2024年ダート3歳世代の振り返りと今後の展望 ～年末編～
あけましておめでとうございます。
2024年の3歳ダート路線のざっくりとした振り返りと今後の個人的注目馬に触れていきたいと思います。
まずは本記事の目的を明確にしておきます。
世代のレベルの考え方は人によって様々な考え方があると思いますので、一概にこれだというのを定義するのは難しい部分がありますが、個人的に参考としている指標をお伝えすると、
①レパードＳまでに2勝クラスを勝った馬が何頭いるのか
②3歳時に3勝クラス、オープンクラスを勝った馬が何頭いるのか
というのを一つの物差しにしています。
ダートは芝と異なり、重賞の数がそこまで多くないので3歳のダート重賞やオープンで賞金を積み重ねることが出来なかった馬たちは必然的に条件戦を勝ち上がっていくというパターンが多くなります。
要するに出世ルートが限定的なので、そのルートを通っていける馬たちの数を測って、暫定的な世代レベルの指標としようという話ですね。
もちろん実際にレースを予想する場合は個々の馬ごとに能力や適性を比較していく必要があると思います。ですのでその馬が置かれている環境がどんな環境なのかを把握するために上記の手法を採用しています。
現3歳ダート世代の成績検証
①レパードＳまでに2勝クラスを勝った馬が何頭いるのか
まずは6月のクラス再編成後からレパードＳの前週までに2勝クラスを勝った馬をピックアップしてみました。
合計15頭が勝ち上がり。例年だとおおむね10頭前後に落ち着くことが多いので、数字としては優秀だと思います。
この時期に2勝クラスを勝ち上れる馬は高確率でオープンクラスで勝ち負けしてくるので、将来の重賞候補が混じっていることも多いですね。
参考までに2023年の3歳世代がどういった成績だったのかも掲載しておきます。
②3歳時に3勝クラス、オープンクラスを勝った馬が何頭いるのか
2024年のレースが全て終了しましたので、今回の記事では本項目を中心に掘り下げていきたいと思います。
まず「3歳時に3勝クラス、オープンクラスを勝った馬が何頭いるのか」という指標の意味合いについて触れておきます。
ユニコーンSやレパードSといった3歳ダート重賞は収得賞金の関係上、どうしても素質馬が賞金的に抽選対象になってしまい、除外されるケースもあります。したがってハイレベル戦になることは多いものの、世代の素質馬が全部集結するといったケースはあまりありません。そういった馬たちは2勝馬クラスからコツコツと条件戦を勝ち上がっていかなければならないので、3歳ダート重賞経由組のその後と条件戦勝ち上がり組を総計を見る上で上記の指標を設けています。
2024年からは秋シーズンに不来方賞、ジャパンダートクラシックに一線級の馬が出走するケースが多くなりましたので、シリウスS、グリーンチャンネルCあたりに出走することは今後ケースとしては少なくなるかもしれません。
まずは過去2年と2024年3歳世代の成績を見ていきます。赤字になっているのは重賞勝ちです。
・2022年3歳世代
・2023年3歳世代
・2024年3歳世代
勝ち上がり頭数こそ去年、一昨年ほどではありませんが、これは路線改革の影響もあると思いますし、3歳馬が重賞を複数勝った世代は非常に世代レベルが高かったルヴァンスレーヴの世代以来なので、2024年の3歳世代はなかなかにハイレベルの世代と言えるんじゃないでしょうか。
今回は中央の重賞に限った話としていますが、交流重賞でもフォーエバーヤングが東京大賞典、アンモシエラがJBCレディスクラシック、ミッキーファイトが名古屋大賞典、チカッパが東京盃と勝っていますし、収得賞金の加算ハードルが下がったことも相まって重賞レベルでの活躍は近年で最も多かったと言えるでしょう。
カフェファラオの世代（明け8歳）が非常に層が厚く強い馬が多かったのですが、種牡馬入りやピークアウトなどでさすがに陰りが見られてきたのでそろそろ世代交代が進んできそうな予感があります。
昨年末の東京大賞典でノットゥルノが賞金不足で除外対象になって、名古屋大賞典に向かったという事象がありましたが、同年の佐賀記念、名古屋グランプリを勝った馬が年末の東京大賞典で除外対象になるというのは結構なレアケースというか異常事態です。海外の重賞で賞金を加算するというケースが引き起こした現象というところはありますが、そういった意味ではダートにも新時代が訪れているという言い方は出来るのかもしれません。
レモンポップも引退しましたし、2025年のダートは色々と変化が起こる一年となりそうな気がしています。