VCT JAPANにおける問題点。

 部分的であるとは言え、日本地域に限らず動員数に関してはVALORANT史上最大規模のオフラインでの大会実地は非常に素晴らしかったですね。

 そして優勝チームだけを見れば長らく二強化が進んでいた日本シーンにおいて新たな王者誕生と言うのは多大な影響を及ぼすと考えられます。ZETAファンボとしては悲しいですが、本当におめでとうございます。(血の涙を流しながら)

 さて今回は大会形式についてお話しようかなと思います。私は国内予選というのは国際大会への切符を手にするために各チームがしのぎを削る物であると同時に、チームが成長し地域が成長する場であると考えています。

 勿論各チームは公式での試合が無くてもスクリム等で成長しているかもしれませんが、やはり公式試合というのは別物で、疲労を考慮しつつも回数が多ければ多いほど良く、全チームが出来るだけ均等な試合数になるべきだと思います。

 VLR.ggを参考にまずはMastersに出場が確定したチームのStage2における試合数の平均数を調べた所、結果は約10試合でした。一番少ないのはEMEA代表のGuildやFNATIC、BR代表のLOUDの8試合で、これは地域によって予選免除の振れ幅が違うからです。一番多いのは18試合でAPAC代表のXERXIAでした。(PRXは17試合)(おかしい)

 各地域のTOP20ぐらいまでの殆どのチームの試合数も各地域のMasters代表チームと大体同じ試合数です。大事なのはチームをふるいにかけるのが目的のオープン予選や、勝った数ほど試合数が増えるプレイオフでの試合数ではなく、固定で行われる試合数です。

 日本の大会フォーマットはオープン予選の後にメインイベントを行うというプロセスを2回行い、そこで勝ち抜けたチームがプレイオフを戦う形です。唯一違うのは前回王者のZETA DIVISIONのみで、メインイベントからの参加になります。

 日本の場合で言う固定で行われる試合というのはメインイベントの部分で2週で最低2回、最高3回のみです。例えばNTHやZETAは2連勝による2回でプレイオフ。CRは一週目で敗退し、2週目で2連勝による3回になります。

Champions Tour Japan Stage 2: Challengers Week 1 Main Event

 私が不健全だと思う点は、例えばReigniteやCGZはオープン予選を通過したのにも関わらず2試合敗北して今シーズンを終了しています。

ReigniteのStage2における試合数は5試合

 皆さんは2,3ヵ月準備してこの試合数で評価されるチームや選手に未来が無さ過ぎると思いませんか? 試合から得られる成長や経験値も少ない上に評価できる試合すらも少ないわけです。例えばサッカーではチームと契約する際に選手の年間出場数を保証したりなど、試合に出るというのは選手にとって保障されるべき権利です。

 なぜ日本ではこのような事態になっているかと言うと、フォーマットの違いです。先ほど説明したフォーマットは現在日本のみ採用しているフォーマットです。日本以外の全ての地域はオープン予選の後はグループステージ、その後にプレイオフという形式を取っています。そうすることで試合数が確保されています。

 今のフォーマットではふるいにかける事だけが目的になり、しのぎを削ろうにも削れない状況です。グループステージ制を採用することで出場機会が増えることで選手は成長し、評価される回数も増えます。更に実際の大会で出た反省点を修正する機会が増え、日本のシーン全体のレベルアップにも繋がります。

 試合数が増える事による選手やチーム、運営の負担が増えるのも分かっていますが、今回のオフライン大会で皆さんが感じた熱が一過性のものにならないよう、切に願います。

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