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医療費の話(2)初診料

 基本診療料には初診料、再診料、入院料などが入ります。このなかで我々にとって最も馴染み深いのが初診料です。病気や怪我で、初めて病院に行くと、必ず付いてくる医療費です。
 初めてでなくても、最後の受診からある程度経過すると、初診扱いになることがあります。医療機関によって違うことがありますが、目安としては「3カ月」とされています。
 医療費は「保険点数」と呼ばれる点数によって算出されます。通常の保険診療であれば、保険点数「1点10円」として計算されます。初診料は291点、つまり2910円です。現役世代や70歳未満の高齢者は、本人負担率が3割ですから、窓口での支払額は873円となります。残りの2037円は、健康保険や国民健康保険から支払われます。
 ちなみに75歳以上の高齢者は、所得に応じて1割から3割負担。子供(6歳未満)は2割ですが、多くの自治体が無料化や減額化のサービスを行っています。

初診料:2910円
3割負担:873円
2割負担:582円
1割負担:291円

 初診料に含まれるのは、医師による視診、問診、聴診(聴診器をあてる)、体温や血圧の測定などに限られます。しかしそれで終わるはずがありません。より詳しい検査と治療が加わります。また薬が必要となれば、窓口で処方箋が渡されて、調剤薬局に行って薬をもらう(買う)ことになります。こうして支払い額は、どんどん増えていくことになるのです。
 例として、普通のインフルエンザで病院にかかった場合を見てみましょう。まず鼻の孔に綿棒を差し込んでサンプルを採取(鼻腔・咽頭拭い液採取)し「インフルエンザウイルス抗原定性検査」を行います。検査結果を医師が判断する「免疫学的検査判断料」も上乗せされます。抗インフルエンザ薬を処方してもらえば「処方箋料」がかかります。全部まとめると、窓口での支払いは2000円程度になるはずです。
 最近はインフルエンザ、コロナ、RSウイルスが同時に流行していますから、その鑑別が必要になるかもしれません。そのための検査を行えば、金額はもっと増えます。
 また処方箋を調剤薬局に持っていくと、薬代に「調剤料」が上乗せされます。タミフルやリレンザが一般的ですが、数日分の錠剤と調剤料で、窓口支払いは1500円前後になるはずです。
 つまり、病院での支払いと合わせて3500円程度というのが、インフルエンザの標準的な初診時支払額ということになります。


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