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「企業が社会に対して責任を果たすのが当然な社会になったらよいと思う」田村さんのチャレンジと、digzymeだから可能な社会課題の解決
株式会社digzymeの社員インタビューコンテンツ『digzyme Deep Dive』。
今回もインフォマティクススペシャリストの田村 康一 さんへのインタビューです。
前編、中編に引き続き、後編も最後までぜひご覧ください^^
(※記事中の組織名・役職等はすべて取材時のものです。)
ーーdigzymeで働いていて、どんなところが楽しい・やりがいを感じますか?
自分は現在急速に発展している AI 技術とはある意味対極の技術である物理シミュレーションを主軸に研究を進めてきたのですが、その技術が AI が苦手な領域で案外活躍できるのでやっててよかったなと感じています。
ーーAI技術と物理シミュレーションは「対極の技術」なのですか?
はい。AIは、まず沢山のデータをAIに食べさせますよね。その後、そのデータに共通する法則を抜き出してきます。
対して物理シミュレーションは、まず『自然法則』が与えられていて、
そこからどのような挙動を示すかというデータが出てくる。つまり方向性がAI技術とは真逆なんですよね。
ーーAIは物理的なことから何かを判断している部分は無いのでしょうか?
議論はさまざまあるようですが。AIはデータから法則を抜き出すだけなので、物理を理解しているわけではなさそうです。
例えば人間も、物理の法則を理解していなくても綺麗な絵は描けますよね。
それと同じことで、普遍的なものを抜き出しているだけのはずです。
この辺りは今(※インタビュー時)書いているテックブログに詳しく書いてありますので、更新されましたらご参照ください。
![](https://assets.st-note.com/img/1734061257-XWrkaIEy2NDpJlAgOT0eUoct.jpg?width=1200)
『選抜した酵素から、高温でも壊れない、耐熱性の高い酵素を選びたい時に
AIよりも汎用的な技術として物理シミュレーションで耐熱性を評価しています』というネタで書いております。
ーーありがとうございます!テックブログ読んでみます!
次の質問なのですが、仕事で苦労したことがあれば教えてください。
自分は化学系の人間なので、日々の議論の中で出てくる生物系の知識のほとんどはわからなくて苦労しています。
学部で最低限のことは学んでおりますが、、、実際に試験管を振るような実験の話は毎回ポカーンとした顔で話を聞いています(笑)
ーー化学系と生物系って、そんなに重視するべきポイントが違うことが意外です。
同じバイオロジーといっても色々な階層があって、遺伝子レベルの話から、自分がやっているような分子レベルの話まで結構幅が広いんです。
自分は生物の中でも化学・・・ケミストリー寄りのところを専門としているので、例えば彦有さんがやっていらっしゃるような、色々な生物の名前が出てくるゲノムの話などになるとそこまで詳しく無いんです。
自分もdigzymeに入社してから気づいたんですけれど、逆に例えば、自分は酵素の構造を見て『ここはこうですね』みたいなことはわかるんですけど、バイオロジーをやっているからといって皆がそうではないんだなという意味で「そうなんだ!」ってびっくりしたこともあります。
ーーアミノ酸配列などをいろんな生物からとってきて、系統樹解析をすることでようやくわかることもあるし実際に構造に落とし込んで分子レベルにしてわかること、両方ある、、、ということですね。
もし、このあたりのご苦労に関して乗り越えられたキッカケがあれば教えてください。
乗り越えてはいないと思いますが、質問すればみなさん優しく答えてくださるので助かっています。
ーーdigzymeは、わからないことを教え合う環境が整っていますよね。
続いて次の質問なのですが、仕事をする上で大切にしていることも教えてください。
自分と相手の理解が一致していることを確認するようにしています。自分はリモートワークなので、特に注意が必要だと認識しています。
ーーなるほど。例えばなのですが、DRYの田村さんからWETの方に何かお願いする時など、どのようなところを気をつけていらっしゃいますか?
そうですね・・・DRYで遺伝子の候補を抽出してWETの方にパスする時に、
こういう理屈で酵素を選抜したので実験してみてください、というような部分も丁寧に説明するよう心がけています。
ーー教えていただきありがとうございます!
さて次にお聞きしたいのですが、田村さんは、今後どのようなことにチャレンジしたいですか?また、それは世の中をどう変えていきそうですか?
「永遠の化学物質」と呼ばれるPFAS のような、産業が排出してしまう有害物質の除去に興味があります。企業が社会に対して責任を果たすのが当然な社会になったらよいと思います。
ーーPFASは生物の中にも蓄積されてしまうそうですよね。
はい。しかも、500〜1000℃というレベルの高温にしないと分解できないんです。ですが酵素を使うと、せいぜい100℃くらいのマイルドな条件で分解できる可能性があるんですね。事業になるかはわかりませんが、とても興味を持っています。喫緊の課題となれば、助成事業としても取り上げられる可能性もありますし。
今後もし、事業活動を通じて叶う部分があれば嬉しいです。
ーー企業が社会に対して責任を果たすのが当然な社会。目指す未来像がとても素敵だなと思いました!digzymeだからこそできることを私も考えていきたいです。
質問も、残り二つになりました・・・リフレッシュ方法や、余暇の過ごし方、趣味などがあれば教えてください!
喫茶店で甘いものを食べます。
ーーいいですね。私も甘いもの好きです!
お気に入りのお店や、よく召し上がるものはありますか?
CAFE英國屋が好きです。
ワッフルとかクリームソーダをよく頼みます。
![](https://assets.st-note.com/img/1734061658-uSxPBiqakCl5FI9rD0s8g3Ye.jpg?width=1200)
ーー癒されますね。。。
最後にですが、digzymeに応募を考えている未来の仲間に一言あれば、お願いします。
わたしたちと共に、持続可能な社会を作りましょう。
いかがでしたでしょうか?
酵素の構造に関するスペシャリストである田村さん。お話ししていてインタビュアーも「持続可能な社会のために、私たちにできることは何か」とても考えさせられました。と同時に「世界を変える酵素」で社会課題の解決に大きく貢献できるdigzymeの存在意義をひしひしと感じました。
digzymeは、純粋な好奇心が健全な社会を持続させられるような世の中を目指しています!ぜひ公式ホームページもチェックしてみてくださいね。
次回は、WETチームから根岸 孝至さんのインタビューの更新を予定しております。お楽しみに!