beatmania IIDX ☆12:九~十段向け二重乱打の練習について(理論パート)
本記事は九段~十段、☆12を意識して触り始めた~☆12真ん中あたりまでとりあえずやっている、ぐらいの層に向けた記事です。
☆11→☆12以降で大きく変わる部分、かつ意外と意識しにくい要素についての記述です。
筆者は☆12 FC190曲程度の地力です。
前提:そもそも二重乱打って何よ、IIDXの二重乱打って何よ
言葉の定義
ある意味当然の部分から記述します。分かっている方は次節以降をご参照ください。
意外と説明中に二重乱打と言っても(書いても)よく分からん、と返されることがある二重乱打。ここから書いていきます。
二重乱打とは。
端的に言ってしまえば「縦連ではない2個押し」が「16分の間隔で降り続ける」要素を指します。
このうち、特に階段として配置されている場合には「二重階段」、完全にトリルになっているものは「二重トリル」、若干マイナーですがこれらをまとめて「二重配置」と呼ぶこともあります。
また、完全な2個押し16分(以下、2-2乱打)ではないもの、例えば3個1個の交互、=3-1乱打等も二重乱打相当扱いされることがあり、更にこれらを二重とすら付けずに「乱打」と称することすらあります。
この記事では譜面属性として特筆することがない限り上記全要素を「二重乱打」と表現します。
※ ☆12上位譜面においては微縦連(16分2連)混じりの二重乱打も存在はしますが、この記事のメイン部分においては範囲外となるので無視します。
IIDXの二重乱打
そもそも二重乱打は他機種にほとんど存在しない属性です。また譜面内で多用され始め大きな壁となるのが☆11以降です。
明らかに二重乱打と呼べる属性が登場するアーケード他機種はpop'n music とSOUND VOLTEX 程度で、かつIIDX の場合はこの2機種と明らかに違う処理を行う必要があります。
簡単には、ランダムパターンの片手2個押し多発ラッシュを、それぞれ独立させた動きの指で指押ししていく必要があります。
これに対してこの記事では二重乱打の重要性、練習アプローチと練習譜面を記載していきます。
IIDX
2機種と比較して、明らかに登場段階が早い
片手に降ってくる2個押しラッシュを、指押しで処理する必要がある
例えば非皿側の4レーンに対して、個数として2-2-1-2-1-2 の同時押しが飛んでくることがある。これを全部指処理しないといけない
pop'n music
二重乱打が多用され始めるのは48以降 (謀反トランスやブロークンサンバブレイク(灼熱)など)
指もある程度使用するが、下段で手のひらを使うなど処理が異なる。大抵の場合、下位譜面の同時押し処理を発展させた、腕全体を高速移動させる別もの
認識に関してだけならIIDXと一番互換性はある。但しバロ乱余裕クラスでもIIDXは指押しが難しいと聞く
SOUND VOLTEX
19以降の最上位でようやく見るレベル(のはず)
同時処理可能レーンが片手3つぶんしかない都合、数小節に渡った片手2個押しラッシュ、と言える配置が非常に作りにくい
縦連を配置しない限り、2-1-2-1……が片手の限界(ABC⇔AB+FX-L、等の移動未考慮)
よってIIDXに置き換えた場合、ほとんど二重階段や単トリル+α、二重トリルの範疇
一方で単階段やトリルのような指の高速処理については、IIDXよりも早い段階で求められるため全く活きないということはない
なぜ☆12が難しいのか:ざっくりとした☆11と☆12の、二重配置における違い
一部の例外を除いて、あくまで全体的な傾向として「難所が連続し続けるか」「体力譜面か」という観点で処理できるという理解です。
☆11の二重乱打
例えばThe Dirty of Loudness(A)、全押しのインパクトが強いですがその直前には短い二重乱打(3-1寄り)が3回分存在します。
イージークリアを狙う段階では100%で入って50%残せればいいや、全押しで回復できるぞという☆11ではちょっと強い程度の譜面です。
ではダーティ二重乱打が、もし合計4小節分が連続したとすると、(途中の回復を後ろに回したと仮定して)40%分残せるでしょうか?
恐らくダーティがギリギリレベルなら連続するとゲージが一気に叩き落されると思います。こうなると☆12の範疇に近い。
逆に言えば☆11の範疇であれば、基本的に飛び抜けた配置が少なく、また回復もしっかりあると言えるわけです。
☆12の二重乱打論
同BPMの二重乱打☆12譜面としてDr.Chemical & Killing Machine(A)があります。☆12としては真ん中ぐらいの譜面。かなり長い二重乱打を耐える必要がありますが、一方でこのレベルですら二重乱打止まりだったりします。
勿論、譜面によっては☆12中位付近でも局所的にもっと詰まったものが飛んできたりしますが、☆12としての「二重乱打を処理する能力そのもの」は☆11からの延長線の範囲です。
そこからレベルを上げて、quell~the seventh slave~(A)レベルになると皿絡みだろうが二重乱打は回復です。
☆12に向けてはこういった「連続した二重乱打を処理する能力」の観点が出てきます。
この基礎をベースとして天空の夜明け(A)のような二重の範疇を超えた中速譜面、最上位の基礎となるVerflucht(A)、等々と続きます。
そこまでを考慮するのであれば難しいと書いたダーティの二重乱打も、最終的には、ある程度のレベルで接続を狙えるぐらいまで引き上げないと☆12と戦えないということになります。
余談:上から目線
上記記述から、上から目線だと簡単な譜面というものが出てきます。ほぼ二重乱打しかない譜面です。
Verflucht接続してますレベルから言ってしまえば、☆11も☆12の下の方も、正直二重乱打であれば違いが分からないというのは事実です。切れ目がなかろうが押せる時点で、同じただの二重乱打扱いされてしまいがちです。
まあフルコン目線だけならそれでいいのですが、間違ってもイージー挑戦レベルの会話にそんなのが混ざるとノイズということは十分理解しておきたいところです。
練習アプローチ:二重乱打なんてやってりゃできるようになるんじゃないの?
A:できてりゃこんな記事見てねえだろ
A:上位勢なら困ってる人間に、数をやれ、だけを、投げんなや
……はい。
まあこれを書いてる人間自体も数をやれの人ではあるんですが、やるにしても効率の話が出てきます。CSEMP時代、snow storm(現L)とかAA(A)以外でどう練習すんだよ時代とかならともかく、曲数も多くなってきた現代IIDXを考えると逆にこのアプローチが迷子になりやすい。
また「何も考えずに出来た人間」が、自分と同じようにやれというのもまたノイズです。人に聞かずにできた自負があるなら、それは天才の部類なので黙ってたほうがいい。
加えて、記事冒頭に書いたレベル帯に向けての情報はそもそも分散していて、しかも少ない。そこを埋めることを考えた記事です。
具体的に何をやるか。個人的な考えとしては下記を把握したプレーをしていくことになるはずです。
苦手を把握した上での、苦手譜面アタック
既にクリアしている譜面は2回目以降ランダムでプレー
特攻型か下埋め型かの把握
空POOR、BADの意識
苦手把握 (長いと思ったらここから読んでください)
得意譜面ばっかやっててもそりゃ伸びんよ、という話です。当然ですが。
☆11→12の橋渡しで二重乱打に関して刺さるとすれば、下のようなものを想定しています。
単純に☆11レベルで二重乱打が辛い
☆11の瞬間的な二重乱打は押せるけど、長くなったら「認識が続かない」
☆11の瞬間的な二重乱打は押せるけど、長くなったら「体力が持たない」
1. はとりあえず☆11でいいので数回してください。スタートラインに立てていません。但し二重乱打を捨てるとかはしないように。ランダムで地力譜面と言われるものに対する理解を深めるフェーズです。
2. は集中力切らさない意識を持ってのプレー。GOBBLE(A)やANTHEM LANDING(A)等の、ところどころ切れ目はあるけど集中力が切れたらガンガン削れるような譜面を見逃さない意識で。
3. は休憩入れずに叩きましょう。二重とは若干異なりますがVulkan(A)やB4U(BEMANI FOR YOU MIX)(A)等のしっかりやると疲れる型も織り交ぜる。
但し「指の動かす速度(打鍵速度)」が足りていないせいで認識できてない/体力が足りなく感じる場合もあります。
これに対してはアップでいいので、スコアを出す意識、押している途中からSLOW多発で遅れていくような状況を減らすことが優先です。Snow Goose(A)や君のハートにロックオン(A)あたり。ランダムで。
ランダムの使用(初見はともかくクリア以降)
スコア狙いの層が当たり待ちをしている印象があるかもしれませんが、一旦当たりどうのは忘れてください。
練習パターンを増やすためのランダムです。わざと押しにくい譜面をやるべきという話。
所謂2356、正規の白鍵が該当位置に来るようなランダム譜面が来たらしんどい、と言うのも分かります。それでも、ランダムで崩してハズレでもなんとか食らいつく練習をすべきです。
☆11で練習に使うような譜面については階段等について綺麗な配置が多く乱打として向き合うには限界があります。よってランダムは掛ける大前提、その上で☆11のハズレは☆12で当たり、ないし最難所当たり箇所以外の耐えないといけない区間だと思いましょう。
階段が練習できない?ランダムでも崩れないパターンはいくらでもあります。コレに関しては捨てずに数やってください。そこまでやってなお、階段が目に見えて駄目ならその時また正規をやればいいでしょう。
特攻型、下埋め型
特攻型:自分のできない譜面だろうがやっていればクリアギリギリの範囲がどんどん増えるタイプ
下埋め型:ある程度下位の基礎を固めてBPを減らしていかないと、なかなか上のランプが点きにくいタイプ
とします。
よく上手い人は特攻しろ、☆12だけやってれば伸びると言いがちですが。。。
あくまで筆者は、そちら側ではなかったことを理由に全肯定ができない人です。勿論☆12を触れるようになりたいと考えているのに☆9スコア狙いメイン、であれば話が違います、☆12用の練習をしてください。
上手い人に言われて特攻しまくったけどBP200だイージー2%安定だ、であれば下埋めが必要な可能性がそこそこあります。逆はこの記事を余り見る必要は無い気がしますが特攻型でしょう。
このあたりの自分のタイプを把握していると、練習の効率が大きく変わると個人的に思っています。下限が上限に引っ張られるのか。下限が上限を押し上げるのか。
※ 間違っても特攻型は下埋めするなという話ではない(その逆も然り) 。特攻型でも苦手属性が極端に目立つ事があったりします。空POORも出がちなのでそういった場合は次節のハード意識が有効です。
逆の下埋めばっかりでも天井は伸びないので、ハードギリギリ安定ぐらいの曲のBPが複数減ったなと思ったらイージー特攻しに行く、その程度は止めませんというかやって下さい。
※ その日の調子等によっても、一時的に逆のタイプの特攻伸び/下埋め伸びは発生します。特攻し続けたけどなんか一切伸びないな、だとか下埋めの負荷を感じないなとかは典型的な逆をやるタイミングです。
空POOR、BADの意識、ハード+ゲージ(数値)表示
☆11→12の二重乱打は延長線上にいると書きました。
このとき、☆11相当の短い二重乱打の切れ目の終わりを誤魔化すような押し方をしていた場合、もっと長くなった配置になった瞬間そこから一気に崩れます。
その他密度が上がることも含めて、☆11の空POORは☆12のBADハマりに繋がると考えましょう。
これに対しては、BPに余裕のある譜面はハードゲージを常備することが解の1つです。
コンボが切れていないがミスをした箇所の意識には、ゲージが減少した箇所を把握することが一番早いです。
ゲージが一気に減るのが怖いというのも分かりますが、そのあたりの精神負荷も鍛えておかないと辛くなってくると思います。
いきなり表示させるのが辛い場合は、数値だけでも表示しておくべきと考えます。全部隠すのは、個人的にはフルコン狙い始めてからでいい。
※ 間違ってもハード埋めしろという話ではありません。意識を置いてハードゲージを使用すべきでは、程度の話です。
まとめ
ここまでは二重乱打と練習の意識の仕方を書きました。
難しいコト考えてんなあ、面倒くさそうだなあと思われるのであればそれで構いません。
一方で、明らかにどん詰まりで、人に質問したい、助けを求めたい状態までスランプに思える状況であれば、もはやそれは自分の考え方を1回捨ててでも色々やるフェーズのはずです。
結局数やれというところが変わらないというのは否定しませんが、ただ闇雲にやるのではなく「なぜ自分は二重乱打が出来ないのか」、それ以外の属性もまた然りですが、そこと向き合った上で数をやったほうが良いタイプが居るのは事実です。筆者がそうなので。
長くなってしまったので、練習に使いやすい譜面を改めてピックしたものを次のnoteで記述する予定です。時期未定。