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アメリカのリトルリーグではキャッチャーにイニング制限がある?
アメリカで子供がリトルリーグで野球をしています。私自身は野球経験はほとんどありませんが子供と一緒にリトルリーグに携わることにより知り得た情報・知識をシェアさせていただきます。
キャッチーのイニング制限ルール
前回の記事でアメリカリトルリーグでの球数制限について書きましたが、実はキャッチャーにも制限があります。規定はピッチャーとキャッチャーを同じ試合ですることに関してであり以下が規定の内容です。
12歳以下のリーグでは4イニング以上キャッチャーをした選手は同日にピッチャーをすることが出来ない。また3イニング以下キャッチャーをして21球以上ピッチャーとして投げた場合キャッチャーに戻ることは出来ない。
お分かりのようにキャッチャーはピッチャーの次に送球の数が多いポジションです。トーナメントによっては1人の選手がキャッチャーを出来るのは3イニングまでというルールもあります。実際にどこまで効果が出ているかは不明ですがアメリカで選手の身体を守る意識が高い表れだと思います。
キャッチャーを確保する難しさについて
前回の記事でアメリカでは多くの選手にピッチャーをさせると書きましたがキャッチャーは全くの別物です。強制的にやらせることは出来ないので基本的に希望者のみになるのですがキャッチャーは重労働で覚えることが多いのであまりやりたがる選手はいません。
チームとしてはキャッチャーが出来る選手を最低でも3人作る必要がありますが、これが結構大変です。うちの子のチームもそうですし他のチームでもそのチームのメインのピッチャーがキャッチャーもやるケースが多いように見受けられます。ピッチャーもキャッチャーも肩が強い必要があり、ピッチャーをやる選手に身体能力が高い選手が多くキャッチャーも出来る子が多いのが理由かもしれません。ただし中には典型的などっしりしたキャッチャー体型をした選手もいて、そういう子はピッチャーをしない場合もあります。
もしかすると日本ではピッチャーとキャッチャーの両方をやる選手は少ないので上記のルールがいまいちピンと来ないかもしれませんが、アメリカでは割と深刻な問題です。そしてこのルールが出来た背景としてピッチャーとキャッチャーの両方をやる選手から肩・肘の故障が多く出たということがあるかもしれません。
これは全くの余談ですが英語では肩が強いとは言わずに腕が強い(ストロング・アーム)と言います。英語の野球用語を知らない頃に他の子を褒めるつもりで君はストロング・ショルダーだねと言ったらキョトンとされた恥ずかしい経験があります。
キャッチャーの役割
ここからはキャッチャーの役割と練習について少し書いてみたいと思います。これに関してはアメリカも日本も大差ないと思いますがおつきあい下さい。
特にリトルリーグにおいてキャッチャーの最大の役割はボールを止めることです。子供が小さいうちはピッチャーのコントロールが良くありませんから暴投をするのは仕方ありませんが、その度にランナーが進んでしまうと大量失点につながります。キャッチャーがそれをどれだけブロックすることが出来るかが勝敗の大きな分かれ目になります。こちらではよくテニスボールを使って体の前に落とす練習をします。
盗塁を刺すことも大事な役割です。練習ではポップタイム(捕球してから2塁に送球が到達する時間)をストップウォッチで計測して向上出来るよう努力します。
フレーミングも練習します。リトルリーグでは実際どの程度フレーミングが有効なのかは分かりませんが練習に取り入れています。MLBでは各キャッチャーのフレーミング率が数値化されているので日本よりもフレーミングに対する意識が高いのかもしれません。逆に日本で良く言われるビタ止めは教わらないです。良い音を出すことにも関心ないです。
本塁でのタッチプレーも練習します。アメリカだとタッチではなくタッグと言います。ちなみにトーナメントによってはランナーは野手との衝突を避けるためにスライディングすることがルールになっていることもあります(しないとセーフのタイミングでもアウトになることも)。
それと当然キャッチャーはグランドでの司令塔として各プレーの指示を出したりピッチャーをサポートすることが必要ですが、これは練習では出来ないですね。
日本で良く言われる配球リードに関してはコーチから指示はありません。またMLBを見ていてもキャッチャーの配球について解説者が触れることは聞いたことがありません。日本でここまで配球に関して言われるのは先日お亡くなりになった野村克也さんの影響ではないかと個人的には思っており、それは日本独自の野球文化で全く悪いことではないと思います。
まとめ
以上アメリカリトルリーグでのキャッチャー事情を書きました。こちらではピッチャーの球数制限だけではなくキャッチャーのイニング制限をして選手の身体を守ろうとしています。
またこちらのチームでキャッチャーを複数人確保することの必要性とその難しさもお伝えできたかと思います。
これを読まれた方の中には選手の身体を本気で守ろうとするならまずアメリカで使っている質の悪い滑るボールを変えろと思われる方もいらっしゃると思いますので、次回はボールについて書く予定です。