「DRYとWET、必要に応じてハイブリットで」そして、最後まで粘り強く!環境に優しいプロダクトを増やし、社会貢献へ。
今回も前編、中編に引き続き、根岸 孝至さんへのインタビューです。
ぜひ最後までご覧ください!
(※記事中の組織名・役職等はすべて取材時のものです。)
ーーお仕事上での大切にされていることや、ご苦労、乗り越えられたキッカケがあれば伺いたいです。
実験を通して『こういう結果が出るはず』と思っていても、使用している実験のキットの種類、温度をかけるものの精度の良さ、そもそも実験器具の選定から、それを扱う人が変わると結果がまるで違ってくるのでそこの難しさはありますよね。
ーー人が変わると結果が変わる・・・!かなりシビアなんですね。
はい。結構WETは、向き不向きがあります。もちろん上手くいかないところに関しては、
「ここが原因なんじゃないか?」
という目星をつけて改善していくんですけれど、実は全然自分が思いもしなかったことが原因だったりするケースもあるので。
人によってはそこで、『自分には向いてないんじゃないか』とか思ってしまう場合もありますね。
お金をかけて、機材も揃えていて・・・イコール、結果が出る、という世界でもないんです。気にかけるべきところがズレると、思うような結果が出ない。それでも上手くやる、という意味で得手不得手があります。
ーーそうなんですね・・・何かこう、上手くいかせるためのセオリーってないんですかね?
例えばですが、無細胞の蛋白発現だったら、
「最初の工程でRNAができるから、RNase・・・実験を行う研究者の
肌や体液(唾や汗、涙など)や近辺に漂っているもののなかにも
RNaseが存在しますので、最新の注意を払うべきだ」
などは一応あるんですけれど、そうはいっても、この『注意を払うべき』度合いが『どこまでか』の感覚一つとっても、人によって差があります。
「使用する水はRNase処理したものを用意する」
「いや、そこはオートクレーブを毎回やっていれば大丈夫だ」
などなど、個人差がかなりあるんですよね。こういった差が各工程で積み重なると結果もだいぶ違ってくるわけです。
ーーなるほど。各工程で現れる実施事項の対処、対策の仕方も人によってまちまちということですね。
はい。なので、『なんか上手くいかない人』と、『この人に任せるとなんだか上手くいくなあ』というかたがいらっしゃるんです。
ーーおお、そのように分かれるんですね。こうして話を伺うと、
割と色々なことに気を配れるかたが上手くいくように聞こえますね。
実際、几帳面な方のほうが、基本的には上手くいく方にいきがちです。
総じて、気をつけられることはできるだけ気をつけたほうがいいですね。
ーーなるほど。ちなみに根岸さんは上手くいかないとき、どのように乗り越えていらっしゃいますか?
上手くいかなくとも、必ず結果がついてくると思いこみ、粘り強く取り組んだことで成果を出せるようにしてきています。。
特に、WET立ち上げ当初の、私しかいなかった時は、社内のディスカッションで
「これはもう結果が出ないのでは・・・?」
という雰囲気になったとしても諦めず粘り強く取り組むことで結果を出せたことがいくつかあったりしたので。
判断として、まだ余地があるなと感じた時は、それを信じて結果が出るまでなんとか粘ります。
協業先にもイノベーションを起こせるような良い成果を送りたい一心がありますし、digzymeとしても重要な、特許の取得にも繋がりますしね。
さらに今は、DRYの工程も学ぶことで、WETの工程に関してもスクリプトを書いてDRYの手法に置き換えるところは置き換えています。必要に応じてハイブリッドな形で進めることで、良い結果に結びつきやすいようにどんどん工夫を進めております。
ーー教えていただきありがとうございます。さて、今後どのようなことに取り組んでいきたい(チャレンジしたい)ですか?
やはり、自分がdigzymeで行っていることがどんどん形になって社会貢献できるのが理想です。
今後の活動が、世の中で、環境に優しいプロダクトが増えていくことに繋がるようにもしていきたいですね。
ーーリフレッシュ方法や、プライベートの時間の過ごし方について教えてください!
リフレッシュ方法は、何も考えないように、寝ることです。
頭を休ませる機会は大事だと思っています。
ーー最後に、digzymeに応募を考えている未来の仲間に一言あれば、お願いします。
挑戦したいことがあればそれを試すことができる環境だと思います。
また、技術を通して社会に貢献するには良い環境だと思います。