Notes of a Dirty Old Man For Introduction

そう以前に書き記しました、二つの父親への相談事と言うか、
いや訴えと言った方が良いのかも。
ひとつが書きものの世界に進みたいと言う希望の実現に手を貸して欲しい。
そして今一つが私立の中学を退めて、三年生から公立の学校に戻りたい。
二つながらに叶わぬことでしたが。

私立のクラスの中でもいろんなことが起きていて、すごく賢い子がいて、
彼の場合は二年生に進級する時のことでしたが、
慶応志木の最初の受験では中学に行けず、
仕方なく私たちと一緒になったとか、

もう一度今度は編入試験を受けて上手く行ったよう、
彼を見なくなってから、そんな話しが聞こえて来た。
そんな子が居なくなれば何か残ったクラスメートにはいよいよ心が合わず、
三年生からでも戻りたいと思い詰めたとのかも知れないと思っていた。

そんなことも有り、
そして彼女の思い出からの想い連ねが、こんなこともあったっけと、
思い浮かんだのかも知れない。
もう私立には行きたくないの気持ちからでしょうか、学園祭ですか、
誰から聞いてのことか知りませんが、行ってみたいと思い出掛けてみた。
捨てたみたいな学校に行けるはずも無いけれど、子供ながらの逡巡の内で、
下を見続けているような心持ちで。

学園祭なんて大きな行事にはとんと出くわさない、
私立中学の詰まらない毎日の中。
校門を入って行けば多くの学生服が並んでた。
短い期間の公立校の生活でも、まだ忘れ果てて無かったわくわく心は胸の内、
私のような者が来て良かったのかと思いながら、また心は下を向いていた。

図ったようにちょうど向こうから彼女が大勢の中に現れて、
嫌われているとの想い決め、
あにはからんや、
ドラマのワンシーンのように、にっこり微笑み掛けてくれたのに、
また下を向いて仕舞う私がいました。

ただ彼女の口をついたのか、
それとも心の内の声を聞いたのかは知りませんが、
久し振りに逢えて私は嬉しいのに何であなたは下を向いて仕舞うの。
私立の学校と公立を比べてのことなの。誰かが噂してたけれど。

そんな具合に聞こえたと思う声に、
私は、違う違う、仲良くしてもらってたのに、
転校したことが心苦しいからだよ、って言い訳してた。
幻みたいな話しですが、短い一場面ですがあの時のままに私の内に有る。
彼女は中二で、十四歳頃のままだ。

そんなこんなで真っ当な学園生活に戻りたいと思って、三年生になる前に、
父にお願いをしたのでしょう。
何がなんでもなんて気の無い質の私は、
またいつもの何の緊張感も無い生活に戻って行ったのでした。
不思議なことに父親は併設の高校には行かせるつもりは無かったようで、
男子校を除けば真っ当な学校に上がったのだけれど。

ただ浦和から東中野までの毎日はしんどいばかりの難行苦行。
相変わらず勉強なんかしてません。
高校の生活では彼女に関係したことは有りませんので、
上の学校での有る出来事へ続きます。
~~続く

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