限界突破する方法2
こちらの紹介記事の第二弾です。
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覚えて、忘れる、の法則
何かのスキルや、センスを習得するのが早い人は、ここで言及されている型と意味のバランスが得意なのだと思います。
一方で「型から入る」は、「量をこなす」に近いと思いますが、これをする上で注意したいのが、インプットの量ではなくアウトプットの量である、という点だと思います。
IT 業界で考えると、一見量をこなすための手段は特に多くあります。例えば多くのウェブ記事を参照したり、書籍を参照したり、セミナーに参加したり、など、たくさんの情報に溢れており、アクセスも容易です。
一方、肝心なのはアウトプットすること、つまり、自分の体を動かして何かを産み出すことが重要です。
データ分析領域であれば、自分でクエリを書き、自分で可視化を繰り返す。
開発であれば、とにかくコードを書き、動くものを作る。
などです。
さらにこの時、決して我流でやるのではなく、正攻法とされていることをとにかく愚直にやるのが重要です。習うより慣れろです。
こちらもその反面… ですが、習得したい物事に対し、適切に意味や理論から入ることで、学習効率を挙げられる側面もあると思います。
例えば、語学学習においても、幼少期はただ聞くだけで言語習得できる素地がある一方、大人になってからはそれは難しく、文法理解も駆使しながら量をこなすことで、効率的に学習が進むこともあるでしょう。
また、その型の意味を捉えるには、当事者としての経験値が必要となるケースもよくあります。
例えば、マネージャーをやり、実際に苦労をすることで、巷の書籍のマネジメントのベストプラクティスなどがより実感を持って腹落ちする、のような経験もあると思います。
個人的にジャズ演奏もするのですが、即興演奏という極めて不確実性が高く、アートな感じが強い世界においても、理論があります。
確かに理論を学ぶことで、即興演奏の理解度は高まりますが、理論だけで良い演奏が出来ないのもまた事実です。
この分野においても、有名な言葉で「学べ、そして忘れろ」という言葉があります。
ジャズ演奏、即興演奏のトレーニングの王道として、コピー(transcribe)という練習法があります。
過去の偉人の即興演奏をとにかく徹底的にパクるわけです。
自分の耳でオリジナル音源を聞き、譜面に起こし、ニュアンスも含めて弾けるようになるまで反復します。
※ 譜面をもらったり買ったりするのではなく、自分で聞いてコピーして書いてマネするのが大事。
さらに、コピーした中で気に入ったフレーズがあれば、実戦で使えるまで何回も繰り返します。
最初はぎこちないですが、繰り返すほどに徐々に自分の言葉としてそのフレーズが話せるようになってきます。
ここまで来ると、他人から「〇〇っぽいフレーズですね」などと言われて、ようやく自分も気づく、くらいには、コピー元の演奏のことを忘れることができます。
スポーツ、ビジネス、芸術など、領域は全く違えど言っていることは全く同じですね。
型から入り、意味を理解し、また圧倒的な量をこなし、それを忘れるくらいに身につける習得方法は、分野や領域を問わず真理だと思います。
理論(意味)か、実行(型)か、そのバランスに正解はないということなのですが、
迷ったら、とにかく量であり、実行であり、型にはめるべきであり、TTP(徹底的にパクる)が良い、ということだと思います。