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意思決定と情報透明性

はじめに

「意思決定」に対する様々な考えや視点について、何回かに分けて書いてみます。

私が事業をやり始めて以来、常に組織と意思決定は大きなテーマです。
事業をより強く推進するために、組織の中における決め事と、個性やプロフェッショナリティを活かす分解点がどうあるべきかはなかなか難しいです。

一定組織の人数が増えて(30人を超えたくらい)からは、会社や組織全体としての意思決定と、組織への浸透の仕組みへの関心度が個人的に高まっています。
組織内の各個人レベルで事業に対して全体最適な行動をとって欲しい、思いがあり、そのために行動の意思決定をモデリングすることを考えています。

意思決定が間違う理由

https://www.slideshare.net/takaumada/my-startup-decision-making-snafu

こちらのスライドよると、意思決定が間違う要因は、

  1. 問題や状況を適切に把握できていない

  2. 正しく情報収集できていない

  3. バイアスに騙される

とあります。

個人的には 1 と 3 はメタ認知力や、訓練、習熟度による部分も大きいですので、まずは個々人の判断スキルによらない 2 について考えるようにしています。

正しい情報収集のための情報透明性

正しい情報収集、は、判断のためのインプットだと考えています。

そのため、正しい意思決定には、正しい情報が組織全体に適切に行き渡っているようにデザインされているかが非常に重要です。
その状態が、いわゆる「情報の透明性」が担保された状態だと考えています。

つまり情報の透明性は、組織内における判断精度の向上のためにあるべき、と考えています。

スタートアップ環境における情報の透明性の担保は、自分もまだまだ学んでいる最中でありますが、いくつかの意識とテクニックで格段にあげていけます。

1. オープンに文章で残す

オープンな非同期コミュニケーションはとても重要です。具体的には Slack 等でのフローでの記録、Notion 等でのストックでの記録です。

話したことは確実に忘れるので、あらゆる組織内の情報を、可能な限り文章で書き残すを重視します。
メモ書きでも殴り書きだったとしても、記録が残らないよりは、オープンな場所に文章で残っていた方が再利用性が高いです。

文章ではない情報共有手段としての図解等は、情報の理解を助けるのに有効ですが、情報の資産化を考えるとできる限り文章で書き起こされていた方がよいと思います。
文章は図解よりも情報をローコンテクストにしやすく、何より検索できる形で情報を残せる利点があります。

言い方を変えると、 Googlability が高い情報の方が再利用性が高く価値が高い、と考えています。

2. 事実を残す (Who / When / What)

また情報の単位にも気をつけるべきです。

・ 誰が
・ いつ
・ 何を

の三点がクリアになるまで、情報を取りに行けると理想的だと思います。可能な限り事実ベースで情報を集められていることが重要です。

「xxx と言われたので」「xxx らしい」「もともと xxx だった」は、判断ミスを生む予兆です。
組織の全員が、あらゆる情報に対し、上記三点がクリアになっているかに常に注意を向けられることで、組織全体の情報透明性や正しい情報収集が担保されていきます。

3. 曖昧さを許容する

情報を共有しやすい環境づくり、も重要です。

情報の正しさを追求すると、ともすると発言しづらい雰囲気になりますので、「誤りを許容する」スタンスであることを重視します。

「正しい情報収集」は、「情報が正しいこと」と共に、「情報が足りていること」も重要です。
不確実な情報であっても、ないよりは「不確実である」という情報が合った方が良い、という考えです。
不正確な情報であるリスクがあっても、共有しないのではなく、そうであると付け加えて共有するべきです。

スタートアップの不確実性の高い環境においては、よく色々なことを間違います。
未知の領域に挑む組織なので、誤りは仕方がないです。
それよりも、誤りをも記録して、発見次第直せば良い、というスタンスで、どんどん情報を出して行った方が組織的には望ましいでしょう。

この点においても、文章や記録に情報が落ちていることのメリットがあります。
口頭で引き継がれ続ける情報は誤りに点で気づけませんので、訂正が難しいです。

また、「まだ決まっていません」「まだ未定です」などの曖昧さの許容も重要だと思います。
情報がないよりは、「決まっていない」という情報がある方が重要です。

まとめ

組織内の意思決定を正しくするために、正しい情報共有をする、ために、情報透明性を上げる、という話でした。

その他関連して参考になる URL
https://note.com/fukkyy/n/n2726aa581a02#63747549-545e-493f-89fb-3e86546ea296
https://blog.studysapuri.jp/entry/2018/11/14/working-out-loud

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