ユニコーンオーバーロード完走した感想
はじめに
実は発売直後に入手はしていたのだが、スト6やら何やらで忙しくて全然できてなかったユニコーンオーバーロード。初見エキスパートで100時間以上かけてようやくクリア。所要時間的にはFEエンゲージ初見ルナ並のやり応えで、ボリューム感は文句無し。親密度会話回収や闘技場、採掘ミニゲームをやり込めば更に時間が溶ける。とは言えSRPGとしての難易度はそこまで高くなくて、ワールドマップ駆け回ってイベント消化したりより強い編成を考えたりするのに時間がかかった印象。
ゲーム性
ワールドマップの探索とかミニゲームとかは正直特に語ることがないのでSRPG要素についてのみ語る。
良くも悪くも自由度の高さが魅力。やはりというか、その代償としてぶっ壊れ要素が大量に転がっている。
評価点
FEのように1キャラで1ユニットではなく、複数キャラを組み合わせたパーティで1ユニットになるのでユニット内のキャラ相性を考えて編成するのが楽しい。最初は1ユニット2人まででキャラの頭数も少ないからつまんないけど、ちょっと進めればキャラはどんどん増えるし編成人数も拡張できるので割と早い段階から醍醐味を味わえる。装備品とそれに付属するスキルもやたら豊富なので同じキャラの組み合わせでもやれること全然違うユニット作れるし、どんなキャラでもパーティ内で最低限何かしらの役割持てるようになってるから推しキャラが弱すぎて辛いみたいな悲しみを背負うこともない。
また、マップ兵器がやたら強いのとスタミナシステムの存在でSRPGにありがちな強いユニット突っ込ませて無双プレイがやりづらい調整されてるのも個人的には好き。無双やりづらいだけでやろうと思えばやれるけど。
不満点
騎兵と飛行が明確な強みを持っている一方、歩兵は兵科としての強みが無い。まあ大体の兵種は何かしら突出した強みがあるからいいけど、ファイター、ソードマン、ワーウルフとかはスペック不足だったり役割が限定的すぎたりして微妙だった。
特に終盤は時間制限がきついマップが多くて速攻かけるのを強いられるから騎兵と飛行とグリフォンのファストエールありきみたいな感じで強いというより半ばインフラと化していて、編成の幅が狭まっている感じがした。
ストーリー·世界観
あまりにも王道。オーバーロード(覇王)のくせに王道すぎる。大正義解放軍が極悪ゼノイラ帝国を打倒する!以上です……
細かいエピソードで見ていくと、正直FEシリーズとオウガバトルシリーズ履修者には心当たりある展開が多すぎてオリジナリティを感じた場面はほぼない。
評価点
王道で奇をてらわず、テキストも固すぎず砕け過ぎずで読みやすい内容ではあった。決してストーリー単体で売れるわけじゃないけど、そもそも本命はゲーム性なのでその邪魔をせず、いい意味で最大限脇役に徹した感じがする。終盤でもちょくちょく序盤のキャラの出番を用意したりとキャラゲーとしての配慮を感じる場面もあった。
不満点
なんか衝撃的で心を揺さぶられる展開とか、予想を裏切ってくるようなキャラの働きとか、そういうのは特にない。あと話の後半になるにつれて自分の領地が広がっていく都合上、進めば進むほどストーリーのスケール感が尻すぼみになっていく感が否めず、正直バストリアスの中盤辺りからダレた。
キャラクター
シナリオ同様、FEシリーズとオウガバトルシリーズ履修者には心当たりあるキャラが多すぎてオリジナリティを感じたキャラはほぼいない。
ただキャラデザは基本的に古典的ファンタジーと油断させといてかなり開発の趣味が炸裂してるキャラが結構いる。
評価点
見た目的にも性格的にも多種多様なキャラがいる。特に男キャラは美少年からイケジジイまでほぼ何でも揃ってる感じがある。一方で女キャラはあの手この手で理由をつけて全員が外見上は若い美(少)女に見えるデザイン。フクロウのおばさんは人外なので除外。
主人公は男固定だけど支援相手はプレイアブルキャラ全員で、いわゆる支援Sも全員が対象となっている。支援S=恋愛ないし結婚というわけじゃないにしろ、このへんの自由度の高さは昨今の風潮に則っているというべきか。
静止画だとわからんけどモーションも結構凝ってて、退屈になりがちな戦闘アニメが結構楽しい。これはエンゲージでも思ったけど、最近のSRPGは普通飛ばされる演出面も手を抜かずに挑戦してるのが本当に偉いと思う。
不満点
倒した敵将を勧誘するか処刑するかの選択ができるのが本作の特徴だが、全員がそうという訳でもなく、殺すしかないキャラ、殺したくても殺せないキャラがいるのは微妙に感じた。戦争やってるので殺すしかないのは仕方ないにせよ、ギャメルやボーモンはやってることが極悪人なので殺せないのは心にブレーダッドを飼っている人間からするとかなり違和感がある。
あとナイジェル殿に親密度会話が存在しないのほんとバカ。
まとめ
10年熟成させたらしいハマれるゲームシステムに古典的ファンタジーな世界観と今風のキャラゲー要素をくっつけた革新的なんだか保守的なんだかよくわからんゲームだったが、ゲーム性が楽しい時点で神ゲーです。ちょっと昔のSRPG好きなら絶対後悔しないと思うのでぜひ購入してほしい。