差別は思考停止から生まれる

先日95歳の爺さんと話す機会があった。
その爺さんは「夫婦喧嘩で嫁を殴るなんてよそでもみんなそうだしよくある事!」と言っていた。

ああ、古い価値観の人だなと思うと同時に自分のDVを「よくある事」と断言してしまうその感性が本来ならおかしいのにそれを疑う事なく自己内面化している姿になんとも言えない物を感じた。

それで言えばおいらの親父も「女がやいやい言うな!」と言って母を怒鳴ったり叩いたりしていた。これなんかも完全なる思考停止だ。相手の言い分なんか聞く耳を持たない。とにかく家庭において父親は絶対なんだという価値観に凝り固まっている。

家父長制というのはこのような思考停止から生み出され強固に内面化されるんだと思う。彼らは男であり父親こそが一番偉くてそれ以外は格下扱いで一度こうだと言い張ったら意地でもそれを曲げない。聞く耳も持たないしその強固さこそが男なんだと信じている。そして時には暴力も容認する。その暴力も「世間ではよくある事」「いつまでもちょっと叩かれた事を根に持つな!」と過小評価し責任も取らない。

彼らはとにかく理屈とか頭を使う事から常日頃から逃げているんだなと思う。知性ではなく感覚で生きている。だから自分の感情にも正直だ。いろんな意味で。それにより差別って物を極めてナチュラルに行う。家父長制とか人種差別とかそういう物は自分の快不快だけで生きている人間が再生産を続けているんだなと考えさせられた。

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