スーツなしじゃダメなら、スーツを着る資格はない
めちゃくちゃ今更だけど、『テイルズ オブ ジ アビス』を視聴中。
アニメとかじゃなく、ゲーム実況でだが。中高生のころめっちゃ見てた、ジャック・オ・蘭たんというゲーム実況者の動画で視聴している。
5,6年ぶりくらいに見たが、良い意味で何も変わってなく、ゲームのよさを活かす古風な実況で安心して見てられる。
ゲーム実況もさることながら、ジアビスというゲーム自体のストーリがめちゃくちゃ良いです。
まだストーリーは完結していないが、昨日見ていた部分のイベントがめちゃくちゃ良かったので、その感想記事を書きたいと思う。
※何年前の作品だよって感じなので、大丈夫だと思いますが、『テイルズ オブ ジ アビス』のネタバレを含みますのでご注意ください。
ナタリアのイベント
今日語りたいのは、仲間の一人である、ナタリアのイベント。
蘭たんの動画だと、下記。
アニメ(なぜか公式が全話公開してくれている)だと13話。
ざっくり、このイベントの中心人物であるナタリアの解説をまずは。
ナタリアは主人公の仲間の一人で、王女様でありながら、勝手に家を抜け出して主人公についてくるというじゃじゃ馬なお姫様。
でも、高貴な身分としての責任を認識しており、キチンと謝ったりできる良い子。料理は下手。
王女としての強い責任感があり、同じく王位継承権を持つ主人公に、王族としての在り方、民との接し方を諭したりする。常に、王女として、どのような振る舞いが適切か、考え、実行している。
勝手に家を飛び出してついてくる、子供みたいな純粋さと、大人の責任感のハイブリッドの仕方がめっちゃ良いキャラ。
このナタリア姫の生き方が凝縮されたのが、今日紹介したいイベント。
この世界は、キムラスカ王国とランバルディア帝国という大国で世界は2分されており、何やかんやあって、この大国同士の戦争が発生してしまう。
その戦争を止めようと、キムラスカ王国の王女であるナタリアが自国のキムラスカ王国で王たちを説得しようとする。
しかし、敵の陰謀で、ナタリアが多くの民を虐殺し、戦争を引き起こした大罪人であるということになってしまう(これは嘘)。
しかも、ナタリアは実は王家の血を引く正当な後継者ではなく、本物の王女は赤ん坊の頃に死産しており、侍女の赤ん坊とすり替えられていた、ということが判明する(これは本当)。
そんな事実を告げられても、何とか王を説得して、戦争を止めようと王国に向かうナタリア。
しかし、結局は敵の陰謀のほうが1枚上手で、世界を混乱に陥れた大罪人として、処刑されそうになる。
今まで父親だと思っていた国王にも見捨てられ、大臣から、毒薬での自殺を勧められる。そんなところで、仲間が助けに来てくれるのだが。。。
語りたいのは、この後の展開。
仲間たちと共に逃げようとするとこに、王国の騎士たちが追ってくる。
そこに、民衆がワッと湧き出て、騎士たちを妨害する。
ナタリアが無事に逃げれるよう、老若男女問わず、様々な人々が、素手や、武器とも言えないお粗末なもので、騎士たちに向かっていく。
ナタリアを逃がすために、危険を顧みず、騎士たちと戦いながら、彼らは言う。
「王女様が無実の罪で囚われているって聞きました、お逃げください!」と。
自分のために傷つく人々を見て、ナタリアは思わず叫ぶ。
「私は王家の血を引かぬ偽物です。私のために危険を冒してはなりません!どうか逃げて!」
でも人々は誰一人として逃げない。
なぜなら、病院に行けない貧しい人々のために、療養所を開いていたのは彼女だから。
職を失った人々に、開拓の仕事を与えたのは彼女だから。
人々が犠牲になる戦争を止めようと、必死になっているのは彼女だから。
彼ら平民は、ナタリアの顔すらも知らない者もいる。
でも、彼女が、「王女」として積み重ねてきた、紛れもない「王女としての行動」に救われてきたから、彼女のために命をかけて戦う。
こーれ、めちゃくちゃ良いイベントです。
冒頭に書いた通り、ナタリアというキャラにとって、「王女」というのは強いアイデンティティで、彼女の行動の原動力にもなっているもの。
そのアイデンティティを、容赦なく破壊されるのがこのイベント。
王女として生きることを考え続けた人が、王女でないと分かったとき、どうなるのか。彼女はもちろん傷つき、迷う。
でも、その救いが、答えが、今まで王女として考え、行動してきた結果、つまり人々からの感謝の行動で表現される。
自分は間違っていなかったと。
この辺、主人公との対比だったり、アッシュの存在とかもめちゃくちゃ良いスパイスなんですが、長くなりすぎるので割愛。
「スーツなしじゃダメなら、スーツを着る資格はない」
このイベントを見て、連想した言葉が、『スパイダーマン ホームカミング』のトニー・スタークのこのセリフ。
スパイダーマンが無責任に、トニー・スタークの言うことを無視して、多くの人を巻き込んだ後、スターク社製の最新鋭のスーツを没収する時に言うセリフ。スパイダーマンはスーツが無いと何もできないと言うが、それに対してピシャリと言い放つ台詞だ。
この台詞もめちゃくちゃ好き。
これが言いたいことは、立場は力でなく、行動によって規定されるということ。
ヒーローにとって一番大切なのは、能力ではなく、行動しようとする「覚悟
」である、というのをめっちゃシンプルなメッセージで伝えている。
スーツを着てないただのオジサン状態でも、トニー・スタークは人々を救うために行動するだろう。
同じく、ナタリアも、血統としては王女じゃなくても、人々を救うために王女にふさわしい行動をするだろう。
ナタリアの場合は、過去の行動が中心だったが、王女じゃないとわかりながらも、戦争を止めようとした行為、この後のゲーム中の行為も、まさに王女としてふさわしい行為。
そこを人々に評価されたわけで…
決して、血統や能力でナタリア王女を「王女」として、人々は認めたわけではないということ。
こういうこと言える・やれる大人になりたいなと改めて思った。
でも、ナタリアとかめちゃくちゃ年下なんですけね。18歳って…
最後が小学生みたいなこんな恥ずかしい感想しか書けないうちじゃまだまだだなぁ。
以上!
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