ファミコンがすごく怖いという話(最終回)
こんにちわ。
おかげさまで最終回の「怖いファミコンシリーズ」です。
ちなみに第二回の冒頭で「今まで怖かったタイトル(全ハード)の上位5位中4本がファミコン」と書いていたのですが、このシリーズでは「怖かったソフト(ファミコン限定)の上位5本」としてまとめたことを補足しておきます。
ややこしくてすいません。
そして今回のソフトはファミコンソフトとしてもかなりマニアックな部類に入る…と思います。
それでは第五位です。
第5位…東方文聞録(NATUME)
さっきも言いましたが、聞いたことがある人はかなり少ないんじゃないかと思います。
YouTubeでは解説や攻略動画が結構上がっているのですが、こちらはゲームとしてもなかなかの異色作。
一応アドベンチャーゲームになるのかな?
あらすじとしては現代(注:1988年)の大学生「東方見文録(以下ブンロク)」が主人公。
彼は憧れのマルコ・ポーロに会う卒業旅行をするためタイムマシンを作り、1275年のベニスに時空間移動。
そして合流したマルコと共に黄金の国ジパングを目指す旅が始まる…というパラレル感満載な設定で始まる。
当時主流だったコマンド選択式のシステムなのだが、このゲームの特色としてはブンロクとマルコそれぞれ出来ることが異なる。
そのため場面に合わせて二人を切り替えて進めていくことになるのだ。
では、私が怖く感じる部分について触れていこう。
まず、全体的にはコミカルな印象が前面に来る。キャラのグラフィックも開始時のブンロクのドアップ以外は可愛らしいものだ。
しかし時折入る「不気味なもの」や「得体のしれないもの」のグラフィックと音楽の合わせ技がすごい。
この作品は特にBGMが秀逸なのだが、耳から入ってくる情報操作が本当にうまいのだ。
現代と比べるのは間違っているかもしれないが、グラフィックの粗さがを逆に利用することで情感的な場面の演出が印象深くなっている。
物語全体にメリハリ…というよりは緩急の付き方が若干エグいのだ。
なのでシリアスなシーンや策略に嵌った時、焦りと恐怖が生まれる。
かと思えば脱力するような画面にやBGMに切り替わり、そこで気を抜くと瞬時に驚く展開に切り替わる。
その繰り返しでだんだん笑えなくなってくる。真剣に没入するのだ。
制作側もそれを見越してか、話を章ごとに分けてパスワードで記録して中断できるようになっており、パスワード画面が出るとハッと我にかえる。
我に返った時に、進めたストーリーの深さにしばらく考えてしまうし、次に始めるときに何となく気構えしてしまう。
そしてその没入感を最大に利用される展開が待っている。
そしてこのゲームを知っている人がいたら、きっと物語の終盤~エンディングの凄惨さが理由だろう。
この作品については、是非とも興味があったら是非動画で最初から見てほしい。
今まで紹介したゲームの中で、一番後味が悪く恐ろしいエンディングが待っている。
色々なところでエンディングや結末について語られているが、私個人はその衝撃は一部分を抜粋して書けるものではないと思っている。
実際に冒頭から物語を追っていくことで悲壮感や残酷さが際立ち、何度思い出しても気分が沈む。
そこでやっとこのゲームが怖い理由がわかってもらえるはずだ。
このゲームは「ニューウェーブ・サイケデリック・アドベンチャー」と銘打って販売された。
その通りシナリオはもちろん、BGMやグラフィックとその色使いもなかなかサイケデリック。当時はかなり目新しかったのではないだろうか。
そして結末が衝撃的とはいえ、とにかく作品としては本当によく作りこまれているので、私の中では名作の一つになっている。
キャラクターもみんな愛着が持てる。
幼少時の私は、このゲームのパッケージに描かれたマルコに恋したりもしていた。
(右がマルコ)
さて、これでファミコンの怖いゲームの紹介は終了になります。
このシリーズ以外にもゲームの引き出しはめちゃくちゃあるので、またいろいろ書こうと思っております。
読んでくださってありがとうございました!
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