WindowsからLinuxに乗り越える一連の手順(ダウンロード、インストーラの作成、PCの起動優先順位、インストール手順)について纏めます
先日、2025年10月に、Windows10のサポートが終了するので、その対応についての記事を書きましたが、その時の記事で、新たにWindows11のパソコンを購入する選択以外にも、WindowsからLinuxに乗り越えるというやり方もあることを説明させていただきました。
では、乗り換えると言っても、具体的にはどうすれば良いのでしょうか?
私のYouTubeチャンネルでは、多くのLinuxを紹介していますが、その一連の手順についての説明は、動画が冗長になってしまいますので、ほとんどしていません。
また、インストール手順のみを取り扱った動画もありますが、数年前の動画になってしまいます。
というわけで、Windows10のサポート期限が切れるこのタイミングで、今一度、Linuxのイメージファイルのダウンロードから、インストールが完了するまでの一連の流れについて、解説動画を作らせていただこうと思います。
ですので今回は、Linuxに殆ど触れたことがない方に対する説明になります。理解している方にとっては、目新しさはないかと思います。むしろ、「ここの説明が足りないよ」とかいろいろツッコミ入れて補完していただければ助かりますm(_ _)m。
準備するもの
さて、ご用意していただくものですが、以下のとおりです。
Linuxをインストールするパソコン
USBメモリ
パソコンは、Windows10が動作していたパソコンであれば、問題ありません。Linuxは、数多く存在し、採用しているデスクトップ環境などによって、要求スペックはそれぞれ異なりますが、重いと言われている部類のLinuxでも、Windows10が動作するパソコンならば、Linuxも問題なく動きます。
USBメモリは、8GBもあれば十分です。むしろ今の時代、8GB以下のUSBメモリを探すほうが難しいかも知れません。
Linuxのイメージファイルのダウンロード
Linuxのイメージファイルは、そのLinuxのホームページからダウンロードできます。それか『Distrowatch』という多くのLinuxを紹介しているサイトにもダウンロードリンクがありますので、『Distrowatch』に掲載されているLinuxならば、そちらからでも問題はありません。
さて、今回、例としてインストールするLinuxは日本開発のLinux『open.Yellow.os』にします。
まずは、公式ホームページをご参照ください。
ホームページのバナーに「ダウンロード」ページへのリンクがありますので、そちらをクリックすることでダウンロードページに遷移します。
USBメモリへのイメージファイルの書き込み(インストーラーの作成)
Windowsで操作をすることを前提で進めます。
まず、ダウンロードしたLinuxをUSBメモリに書き込むソフトが必要になります。
有名なソフトは『Rufus』、『BalenaEtcher』、『Ventoy』になります。
『Rufus』
『Rufus』は、Windowsで動作するインストーラーを作成するソフトです。“Windowsでインストーラーを作成するならばこのソフト”というくらい有名な定番ソフトです。自分の体感ですが、このソフトが一番インストーラを作成する時の成功率が高いように感じます。
『BalenaEtcher』
『BalenaEtcher』は、『Rufus』と並ぶくらいの有名なソフトであり、WindowsだけではなくLinuxにも対応しています。ですので、Linux上でインストーラーを作成するならば、この『BalenaEtcher』を利用するのが良いでしょう。
操作方法も、とても分かりやすく、まずUSBメモリの選択、次にダウンロードしたイメージファイル(isoイメージファイル)を選択、そして書き込みの3ステップで完了します。
『Ventoy』
『Ventoy』は、『Rufus』、『BalenaEtcher』とは、少し特徴の異なるインストーラー作成ソフトです。Windowsだけではなく、Linuxにも対応します。使い方は、『Ventoy』を起動させ、パソコン上にUSBメモリを挿入します。そしてUSBメモリーに『Ventoy』を書き込みます。『Ventoy』の書き込みが終わったら、ダウンロードしたイメージファイル(isoイメージファイル)をドラッグ・アンド・ドロップするだけです。『Rufus』や『BalenaEtcher』とは異なり、USBメモリの容量が許す限り、複数のLinuxインストーラーを1つのUSBメモリーで管理することが出来ます。
以下の動画で、各アプリケーションの使い方を解説していますので、ご参考にしてください。
パソコン起動時に読み込むドライブの優先順位の変更
次に、パソコン起動時に読み込むドライブの優先順位を変更します。具体的にはUSBメモリ等の外付けドライブを内蔵ドライブ(SSDやハードディスク)よりも上位に変更します。これをしないと、USBメモリを挿入していたとしても、内蔵ドライブを読み込んでしまい、Windows10等が起動してしまいます。
UEFI画面に入る
まずは、USBメモリをパソコンに挿入してください。
そして、ご自身のパソコン上でUEFI画面(古いパソコンではBIOS画面)に入ってください。入り方は、それぞれのパソコンによって異なります。自分のPanasonic製のノートパソコンでは、起動ボタンを押してから、メーカーのロゴが表示されるぐらいの間、F2キーを連打することで、UEFI画面が表示されます。パソコンによっては、F1キーだったり、F12キーだったりします。
起動優先順位の設定
UEFI画面上に、ブート(Boot)や起動優先順位(Boot Priority)といった項目(もしくは、それに近い項目)がどこかにありますので、そこで、USB媒体っぽい項目を起動優先順位の最上位に移動させてください。UEFI画面は、各パソコンごとに異なりますので、アバウトな説明になってしまいます。
インストール
UEFI画面上での起動優先順位の設定が終わったら、起動します。
起動するとUSBメモリーからブート画面が呼び出されます。
基本そのまま放置していても自動的にLinuxが起動します。Linuxによっては、このブート画面で言語を選択することができるものもありますので、その場合は、日本語を選択してください。(F2キーで言語選択の切り替えが出来る場合が多いです)
さて、ライブ環境が起動したら、いよいよインストールです。
インストールは簡単です。正直、Windowsのインストールよりも簡単です。マイクロソフトアカウントでのログイン設定も、OneDriveへのオンラインバックアップの設定も、Microsoft365の営業活動もありません。
Linuxのインストールの一般的な手順は、“言語”、“ロケーション”、“キーボード”、“パーティション”、“ユーザ情報”になります。
この中で注意するのは、インストールする“パーティション”です。今回は、Windows10からの乗り換えがテーマですので、ディスク全体をLinuxの領域としてインストールするやり方で問題はありませんが、もしかしたらWindows10の環境も残したい方もいらっしゃるかと思います。
そんな方は、“既存のOSと共存する”いわゆるデュアルブートを行うことが出来ます。1つのパソコンで、WindowsとLinuxを同居させる方法であり、パソコン起動時にどちらのOSを起動させるか選択出来ます。
Windows等、既存のOSが存在する場合は、この“パーティション”の画面で、デュアルブートを行う旨のラジオボタンも表示されますので、そちらを選択し、「次へ」ボタンをクリックしてください。
普段自分は、Windowsが起動しなくなるリスクがありますので、そのリスクがあることを考慮した上で、デュアルブートする事を勧めているのですが、WindowsからLinuxに乗り換えることを前提にしているパソコンならば、デュアルブートを試してみるのも、良いと思います。
さて、インストールが完了したら、最後の画面で、“再起動”を促されますが、個人的には、そのまま“再起動”するのではなく、一旦、インストーラーの画面を閉じてから、シャットダウンをしてください。
Ubuntu等は再起動前にUSBメモリを抜くようメッセージが表示されますが、そのメッセージが無いものもあります。メッセージが無い場合は、再び挿しっぱなしのUSBメモリから、インストーラーが起動される可能性がありますので、念のため、シャットダウンをしてからUSBメモリーを抜き、それから電源ボタンで起動する手順が良いと思います。
パソコンのスイッチを起動し、Linuxが起動されることを確認してください。無事起動出来れば、一連の作業完了になります。お疲れ様でした。
終わりに
今回は、WindowsからLinuxへの移行手順と言う事で、isoイメージファイルのダウンロードから、Linuxインストールまでの一連の手順について、説明させていただきました。
Windows10サポート終了に合わせて、Linuxを触って見たい方は、ぜひ参考にしてみてください。