
In mine
あるところに妖精たちが住んでいました。
純粋な白色の妖精、
優しい桃色の妖精、
情熱的な朱色の妖精、
元気な橙色の妖精、
幼い黄色の妖精、
素直な黄緑色の妖精、
穏やかな翠色の妖精、
自由な空色の妖精、
知的な蒼色の妖精、
寂しがりな紫色の妖精、
冷酷な黒色の妖精
バラバラな性質を互いに補い合って、世界を創り上げていました。
ある日のこと、世界に大きな怪物が現れました。怪物は次々と街を破壊していきます。世界は混沌に飲み込まれました。妖精たちは世界を守ろうと協力します。
白色の妖精は皆を信じ、
桃色の妖精は皆を労り、
朱色の妖精は皆を励まし、
橙色の妖精は皆を引っ張り、
黄色の妖精は皆の原動力となり、
黄緑色の妖精は皆の支えとなり、
翠色の妖精は皆の癒しとなり、
空色の妖精は皆に新しい情報を届け、
蒼色の妖精はみんなに作戦を伝え、
紫色の妖精は皆の架け橋となり、
黒色の妖精は皆に判断を伝えた。
しかし、
徐々に妖精たちも疲れていて、争うようになりました。
あちらこちらで血がながれ、絶望に覆われています。
もう、終わらせよう
傷付き、疲れ果てた妖精たちが、自分たちの手で世界を壊してしまおうと暴走しだしました。
その時、白衣の天使が手を差し伸べました。
よく頑張りましたね
もう安心なさい
天使は妖精たちを優しく包み込み、怪物を追い払い、世界を照らしました。
今は睡りなさい
妖精たちは天使の声に誘われ、久しぶりに穏やかに睡りました。
どのくらい経ったのでしょう。
妖精たちが、1人、また1人と目を覚ましました。
もう、世界を壊そうとしたときの、険しい表情はありませんでした。
ただ、壊れかけた世界を見て、哀しそうに目を伏せました。
妖精たちは助けてくれた天使にお礼を言いました。
天使は微笑みながら言いました。
世界を治すには、貴方にとって、途方もないくらいの時間がかかるでしょう
ですが、忘れないでください
貴方は、助けを求めることができるということを
だから、もう、世界を自分で壊そうとしないでください
妖精たちは約束しました。
もう、世界を壊そうとしないと。
また、皆で世界を創ると。
明日から世界の修復が始まります。
もしかしたら、また、怪物が現れるかもしれません。
でも、妖精たちには白衣の天使が一緒です。
もう、独りではありません。
この世界は今までよりもずっと、大きくてきれいな世界になるのでしょう。
めでたしめでたし