変態とは
SMにおいてよく使われる言葉として
「変態」が挙げられるだろう。
それでは、「変態」とは果たして何か。
このnoteでは、「変態」について考えていきたい。
まず、変態について書くに至ったのは、とある女性の一言である。
「変態と性癖が歪んでいる人の違いは何だと思いますか?私は後者に対してはあまり良いイメージを持ちません。何故でしょうか?その二つにどんな違いがあるのしょう?」
という疑問から。
その疑問について、私見を述べるとともに、特別興味のあることについては言及していきたい。
結論として
通常、どちらも似た様な意味だが、使用頻度的に「変態」という言葉の重さが社会的なもの(辞書にのる程度)に加え、個人としても変化していくため、負のイメージが少ないと考える。
それでは、社会的な言葉の意味の確認から行うことにする。
以下の文章は
「変態(へんたい)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書
の引用である。
SMにおいて使用される「変態」は(2)のように、否定としての意味を持つものが多いと考える。
しかし、まれに(3)のように肯定として使われることもある。
その為、悪い印象ばかりではないと思っている人もいるかもしれない。
Twitterでもたびたび、すごすぎて変態(誉め言葉)などの言葉を見かけることがある。
「やばい」という言葉も、否定的に認識していた人を困らせるが、同様の使われ方をしているように思える。
そのため、年齢差や認識の違いにより、
すれ違いは起こりえるだろう。
私は都合の良い脳みそをしているので、
プレイをするような仲の人かつスイッチを入れて良い場面であれば、主に否定としての「変態」
まだ関係が浅い人であれば、主に肯定としての「変態」
と捉えている気がする。
どちらの意味で言っているのか、いちいち聞くわけにもいかないので、トーンや表情で判断するしかない。しかし、否定としての意味のみ認識している場合、トラブルにもなりかねないので注意が必要な言葉であると思う。
そして次に、性癖が歪んでいるという言葉であるが、本来、性癖というのが性的な趣味、嗜好という意味ではない。
ということについてはもはや問題がないように感じられるが、話を進める上で少しだけ触れておこう。
以下の文章は
「性癖」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書
の引用である。
性的なことに関するアカウントである為、本来の意味ではなく、性癖=性的嗜好という捉え方をすることにする。
そして、次に歪みという言葉の意味である。
以下の文章は
「歪む(ゆがむ)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書
の引用である。
性癖が歪んでいるという文章においては、
1.2の意味として捉えられるだろう。
それが、どうしてあまり良いイメージを持たないかというと、1.2の共通点としても挙げられるように、
正しくない
ということを表す単語であるためであろう。
自分以外の人間に、自分の性癖(性的嗜好)が正しくないという判断を下されて、喜ばしいことだと感じる人はきっと少ないだろう。(それが好きな気持ちも、マゾ的には分からないでもないが、今回は少ないということで進めていこう。)
そう言われて、良い気がしなかった人がいる。
という前提で話すと、SMや主従の世界は人口こそ少なく、暴力的な行為や明確な上下関係があったりと、不思議なことも多いのかもしれないが、間違っていると言われるものではないように感じる。
何が幸せであると感じるかは人それぞれであるし、その幸せを否定することの方が正しくないように思える。
しかし、殺人をしてしまうと相手が幸せであったとはいえ、罪に問われてしまうので社会的には正しくない(=都合が悪い)といえるのかもしれない。
話はすこし逸れてしまうが、立派な社会や国を作るために都合の良いものが善であり、都合の悪いものは悪とみなした方が効率が良いので、排除しようとしているように感じられるし、私が社会だったらそうする。
そのため、何者かの力が働いているなんて言わないが、社会の一部としての自意識が強い方は、無意識に、そういった行動をとって、社会に貢献しようとしている忠誠心のある立派な人なのかもしれない。
SMや主従が好きな人にとっては、ご主人様に飼ってもらえば幸せだし、社会が好きな人は社会に飼われているのが幸せなのだろう。
トップが「良い」と言ったら、それが「良い」なんだと思う。
もしかしたら、お互い様なのかもしれない。
ご主人様の命令で「露出してこい」と言われてる可能性もあるし、「世の人を幸せに出来たら、ご主人様が喜んでくれる」と思って自ら動いている可能性もある。
何を言っているのか分からなくなってきたけれど、そんな感じなのかもしれない。
それはさておき、辞書の意味をまとめると、
「変態」=肯定的な意味を持つ場合もある。
「性癖が歪んでいる人」=普通から逸脱していると言った否定の意味のみ。
そのため、後者にはあまり良いイメージがないのだろう。というより、本来は同じような意味であるのにも関わらず、「変態」が抜け駆けをした様なものなのではないか。
そして、抜け駆けの一因として考えられるのは、
言葉の重みが言われ続けることで変化することである。(これは、個人の認識の話)
あくまで、私個人の考えとして聞いて欲しいが、
例えば「死ね」という言葉。
それは、本来すごく人を傷つける様な言葉だと思う。
しかし、本当に呪ってしまいたい程の重さで、死ねと言っている人はどのくらいいるのだろうか。
冗談半分に、「は、うざ、しね爆笑」と言っている人を見かけたことはないだろうか。
本当に死ねと思っている時に、
果たして人は爆笑するのだろうか。
私は、目にした、耳にした経験の違いにより、言葉の重さの認識というのは変わってくる様に思える。
同様に、今まで少し恥ずかしいようなこと(例えば、M字開脚とか服を自ら脱ぐ)をしただけで、
「変態」と言われる経験をしたとする。
すると、言われた側は、M字開脚や、服を脱いだ時に「変態」と言われた。
⇩⇩⇩
「変態」🟰M字開脚をすることや服を自ら脱ぐ人や状態。
と学習する様な気がする。
しかし、ニュースや新聞で取り上げられるような犯罪を犯した人に対してばかり、「まさに変態!」「変態が世の中にいると、安心して過ごせないです。」等の使われ方をしているとどうだろう。
おそらく、
「変態」🟰犯罪者、危ない人
と学習するだろう。
従って、現在、様々な媒体で、
「変態」という言葉がカジュアルに使われているから、「変態」を都合の良い様に捉えられるのかもしれない。
それが原因か、私はもうあまり変態と言われても、余程スイッチが入っていない限り、そこまで興奮はしなくなってしまった。
あなたにとってはこのレベルが、変態なんだねと捉えてしまうし、それ程までに、人に対して言ってはいけない言葉であるとは感じられないからだ。
今の私は、鞭と同じ様に、バラ鞭に慣れたら、一本鞭を体験したくなってしまう様な状況なので、少し特殊な気がするけれど。使い古されてないビリビリするぐらいの言葉の刺激を求めてる様な気がする。
広い意味ではなく、的確にちゃんと傷つけようとして欲しいと思ってしまっている。
まぁ、プレイにおいての話だけれど。
しかし、変態というものを重く捉えている人にとっては馬鹿にされているようで良い言葉なのかもしれない。(良いと感じる時点で、変態という言葉にそれなりに触れてきている様な気もするが)
最後に
この話に関連して、以前読んだ変態に関する本と、それに伴った変態性欲に関するリンクを貼っておくので、見てみても楽しいかもしれない。(文体が文体であるため、wikipediaを貼るなんて!と思われるかもしれないが、何も詳しくないただの人間のnoteなので許して欲しい。)
〈変態〉の時代 講談社現代新書 | 菅野 聡美 |本 | 通販 | Amazon
それでは、皆様良き変態ライフを。(こんな使い方もプラスの意味を持たせていますね👀)