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『ダンボール味のピザ屋』の栄光

「最も困難な状況の中でこそ、人は本当の自分を見つける。」

- ヘレン・ケラー

仕事の話。
弊社は、企業説明会の動画制作にも関わっている。

今回は、9割以上の企業が
『やりたがらない』動画についてお伝えしたい。

いったいどんな動画なのかというと。
『自社のお客さんのクレームに向きあう動画』だ。

考えてみていただきたい。
顧客からのクレームに真っ向から向き合うことができるだろうか。

会社単位でなくとも構わない。
自分が責任者の部門でもいい。

自社部門に来たクレーム(それもドギツイやつ)を本社に見せられるだろうか。
もしくは、自分の著作物、投稿などに関するクレームはどうだろうか。
無論、制作した動画自体でもいい。

いや、正直自分だったら嫌だと思う。
嫌だよね。ちょっと勇気がいるのではないだろうか。

もちろん一部の人はできる。

kabuand.com


しかし、実際に向き合うのは身構えてしまうのでないだろうか。
故に9割の企業がやりたがらない動画なのだ。

しかし、過去にそれを実践した飲食店がある。
しかも、それによって大きく株価を上げた事例なのだ。
それが、「ドミノ・ピザ」だ。

2009年にドミノ・ピザは、『ピザ・ターンアラウンド』というキャンペーンを実施した。
内容は自社ピザの見直しを徹底的に進めていく4分間のYouTube 動画だ。

とにかくここに出てくる顧客の不満がすごい。
そしてそれに対して落胆する社員の姿も切ない。

うっすら流れてくるBGMもあり、なかなかドラマティックではある。
しかし、表現されるクレームはなかなかにハードだ。

「ダンボールのような味がする」
「ソースはケチャップ」

普通自社商品をここまで言われたら、公開しないのではないだろうか。

だが、ここでドミノピザはブレーキではなくアクセルを踏んだ。
従業員がチーム一丸となって改善していく姿が描かれていく。

ご興味のある方は、是非ご覧いただきたい。


ここで重要だったのは、企業PRに繋がる動画制作の際のコンセプトだ。
その真髄は、顧客に向き合う姿勢を最後までアピールできた点だと思う。
もちろん現在もpizzaが美味しいのも大事だが。

ちなみに上昇したのはイメージだけではない。
株価も上がっているのである(じゅるり)

2009年からの10年間で、ドミノ・ピザの株価はおよそ5000%上がった。
まさに、ダンボールからの栄光である。

今回の構成は、後半ありきの前半という構成だ。

間違っても、クレームをただ公開すればいいということではない。
もちろん、弊社がクレーム動画制作を専門にしているということでもない。

しかし、コンセプトを常に考えていく中で、
果たして『自社の良いところだけ』を伝えるのが正しいのかというと悩むところだ。

光も闇もあって一人の人間。
得意も苦手もあっての法人なのではないだろうか。

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