リサーチャーが毎日行っている、「調べる習慣」の身に付け方

「仮に、アンケートやインタビューが使えない環境にあったとして、菅原さんならどうやって情報を集めますか?」(実際には世の中一般的にそういう人も多いので)―オンライン学習サービス・Schooのディレクターさんから最近いただいた質問です。

時を同じくして、いつもリサーチ記事のウェブ連載を掲載いただいているヴァリューズの担当編集者さんからも、「ビッグデータなどのデータセットからは得られない、リサーチ活動ならではの魅力や価値は何ですか?」という質問もいただきました。

私自身は日頃、アンケートやインタビューをやりましょうと呼びかけている立場なので、そうした「人に聴く手法」を封印して何ができるのかというのは、自分自身にも興味深い問いであり、その答えはリサーチの独自価値ともつながっていそうです。

今回は、リサーチャーの私が毎日行っている、「調べる習慣」の身に付け方の話です。調べることを日常としている自分には、もはや溶け込みすぎて調べている感覚もないのですが、ナチュラルに実践してきていることがあるのでそれをお伝えします。

「Twitter・Instagram・YouTube・TV・雑誌」を中心に、「誰もが・無料で・一人で(※)」成果を出せるリサーチ方法を、毎日・毎週・毎月やることの単位に揃えて、ここ2年ほど私が追いかけているアウトドアのリサーチ実例を交えてまとめてみました。(※内容により、安価で・人を交えて)

なおこの記事に対応する有料情報商材を私は持ち合わせていないのですが、生放送視聴無料のSchooにて年明けに生解説しますので、最後にその告知もあります。よかったら新年はともにリサーチの話題で盛り上がりましょう。それではスタートです。

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1.毎日やること

マスメディアやSNSなどを通じて行う「メディアウォッチング」は、マーケティング活動の文脈では次のような目的があります。

◎メディアウォッチングの目的
・情報の広さを磨く(トレンドのキャッチアップ)→流行や事象の理解
・情報の深さを磨く(ユーザーインサイトの理解)→生活や文化の理解

この章では私が毎日行っていることを、皆さんも閲覧頻度が高いであろう「Twitter」「YouTube」の取り組みを主にお伝えします。

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▼ Twitterを見る


Twitterは毎日見ます。話題の流れが速くて追うのが大変ですが、ひとつの事象に対するインプットとアウトプットを瞬時に行えることがメリットです。以下は、食のトレンドを発信している「FoodClip」の記事に対して私が取ったアクションです。

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①公式アカウントの投稿へのいいね!・リツイート
(気になるトレンドだから後で必ず読もう)
https://twitter.com/foodclip/status/1424913440443879429

②元記事を読む
(家庭だけでなく冬キャンプで鍋が来る!)
https://foodclip.cookpad.com/10547/

③記事を読んだ感想のツイート
(夏のBBQに代わる冬のメニューになりそう)
https://twitter.com/diisuket/status/1425268820608917516

ご覧のように流れとしては、いいね!とリツイートにより短期記憶をつくる~当日か翌日のうちに一次情報である元記事を読み込む~自分の言葉で要約して投稿することで長期記憶に留める、というような一連の情報収集サイクルを形成しています。

特に最後の自分の投稿がポイントで、見たニュースやノウハウを「事実情報+考察意見」でストックしていきます。出来事の要点と自分の考えをセットで残しておくことにより、後々メモ帳(あるいはネタ帳)代わりの情報資産として活きてきます。

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ここからはアウトドアのテーマを例にして、さらに具体的な使い方を見ていきましょう。

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まず、基本となるのはタイムラインのチェックです。図左は日本財団の投稿で、この時は「災害時に役立つアウトドアグッズ」「おすすめ非常食」などの動画公開ツイートから、アウトドアが他分野とも連動している状況をいち早く認識できました。

https://twitter.com/NipponZaidan/status/1383012293886238721
https://twitter.com/NipponZaidan/status/1403985495592476672

次に、キーワード検索の活用です。「防災グッズ」で検索すると、図解を駆使したまとめが多く目についたり、秋冬は地震が多かったことから備えのシュミレーションも話題になっています。(災害対策のトレンドはその年により少しずつ異なる)

https://twitter.com/BuzzFeedKawaii/status/1468221525375557634
https://twitter.com/niconicholson/status/1466573785763844097

そして、from検索の活用です。自分の投稿を振り返る形で、アカウント名を特定してキーワード検索をします。すると、過去投稿の中からニーズに合致する情報を発見でき、この時は雑誌の特集を見返したり、ブームの起点月を確認できました。

https://twitter.com/diisuket/status/1405319445891883017

まとめると、Twitterは国内4500万MAUの情報量があるので、様々なテーマに対して、①更新情報(公式からのいち早い通知)②期間情報(出来事の実施日程)③評価情報(ネガポジの論評)に優れており、これを誰もが参照することができます。

なお検索の仕方について、私自身は都度自分で検索するスタイルを取っています。ライフハック的にはリスト機能を使った方が早くて確実ですが、見慣れたり見飽きたりするリスクがあり、リサーチの活動では致命的なので私は封印しています。

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▼ YouTubeを見る

YouTubeも毎日何かしら見ています。メインとなる人が主体となっている動画は、発信者(YouTuber)の視点からすべての物事の疑似体験をできることがメリットです。ファンが付いているチャンネル視聴者の多くは、「この人がこれをしたらどうなるんだろう?」という展開に惹き付けられて、小さな話題でもつい見入ってしまいます。

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私のおすすめは「李姉妹ch」です。日本在住の中国人姉妹が異文化理解・語学学習・旅行Vlogなどをメインに動画を公開しているチャンネルで(登録者数31万人超)、「餃子の王将を食べてみた」「麻辣湯を家で作ってみた」のように、自購入・自使用にこだわった企画により生情報の精度が高く、雑学ながら先々の調査に活かせます。

https://www.youtube.com/channel/UCDhjThxt99rkGcjcEreyOQg

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アウトドアのテーマでは、アウトドアコーディネーターのYouTuber・森風美さんが出演する動画からけっこうヒントをもらっています。YouTubeでは「○○分野の人気商品○選」という動画が視聴回数を集めていますが、私は各分野のインフルエンサーが仕事場での自然な振る舞いの中で見せるニーズやインサイトに着目して見ています。

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たとえば、森さんは出演動画の中で次のような会話をしており、それに対して私はマーケティング的に一般の消費者あるいは生活者向けには、どのような展望があり得るかを脳内で置き換えています。ちょうどここ最近での視聴例を見てみましょう。

「運転する時に腕まくりする癖があって、袖口がゴムで留まるダウンジャケットは好き」
⇒車中泊キャンパーは運転中のダウン着用もある。
「ズボンが一番、安心・安全ではあるんですけど、スカートが好きでよく履いています」
⇒キャンプでもスカートを楽しみたい願望がある。

動画では色々な体験や紹介の中でモノの良さや使う動機が語られるので、インタビュー現場に居合わせているような感覚を持って、リラックスして動画を見ていても脳はリサーチを休まないようにしています。(なんならメモとか取り始めます)

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2.毎週やること

この章では私が毎週行っていることを、「TV」「Instagram」の取り組みを主にお伝えします。この2つは人によっては視聴習慣が全く無い場合もあるかと思いますが、情報の論拠と観察力が磨かれる独自のメディア特性があります。前章の情報がどのように強化されているかに注目しながらご覧ください。

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▼ TVを見る

TV視聴を毎日ではなく毎週やることの方に持ってきたのは理由があります。週単位でTV番組表をプレビューする時間を取って欲しいのです。番組表は主に録画予約の時に使用する機能ですが、好きな番組を予約する時などに、仕事で関わっているテーマの特集や企画がその週でやっていないかをひと通り見ます。(日曜夜がおすすめ)

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たとえば私なら最近、アウトドアのテーマで『ラヴィット』11月30日(火)放送~あるあるお悩み解決・冬キャンプコーデや、『ヒルナンデス!』12月6日(月)放送~激安防寒グッズ&キャンプ!を録画しました。あえて自分で"探す"癖をつけることが重要で、機械にお任せの自動録画だと結果的に見なくなるので注意してください。

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TVではブームを牽引する象徴的なモノ(場所・人物)が映ります。この時は『ラヴィット』で「トレッキングラップショーツ」(スカート風コーデができるパンツアイテム)、『ヒルナンデス!』で「ウォームキャンプスカート」(裏起毛・マルチポケットの冬用スカート)が紹介され、女性向けのアイテムが注目されていました。

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ここで思い出すのが前項に登場したYouTuber・森さんの「スカートが好きで昔からキャンプでもよく履いている」という発話です。この情報だけだとn=1に留まりますが、両番組の傾向と突き合わせるなら、「冬用のレディースボトムス需要がある」に違いありません。TVはこのように流通の全体像や多面的な展開の理解に役立ちます。

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▼ Instagramを見る

Instagramはテーマに関する象徴的な画を通じたトレンドの現象理解に向いています。仕事で関わっているテーマによっては更新頻度が高いもの(もしくは自分のタイムラインの流れが速い場合)もありますが、比較的後からでも投稿内容をキャッチアップしやすいので、リサーチ目的では毎日ではなく週ベースでよいでしょう。

情報検索は専らハッシュタグ検索を駆使します。リサーチ的には、仮説探索型と仮説検証型の見方があります。いずれも私の自己流ですが順に解説します。

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まず、仮説探索型です。アウトドアテーマの「#グランピング」(54万件)を見てみましょう。グランピングは、キャンプの設備や環境が整った施設に手ぶらで気軽に行って楽しむことができる遊び方もしくはプランです。ファミリーを中心にして人気が徐々に上がっており、キャンプシーンでは注目されている上昇トレンドです。

ハッシュタグ検索で画像の一覧を見ると、ドーム型の施設、夕方~夜の撮影、周囲の冬景色などが目立ちます。ここでは「これがグランピングってものなのかな」くらいの理解に留まりますが、この観察で得た物品・場所・人の活動などの情報を、統計データと突き合わせていきます。(政府統計・業界年鑑・産業白書などを見る)

すると、宿泊利用が多くリゾート立地施設数が多いこと(→リゾート立地は仮に施設にブランド力が無くても宿泊・利用単価が上がる傾向にある)、星空観察が人気No.1アクティビティであること(ファミリーで安全な場所で特別な体験を楽しめる)、年越しキャンプでも利用があること(近年の上昇トレンド)などがわかります。

象徴的な画を見て、その中に内包されている要素を観察することで、定性的な観察データから定量的なビジネス情報に変換することができました。自ら出かけて行って体験するリサーチはかなり大変ですが、InstagramではYouTube同様に、さらにそれよりも手軽に物事を追体験することでき、リサーチの始めやすさはピカイチです。

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次に、仮説検証型です。アウトドアの超人気コンテンツである「#キャンプ飯」(114万件)を見てみましょう。このテーマを選んでおいてなんですが、私自身はキャンパーでもなんでもありません。だからキャンプ飯のメニュー知識も、「ホットサンドや燻製料理が人気なんだよなあ、専用器具も続々出ているし」くらいでした。

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ところが画像の一覧を見ると、知識外の情報に溢れています。ホットサンドは確かに人気ですが、パン・ピザなどを本格的に焼くスタイルが目立ち、実際はパンの系譜そのものが流行していることを知りました。同様に、燻製料理とは具体的に、ベーコン・チーズ・肉・卵であると知り、メニューの解像度が一気に上がりました。

※メニューの分類は、noteで「食トレンド研究会」を主宰されている渥美まいこさんにもアドバイスいただきました。

このようにハッシュタグ検索は、現在進行形のトレンドの種類や粒度の整理・再分類に向いています。情報の素材が目的志向かつ完成形態のライフログならではのリサーチ成果と言えるでしょう。もし私が元の知識のレベルのままでアンケートの選択肢を考えたり、キャンパーにインタビューをしていたら……事前理解は大事ですね。

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3.毎月やること

この章では私が毎月行っていることを、「雑誌」「知人との会話」の取り組みを主にお伝えします。この2つはリサーチの間隔が長め(あるいは不定期)となりますが、1章(毎日やること)の冒頭に記したメディアウォッチングの目的である、情報の広さと深さに厚みをもたらしてくれます。

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▼ 雑誌を見る

雑誌はターゲットメディアであり、(マーケティング的に見るなら)月刊発行のタイトルが主なので、月単位でチェックします。私は、雑誌の電子書籍サービスは新聞図書経費のつもりで掛け捨てしています。(dマガジンは掲載誌数が多い)

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ビジネスへの活用法はこれまでにもnoteや書籍でまとめているので、雑誌活用に興味がある方は以下をご参照ください。雑誌からは仮想ターゲットの1ヵ月の興味関心・消費動向を学ぶことができるというのが私が思う雑誌のメリットです。

(第2章―③雑誌の超活用法)

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ここでは引き続き、アウトドアテーマの例で解説していきましょう。夏頃に私は次の雑誌を読んでいました。

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『GoodsPress』2021年5月号、特集:「いま買うべきキャンプギア/アウトドアファッション」では、通常のキャンプグッズのほかに、アウトドアファッションも紹介していました。一見特に珍しくないように見えますが、たぶん皆さんが想像される通り、アウトドアファッション=ダウン・ブーツなどで情報に変わり映えがないのです。

でもこの雑誌記事では、「ロンT」「ボトムスパンツ」「ソックス」なども取り上げており、売場の花形であるアウター・小物以外の品目の重要性にも気づくことができました。アイテムとしては確かに少し地味なのですが、これらはベーシックに広く人に受け入れられる品目群なので、仕入れや独自性を強化するのに有用な情報です。

『CREA』2021年夏号、特集:「ちょっとだけアウトドア/防災カタログ2021」では、読者世代である大人の女性に向けて、アウトドア特集の流れを汲んだ防災グッズが紹介されていました。具体的には、「水なしヘアケア」「一体型インナー」「持ち出しポーチ」などで、女性視点では入院に近い備えになっていることに気づきます。

雑誌を見る時に重要なことは、「皆が知っている情報」と「まだ知られていなさそうな情報」の両方を見ることです。上記の例で言うと、アウターや備蓄品の情報は当然押さえておかなければいけませんし、また、それだけだと調べた付加価値は出ないので、ビジネス的に気の利いたちょっと細かい情報を拾っていくようにします。

その見識ってどうやって養うの?という疑問はあると思います。ここはさすがに業界経験歴や調査従事歴を必要としますが、ひとつ言えることは、基本属性や人間関係の中で生まれる生活習慣や消費行動に注目すると、付加価値の高い情報に行き当たることが多いです。『CREA』例で言うと、「女性の(仮想の)避難生活」が該当します。

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▼ 知人と話す

この記事では基本的にインタビューの手法を封印して乗り切る方法を書いていますが、日常会話の中で人から情報を得るくらいの方法は付け足してもいいでしょう。とはいえ友人や同僚だと関係性が近すぎてパイロットインタビューになってしまいます。

そこでおすすめしたいのが、日頃の生活圏とは異なる「知人」と会話することです。美容室のスタイリスト・治療院の院長先生・ヨガクラスのコーチたちから、ふだんの環境とは違う情報・違う反応を得られるチャンスを定期的に活かします。

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上記のようなサービス業のシーンでは、1時間とかまとまったセッションになるので、相手の趣味や関心をインプットして同じ話題で毎月会話をアップデートし続けるようにします。すると、友人らと話す時と違って以下のような状況に遭遇します。

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①自分は知ってる・相手は知らない話題
相手:「鬼滅の刃…?ごめん、最近のものはよくわからなくて」
自分:(話題作とはいえ皆が見ているわけではないんだな)
②自分は知らない・相手は知ってる話題
相手:「イカ釣りは釣果が出るまで餌買っちゃう。競馬もそういうもんじゃない?」
自分:(趣味は違っても意外と性格の共通項はあるんだな)

ご覧のように、①では全国区のトレンド情報が全く通じなかったり、②では逆に、自分が知らない情報を相手が教えてくれたりします。相手が話題の対象物のユーザーであれ、ノンユーザーであれ、どちらに転んでも有益な情報になります。

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時間が無い・面倒くさいという人に

情報収集の話をすると最終的に戻ってくるのが、「時間が無い」「面倒くさい」という着地点です。もっと気軽に効率よくヒットトレンドを追いかけられたら…というのは実際のところです。私も広報会議のネタ出しではよくそう思います。

そんな時にぴったりの、ヒットトレンドの最前線を追えるニュースソースを最後にご紹介しましょう。以下は、総合調査会社のインテージと、データマーケティング支援会社のヴァリューズが調査データの掲載実績を公表しているものです。

①インテージ掲載実績

②ヴァリューズ掲載実績

こちらの2社のデータ掲載実績は神がかっていて、ページを見ていただくと、ほとんどその時々のトレンドを外さずに大手・有力メディアに紹介されているのがわかると思います。ですので、2社のサイトを見れば一気に最前線に追いつけます。

一方、この紹介を最後にしたのには理由があります。出演するセミナーでもたびたび、「まだ誰も気づいていない最新のインサイトに迫りたいがどうしたらよいか」という質問をいただくのですが、この方法だと一生他社を追い越せません。

お伝えしてきた中でも、「週単位でTV番組表をプレビューする時間を取る」などは、その先に手ごたえがあるかどうかもわからない非効率な作業なのですが、そういう心がけのもとに、周りよりもいち早く番組企画や出演情報に気づけます。

リサーチを楽しむという観点では、非効率な情報収集活動をいかに作り出すか(≒残しておくか)が大事な気がします。私自身も仕事で広報と一緒にメディア掲載成果を上げている時ほど、圧倒的に非効率な作業が元になっている実感があります。

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▼ Schoo出演のお知らせ

記事をご覧いただき、ありがとうございました。さて、ここで皆さんが判断に悩むかもしれないことが、「菅原さん、そんなに上手く行きます?」という疑問です。確かに一般公開するくらいなので、私も出来の良い取り組みを紹介しています。

しかし、リサーチに対してベテランであれ新人であれ、"日々の習慣で"大事なことは成功確率の勘定ではなく、対象がどんな領域であっても、事業がどんな展開になっても、成果を出せるよう毎日の時間を使って準備することではないでしょうか。

「まだ誰にも知られていないインサイトを発見する」みたいな成果は、はっきり言って私にとっても難題です。でも、物事の細かい違いや差を知ることはこの記事の方法で可能です。なので、「非効率な作業を怠らないように」心がけましょう。

また、記事冒頭に「人に聴くタイプの調査手法」の特技を封印してお伝えしますと書きましたが、何を隠そうアンケートやインタビューの準備において大事なことが、ここに書いてあることそのものです。準備の精度が微細な成果を分けます。

とはいえ、ノウハウを一度に消化する難しさはあることでしょう。年明けのSchoo授業では、MCをしてくださる受講生代表の方+Schoo受講生の皆さんと一緒にこのテーマを考えていきます。当日はめっちゃ祝日ですが、ぜひご参加ください!

▼ 情報感度を高める-プロのリサーチャーが行うメディアウォッチ習慣-|Schoo
2022/1/10(月)20:00-21:00 @オンライン(生放送は視聴無料)

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▼ 取材記事のお知らせ


本記事に関連して、コラム連載を寄稿しているデータマーケティング・マガジン「マナミナ」にて、「ユーザー理解」をテーマにした取材をしていただきました。デスクリサーチ情報をさらにアンケートやインタビューの中に活かしていく方法はこちらで解説していますので、よかったら併せてご覧ください。

▼ ユーザー理解では「質問の尋ね方」が重要。アスキング調査で見える「第3の選択肢」が事業をドライブさせる|マナミナ


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菅原大介|リサーチャー
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