【レースの見方・実践編】名古屋大賞典レース回顧

名古屋大賞典のレース内容が記事の中で説明している内容の具体例としてとても分かりやすかったので回顧記事にしてみようかと思います。

予想ではグリムが内の先行勢に主張される懸念があると思い、内目の馬に印を打ちましたが、武豊騎手に上手くやられてしまったなぁという感想ですね。
ご購入いただいた方にはあまり貢献出来ずに申し訳なかったです。

名古屋競馬場は競馬場自体がかなりコンパクトなので基本的に内前が圧倒的に有利になります。直線で外に出して差してくるというのがかなり難しい競馬場なんですよね。
ですので京都新潟などで好成績を残してる馬が相性が良いコースといえます。マトリックス表的な言い方をすると機動力スピード型向きの競馬場ですね。


これは去年の名古屋大賞典の4角の画像ですが、逃げを打った5番のサンライズソアが完勝。外を回して追い込んできたミツバが2着、サンライズソアの後ろでジッとしていたキーグラウンドが3着という結果でした。
ミツバは川崎記念を勝つほどの脚力を持っている馬なので追い込んでくることが出来ましたが、それでもその後準オープンに降級しているキーグラウンドとわりと接戦になるくらいですので、外を回してくるのがいかに厳しいかがお分かりいただけるのではないでしょうか。

さて、去年のレースをベースとして今年のレースを見ていきましょう。


今年の場合は逃げたのが少し力の劣るマイタイザンだったこともあり、直線で垂れることが予想されることから各馬ともに一列分外目を回す展開になっていますが、やってることは一緒です。

12番のグリムに騎乗していた武豊騎手がさすがだなと思わされたのは、スタートから2番手を取りにいったところもそうですが、一番は向こう正面〜4角から直線での立ち回りのところですね。
おそらく一番のライバルであったであろうヒラボクラターシュの進路をマイタイザンを利用してブロックしながら、自分はスムーズに加速して直線でアドバンテージを作って押し切るという、簡単に見えてかなりレベルの高いことをやっています。

福永騎手騎乗のヒラボクラターシュは、操作性が良い機動力が高い馬ですし、枠順を考慮に入れてもポジション的には逃げ馬の後ろを取るというのは極めて妥当な選択であったと言えます。
先ほど説明したように、名古屋競馬場はコンパクトな分、コーナーがキツくなるので外を回すのはそれだけ不利になります。
最短距離で立ち回ることを考えても、馬の特性を考えてもあの位置に収まったから仕掛け遅れたんだというのは少々筋違いでしょう。
やるべきことをやって結果的に直線で取れる進路がなかったのか、ただ闇雲にそういう競馬になったのかはキチンとコースや馬の特性を踏まえた上で分析をすることが大切だと思いますね。
ただ結果論にはなりますが、グリムが逃げる展開になっていたほうがヒラボクラターシュ的には勝機はあったかもしれません。
今回のレースの結果は、以前【レースの見方】ダートは先行馬が圧倒的有利。でも…の記事の内容で書いた内容に準じたものだったかなと思います。中の人はそれよりもコース形態を重視してヒラボクラターシュを上に評価してしまいましたが…(苦笑)

3着のアナザートゥルースは昇級初戦でしたが、グリムとヒラボクラターシュ相手に外を回してこの内容ということであれば、今後も期待できるのではないかと思います。兄弟にサウンドトゥルー、ルールソヴァールがいますが、兄たちよりも先行力がある分、交流重賞の長めの距離でより安定した成績を残せるかもしれません。経験を積んでいく中でさらなる成長に期待ですね。

たまには理論の話を具体的なレースに当てはめて考えてみましたが、いかがでしょうか?
もっとやって欲しい!などご意見ありましたらnoteでもTwitterでも構いませんのでお伝えいただけると嬉しいです。

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