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ずぼらな私が、家事のために身体が動くようになった話し

私は本来ずぼらな性格だ。

掃除や片付けは苦手な方かもしれない。

私たち夫婦の一部屋と、義両親と共同の台所、お風呂、トイレが、およその生活空間だけど、そんなに片付いていないのが現実。

掃除なんてやっている暇がないしね。

義母もそんなにマメな人ではないから、一般家庭に比べると、ほんとに片付いてはいないのかもしれない。

そんな私も、マメにチョコチョコ動くような性格ではなかった。

そんな私が、結婚前と比べると、ほんとにマメに動くようになった。

もう人が変わったくらいに!(・・・と思わせといて)

それくらい、もとは、面倒くさがりで、大雑把・・・だったのだ。

実を言うと、長い時間をかけて、人並みには動けるようになっただけの話しかもしれない。

私が嫁ぐ前から分かっていたこと。

水回りはすべて義両親と共同だった。

義両親との完全同居がはじまり、台所で食事を作ることになった私。

当たり前のことだけど、ヨソの台所を使うにはどうも遠慮が入って使いづらい。

そんな様子を見通してか、主人と義父までが、当時「ハナレにミニキッチンでも作ろうか」と提案してくれたのに、「いいえ。構いません事よ」と余裕で交わした私。

私は、一般的に言われている「難しい」と言われている「完全同居」を、根性でやってのけるわと、若気の至りで嫁いできただけに、まだまだそのときは気力があった。

だけど、その男性陣の優しさを跳ねのけたことを後悔するとは、思いもしなかった。

いざ、共同生活がはじまると、私がなにか「こと」を進めるごとに、義母は逐一注意をしてきた。

随分昔、主人が一度、義母に「重箱の隅をつつくようなことを言うな」と苦言を呈したほどだ。

私が洗濯を干していると干場にくるし、私が玄関を掃いていると玄関に来るし、私が台所で用事をしようとすると台所で居るといった具合だった。
(もちろん、その当時は、仕事現場も同じ。)

台所では、シンクの汚れがひどいと隅っこのほうを指さし、指摘。
(実際は、指摘されるほど汚れてもなかったと思うけど・・・)

シンクにおいている洗い桶がきたない。ガスコンロが汚れていると言った具合に、必ずヒトツやふたつ指摘しては、その場で、おおげざくらいにたわしで磨いて見せるといった具合だ。
(せめて、スポンジで磨かな、傷だらけになるのに・・・)

もちろん、指摘されたことを直そうと努力はしたし、普段の心がけも変えたりもした。

だけど、何をどうやっても必ず言ってきた。口答えは一切しなかった。

一方の義母は、きれい好きかと言えばそうでもない。

誰かしら人がいれば、「別にこんなタイミングでしなくてもいいのに」ということを、大げさ位にやって見せるのだ。

いきなりシンクを磨き始めたり、掃き掃除を始めたり、テーブルを拭き始めたり。

そのくせして、洗面所では自分の靴下を脱ぎっぱなしにしてるし、1日の終わりにシンクを使い終わっても生ごみを処理していなかったり、捨てるべきごみを丁寧にたたんで置いていたり。

あぁ、この人は、自分の立ち位置を守るために、なんでもいいから私に指摘したいんだろな・・・。ホントは人に指摘するほどキチンとしてる人でもない。と途中で気づいたものの、義母に指摘されるのが苦痛で、義母がいない隙間時間を見つけては、備え付けの100均の台所用お掃除シートで拭くことを試みた。

義母がいるところですると、私がした傍からからやり直しをしてくるのは分かっているので、義母がいないとなると身体は動いた。

マメに掃除していく過程で、普段からきれいにしていると大掃除のときも、楽でいいわね。だなんて、気づいたものだ。

結局、何をどうやっても逐一注意が聞こえてくるのに、耐えきれなくなった私が、結婚数年目にして初めて義母にキレて反抗したことで、注意されることはなくなり、未だに名残はあるものの、人がやっている横で同じことを、やり直すだなんてことはなくなった。

もとは私に負けず劣らず家事が苦手な義母が、年をとって、苦手分野で対抗する気力がなくなっただけのことだと思うが、私が、隙間時間を見つけては、動くという習慣はそのままだ。

今はないものの、横から義母が口を出してくるという図式は、思っている以上にトラウマとして残っているので、今でも、義母のいるところでは、大掛かりなことはできないし、どうしても義母とは、家の中でも距離をとってしまうが、義母のおかげで隙間時間の大切さに気付いた。

料理をしているあいだに、水回りを拭いたり。

お風呂の順番を待っている間に、洗濯物をたたんだり。

仕事までの時間があれば、トイレをチャッチャッとカンタン掃除したり。

お出かけの時間が予定していた時間より遅れるのなら、そのあいだに掃除機をかけたり。

柿を詰める箱も、隙間時間を利用して、少しずつ折って用意する。(一気に数百もの箱を折るのはダルイけど、少しずつなら負担も軽減されるしね。)

それと、ちょっと違うかもしれないけど、お風呂の水を張っているあいだに、軽くふくらはぎの筋トレをしたり。

隙間時間があれば、身体が動くようになった。

特に、面倒なことを優先させてチャッチャッと済ませるクセがついた。

隙間時間の過ごし方の積み重ねで、生活がスムーズに回るメリットまでがついてくる。

ここは素直に、「義母に感謝」というところだろうか。

嫁イビリだったかもしれない義母の行動が、私の人格までも変えたのだから。

最も、義母が本当に家事を完璧にこなせる人だったら、もっとしんどい思いをしていたのかもしれないけど。

もし私に負けず劣らずズボラな人が、マメに身体を動かせるようになりたいのなら、騙されたと思って、まずは意識して、隙間時間に身体を動かすことから始めればよい。

そのうち、意識しなくとも身体は動くようになるから。

これ、ホントの話。あんなにズボラで道楽な私がここまでマメに動くようになったのだから。

















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