農大29日目 2023-11-21 植物生理
植物生理
生命にはエネルギーが必要。
動物の場合
三大栄養素
炭水化物(デンプン)
タンパク質
脂質
+ミネラル・ビタミン
植物の場合
デンプン(炭水化物に相当)
窒素、リン酸、カリウム、マグネシウム、カルシウム(タンパク質や脂質に相当
光合成
水+二酸化炭素 ー(葉緑体、太陽光)→ デンプン+酸素
水分
根から補給二酸化炭素
露地栽培では問題がないがmハウス栽培では次第に二酸化炭素濃度は低くなる。葉緑体
誘引、剪定、整枝によって、健康な葉を増やし、光合成を活発にする太陽光
光合成用の電球を当てるなどする場合がある。
呼吸
デンプン+酸素 ー(エネルギー放出)→ 二酸化炭素+廃棄物
呼吸は光合成の逆。
植物は成長のエネルギーを取り出すために呼吸を行う。
作物の品質
作物の品質を糖度やエネルギーと考えるなら、植物に蓄えられたデンプンの量で測ることができる。
(植物が蓄えるデンプンの量)=(光合成で作ったデンプンの量)ー(呼吸で消費したデンプンの量)
であり、これが作物の品質である。
休眠
春になると桜が作のはなぜ?
桜(ソメイヨシノ)は積算温度が開花条件となっている。
「2月1日からの最高気温を足していき、ちょうど600℃に達する日にソメイヨシノが開花する」
↓
しかし、今年最も早く桜が咲いたのは東京。
なぜ、九州などの温かい地方ではないのか。
↓
桜は2種類の休眠をしている

自発休眠
加温しても開花しない。
開花条件は低温の積算。
温かい地方で先に開花しないのは、低温の積算が不足して自発休眠からの覚醒がおくれているから。
強制休眠(他発休眠)
高温の積算によって、覚醒し開花へ続く
イチゴの休眠対策
イチゴは現在は収穫が終わると植え替える場合が多いが、本来は一年草で冬を越して来年も同じ株から収穫することができる。そのとき、収穫期間を長くとるための対策として以下のようなことが実施される。
暖房でハウスを暖め休眠状態に入らないようにする
自発休眠に入ると株ごと冷蔵庫に入れて早期打開を図る
梨の穂木の輸出
台湾では梨が贈り物の高級品として取引される。
しかし、あたたかすぎてナシの木に花芽がつかない。
↓
日本で花芽のついた梨の穂木を折って輸出し、台湾で実にして収穫する
休眠の制御
チュウリップの冷蔵
通常は春に開花。
オランダが開発した技術で、夏に冷蔵庫に入れて休眠させ、秋に温めて開花を促す。
秋に出荷することができる。
スイセンの煙処理
籾殻を燃焼させて発生したエチレンガスを球根に当てることによって、休眠状態から目覚めさせることができる
ワケギの減圧給水処理
ワケギの鱗茎は肥厚葉に水が入ることによって生理変化が引き起こされ発芽する。
グラジオラスの温湯処理
グラジオラスの木子を50℃弱の湯で温湯処理を行うことで、防除と発芽促進の効果がある
ブドウの薬剤処理
ブドウの発芽促進には、植物ホルモンのサイトカイニンや石灰窒素が有効である。