの入手』というページに遷移します。
なんだ、ちゃんとLiteバージョンもリリースされているじゃないか、と安心したのもつかの間、少し気になることが書いてありました。
日本語翻訳してみます。
ということで、Zorin OS Liteのリリースは、次のバージョンZorirn OS 18までとなり、それ以降は無くなるようです。
何故なんでしょう。
Zorin OS Liteが廃止される理由
Zorin OS Liteが廃止される理由について、いくつか記述されていましたが、大きくは以下の2つでしょう。
LiteエディションはXfceという軽量なデスクトップ環境を採用したものになりますが、Gnomeデスクトップ環境を採用した通常のCoreバージョンでも、そこまで高いスペックは必要とせず、比較的古いパソコンでも軽快に動作します。
過去に『Gnomeデスクトップ環境は重い』と言われていた時期もありました。たしかに他のデスクトップ環境と比較すると、相対的に重いことは変わりはありませんが、Windows11の要求スペックと比較すると軽量も良いところです。
また、Windowsがどんどん高いスペックを要求するに従い、市場に出回っている中古パソコンもスペックが高くなっているように感じます。世代にもよりますが、普通にCorei5のパソコンが1万円台で出回っていたりもします。
そうなってくると、もはやネットブックが流行っていたころの石器時代のパソコンでもない限り、Gnomeデスクトップ環境を重いと感じることは無いのではないでしょうか?
この『すべてのユーザにとって最もユーザフレンドリーなオペレーティングシステムを作成する』というのは、開発者側の問題かと思いますが、ある程度は仕方がないかも知れません。
どの程度の体制で、Zorin OSが開発・保守されているのかは不明ですが、複数のエディションを用意し、それを保守するのは、それだけでリソースが必要になります。Ubutuのように、各フレーバーごとに、開発チームが分かれているのであれば別ですが、Zorin OSはそうではないようです。
ここ数年は、まずCoreエディションがリリースされ、その数か月後にLiteエディションがリリースされるといったスケジュールでした。
そのため、Xfceデスクトップ環境であるLiteエディションを切るというのは、ある程度は仕方がないかも知れません。少し寂しいですが。
まだ慌てるような時間じゃない
と、ここまで悲観的な事を言いましたが、まだ先の話です。
現行のZorin OS 17でちゃんとLiteエディションもリリースしていますし、次期バージョンであるZorin OS 18でもリリースされます。さらに長期サポートという事で3年間はパッチが適用され続けます。
Xfceデスクトップ環境のZorin OS Liteを使いたい方は、ここ数年は猶予があります。そこまで慌てる必要はないでしょう。
Zorin OS 17 Liteの変更点
Zorin OS 17 LiteとZorin OS 16 Liteとの違いは次のとおりです。
XFCE 4.18 デスクトップ環境を採用
刷新されたソフトウェアセンター
Windows アプリ サポートの強化
テーマのスタイルを更新
新しいアプリ
ハードウェア サポートの向上
2027 年までの長期サポート
基本的に乗っかっているデスクトップ環境やアプリが新しくなった程度で、新たな機能の追加はなさそうですね。
Zorin OS 17 Liteってどんな感じ?
外観
見た目は、Gnomeデスクトップ環境のZorin OS Coreと変わりません。
日本語関係
当然、日本語入力もインストール直後から可能です。
スタイル変更
Zorin Appearanceというメニューがあり、デスクトップレイアウト変更が出来ます。ただし、変更できるレイアウトは2種類と少し控えめ。その変更もタスクトレイ上に起動しているアプリの表示の違いにとどまりますので、大きく変わるという分けでもありません。
このあたりは、Coreバージョンに劣るところですね。
ちなみにZorin OS 17 Pro Liteというプロバージョンにアップグレードすることで、デスクトップレイアウトを増やすことが出来ます。
アクセントカラーやダークテーマへの切り替え
アクセントカラーの変更(初期状態では青)や、ダークテーマへの切り替えも出来ます。
操作感
Gnomeデスクトップ環境と比較して、アニメーション効果は弱いので、滑らかさという意味では劣ります。
その分、軽快に動作はしてくれます。
ただ先にも言いましたが、石器時代のパソコンでもない限り、Gnomeデスクトップ環境でも快適に動作はしてくれます。
Windowsソフト
Zorin OSでは、Windowsのソフトをダウンロードし、ダブルクリックすることで、Windowsのソフトを動作させるために必要なソフト(Wine関連のソフトですね)こちらを自動的にインストールしてくれます。
ただ、初期状態では、文字化けがあります。また、Windowsの全てのアプリ動作を保証している訳ではなく、また動作してもWindowsで動作するよりも、重くなりがちですので、そのあたりはちゃんと理解してお使いください。
まとめ
今回は、Zorin OS Liteの今後について、説明させていただきました。
Xfceデスクトップ環境が好きな方にとっては、残念な方向となってしまいましたが、Gnomeデスクトップ環境に一本化されることで、開発リソースをCoreエディションやProエディションに割くことが出来ると考えると、悪い事ばかりではないような気がしました。
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