
【Ave Mujica】海鈴さん、こんなサイコパスじゃなかったじゃん…?
またもや現在放送中の『BanG Dream! Ave Mujica』の話をさせてほしい。先日放送された8話についてだ。賛否でいうと、否側の意見なので、そういうのを見たくない人はブラウザバック。
自分の中でこの作品に対するだいたいの想いは下記の7話に対する記事に書いている。ありがたいことに結構スキをいただいていて、やはりこのアニメを手放しで褒められない人はそれなりにいるんだなと。
今回も「まだモーティスの話やるんかい!」「初華の存在感のなさがシャレになってない…」と色々と不満点はある。が、この記事では1人、八幡海鈴というキャラクターについてのみ書いていきたい。
「Ave Mujica」のバンドメンバーの中ではもちろん、前作『It's MyGO!!!!!』でもMyGO!!!!!メンバー以外では一番好きなキャラだった。そんなキャラなので、格別に思い入れがあった。今作品でどのような掘り下げがあるのか、期待に胸を膨らませていた。
のだが…
わかってなかったの…!?
一応、第8話は海鈴の掘り下げ回として捉えてもいいだろう。後5話しかないとしたら、尺的に彼女の描写が中心になるのは最後のはずだ。ということで、海鈴の過去、両親、そして再結成に向けての動きなど、かなりの時間が割かれて描写がされた。
爆買い描写やジンジャエール一気飲みなど、「おもしれー女の子」描写は別にいい。ミステリアスなところが彼女の魅力の1面があったので、そこが減衰したのは少し残念なところだが。一般人ではないのは察してたし、これくらいのギャグ描写はご愛嬌で構わない。
自分がガックリ来たのは、海鈴が完全に「人の感情を理解できない人間」として描かれていたことだった。「サイコパス」という過剰な表現をしても違和感がない描写だったと思う。
立希の「海鈴は信用できない」という趣旨の発言を聞いたときのこの表情。

「え…?」みたいな表情をしている。
いや、お前分かっててあの言動してたんじゃなかったんかい!?
とツッコミを入れてしまった。が、この時はまだ立希と海鈴の会話。立希の言い方も少し遠回しな言い方だし、海鈴の立希への感情はかなり特殊なものだというのも分かる。
これは「立希さんなら理解してくれると思ってたのに…」的な表現なのかもなと思っていた。
「私を見つけてくれたのは貴方だけですよ」なんてセリフを言うくらい、立希に対しての激重感情を持っている海鈴。それゆえのものなのかなと。
ところが、後半のにゃむちとの会話。
「今まで絶対責任取ろうとしなかったのに~」
なんて言われて、この表情。

「信用ならないってそういうことですか…」
とその後のにゃむちの解説を聞いて、ようやく自分の言動の受け止められ方を自覚している。
いや、お前分かっててあの言動してたんじゃなかったんかい!?
もう完全なアホの子だ。海鈴は全てを承知した上で、自分の役割はあくまで「サポート的役割」で「深入りしない」ポジションを取っているのかと思っていた。過去に何かしらあり、それが自分の音楽に対しての向き合い方なのだと、自覚して行動していると考えていた。
それが完全に無自覚で、本気でバンドメンバーの一員としてあんな行動を取っていた…?本当に他人の考えを一切理解できていない…?
あまりにもサイコパスで、共感できない心理だった。
キチンと理解できる娘だったじゃん…?
海鈴は前作「It's MyGO!!!!!」からの登場人物。前作の彼女は、こんな理解不能な行動原理をしていなかったと思う。
象徴的なのは9話のシーンだ。そよの代わりとして、立希がバンドの練習に海鈴を連れてくるシーン。難なく演奏はこなすが、燈は歌ってくれない。そんな状況になったとき、彼女はこう発言した。
「前の方が忘れられないようなので」
そして、去り際に燈に対してこう声をかける。
「応援してます」

非常に印象的なシーンだった。それまでの立希との会話シーンからも好きだったのだけども、さらにここで海鈴に惚れていった。
この時、海鈴は燈たちの状況を把握し、心情を察して自分から退いている。人の感情の機微や自分の行動がどう映るか、何にも分からない人はこんな行動はできない。
そして、最後は「あるべきバンドの姿」を模索してもがく燈に応援のことばをかけているのだ。いくつものバンドを掛け持ちしている自分と真逆にいる燈のことを、自分にはできないことをやろうとしている燈だからこそ、このことばをかけているのだと思う。立希に対してはむしろそっけない。
やっぱり、この時の海鈴は自分の立ち位置やあるべき姿を理解できているとしか思えない。他人の心理を察して、意図的に一步下がるタイプの人間として描写されている。
その深入りしないスタンスの是非はともかく、職人として行動している彼女の姿勢はシンプルにカッコよかった。だから、「Ave Mujica」での彼女も、その延長線上にあると考えていた。
全てを自覚していたうえで、祥子に期待を込めてあのような行動をしていると思っていた。それこそ9話で燈にかけた応援のことばのように、バンドを引っ張ってくれると期待と応援を込めていたのだと。
それがまさかのサイコパス発言…うーん…

好きだったキャラが変わっていくのは虚しい
好きだったキャラなのに、もう海鈴のことがなんにも分からなくなってしまった。今の海鈴を好きだとは言えない。
好きだったキャラが、そうじゃなくなっていく。これがSNS上でのファンの取り扱い方とか、自分の熱の冷めとか、そんな外部要因じゃなく、公式が提供している続編作品によって発生しているのが何とも…
こっからのウルトラCの大逆転はあるのだろうか。Ave Mujicaという作品に関しては、まだ芽はあるかもしれないが、海鈴に関しては無理そうな気がする。今回の描写でだいぶ自分の中で壁ができてしまった。
悲しいというか、虚しいというか…そんな第8話だった…
おまけ:分かりづらいガンダム例え
先日の7話の感想の記事に、「種死みたいにならないといいな」と書いた。しかし、まさかこの角度でえぐられるとは。
前作好きだったキャラが、続編の描かれ方で好きじゃなくなってしまう。これは種死でのアスラン・ザラへの気持ちと全く同じだった。アスランと同じ軌跡を海鈴がたどることになるとは…
そう言えば、シン・アスカみたいな描写されてた人もいたが…こっちも同じ運命にならないことを祈る。


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