スタートアップは社外取締役を早めに準備すべし
今日はTwitterの話題を深堀する。
スタートアップこそ、社外取締役の参画は早い段階で準備しておかないと苦労する。
なぜなら、その名の通り「社外」の人物だから。
スタートアップでは「熱量(パッション)」「市場に対する理解」「カルチャーフィット」が重要である。しかし、それらを兼ね備えた人物を社外に求めることは大変なのだ。
そんな事情もあり、上場したスタートアップ経営者が、他のスタートアップで社外取締役を務めていることが多々ある。これは日本に限った話ではない。
軸が逸れるが、Googleですら、成長期には社外からエリック・シュミット氏を常勤として招き入れた。
エリックが選ばれた最大の決め手は「エンジニア経験があったから」からである。そんな理由で、Googleという "世界一扱いにくい" 組織に招かれたのだから、慣れるまでに大変苦労したようだ。
結局のところ「扱おうとすることを止めた」ことで万事うまく行き始めた。つまり、エリック自身にカルチャーフィットしようとする熱量があったということだ。Googleはなんて幸運なのだろう。
話を戻そう。
シード・アーリー期に、強力なハンズオン型VCやコーポレートVCから出資を受けていない場合、社外取締役を自ら探すことになる。
候補を探すだけでも半年以上。候補になるような人物は引く手あまただから口説くスキルも必要だ。その上、参画するまでにはリードタイムもある。
そして、初期のスタートアップにとって社外取締役に支払う報酬はゼロに等しい。これはもうハードモードだ。
さらにスタートアップは忙しい。資金調達、組織拡大に伴う新規採用、そして事業推進だ。そこに加えて社外取締役探しを並走させるのだから骨が折れる。
挙げ句の果に、カルチャーフィットしなければ組織が混乱する。必要な先行投資を理解してくれないこともある。
一昔前、東証が打ち出した『コーポレートガバナンス・コード』において、上場企業における社外取締役の割当についての指針を示した。
その波はスタートアップにも訪れた。リタイア人材などを斡旋できるということで、監査法人も証券会社もこぞって勧めたのである。
当時のスタートアップにおいては「とりあえず社外取締役を置こう」的な発想で招聘していたのだから、ガバナンスなど存在しないも同然である。
しかし現在では、社外取締役の役割はスタートアップ企業においても強くなり、むしろ上場企業よりも成熟しているように感じる。
極端な例だが、あのWeWorkからもスタートアップ界隈は教訓を得ている。同社の創業者がやりたい放題であったことは記憶に新しい。スタートアップに『大麻パーティー』は不要なのだ。
そんなわけで、昨今のスタートアップにおいては、事業推進や資金調達面においても社外取締役の存在は大きくなりつつある。
事業が拡大し始めてからでは遅い。並走するには重いタスクなのだ。
ぜひとも、まだ社外取締役を探していないスタートアップは、これを読んだら早急に取り掛かることをおすすめする。
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