【社員インタビュー】取締役CTO 中村祐哉さん(3/3)
前編・中編の記事を読んで下さった皆様、ありがとうございます!
いよいよ、digzyme取締役CTO中村 祐哉さんのインタビューは、
当記事「後編」でラストです。
是非、最後までご覧ください。
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(※記事中の組織名・役職等はすべて取材時のものです。)
ーー今後は、どのようなことにチャレンジしてみたいですか?
基本的には、プロジェクトのステージが進んでいって、
上市して何かの役に立ってくれれば、と思っています。
今開発している酵素が、製品になって表に出てくるのは楽しみです。
「実はこの製品に入っているんだよ」
と言えるくらいになったら嬉しいなと思っていますね。
技術的なチャレンジでいえば、
プロジェクトのステージが進んでいったからこその課題が
出てくるはずなので、解決していきたいです。
例えば、
「こういう化合物を、こういう別の化合物に変化させたい」
という時に、
「酵素量はこれくらいの量で」
「どれくらいの効率で」
という数値が現状よりは具体的になってくるはずです。
それを達成できるorできない、が近い未来の重要課題になると
予想しています。
さらに次のステージでは“大量生産“が待っています。
「製品の価格がいくらなので、そのコストで作るためには、
培養液はこれくらいの量で・・・」
「この量の酵素が作れないといけない」
などの生産性能の目標が見えてくるはずです。
これらの達成は事業継続にも関わる部分ですので、しっかり解決していく
予定です。
ーー目標値がもう少し厳しく明確化されていくと、
生産性能向上や安定が肝になってくるということですね。
他にもなにかチャレンジしたいことはありますか?
完全に人工の酵素の開発はしてみたいですね。
ーー完全に人工の酵素?
『完全に』っていうのは、また難しいですけれども(笑)
普通は天然に存在する微生物が持っている酵素の情報をベースに作るとか、
それを改良するというやり方ですが、
データからいきなり酵素をデザインするということが
今はAI技術を上手く使うと、少しできるようになってきているんです。
そうすると、
もしかしたら何かの微生物の酵素には、ちょっとだけ似ているかもしれないですけど、『ベースの酵素』があるわけではなく、
パソコン上でポチポチ作業をしていたら酵素がデザインされて、
それがどの微生物由来でもないもの、というのが作れます。
ーーなるほど。
まぁ、これを例えば食品に入れて、実際に食べたいか?と言われると
難しいかもしれないですけども(笑)
今は天然にあるものがベースなのでそこに縛られていますが、
それを完全に脱却してオリジナルな酵素を作ることができるので。
実際に何かに使えるかどうかは置いておいても、
新しい感じがして面白いですよね。
あとは無細胞系などの微生物に依存しない開発はしてみたいですね。
無細胞系は今社内でもちょっと使っていたり
議論にもなっていたりしますが、基本的にはWETの過程において
微生物で遺伝子組み換えして発現・・・という流れが中心なので、やはり
「タンパク質が発現しないです」
ということが往々にしてあります。というところで無細胞系・・・
ーもちろん無細胞でも発現しないことはあるのですがー
比較的抑えられることもあるので、そういう意味でトライしてみたいです。
とにかくバイオ特有の不明瞭さがなくなると嬉しいな、と。
ーーバイオ特有の不明瞭さ、というと?
バイオの実験って
『なんかよくわからないけど上手くいかない』ということがよくあるんですよね。
この『よくわからないけど上手くいかない』が無くなるとすごく嬉しいよね、と思っています。
どうやったら確実にできます、という話では全然ないので
本当に夢の話をしていますって感じなんですけれど(笑)
例えば『培養の条件』一つとっても、この培養条件が一番良いです、
ということが理論的にわかるわけじゃなくて、
ある微生物を培養する時に、培地にどういう成分をどれくらい入れれば良いか、みたいなことは何度も何度も実験して、この組み合わせが最適っていうのを探し出すんですよね、やり方としては。
理論的にこれだ!ってわかるわけじゃなく、なんでかよくわからない・・・。
培養していて、上手く増える時もあれば、そうでないときもある。
タンパク質も、作ってみるとあんまり生産量も一定ではなく、
多い時もあれば少ない時もある・・・という感じで結構ズレがあるんです、
バイオの実験って。
『失敗する』というのは、極端に『不明瞭なケース』ですけれど、
上手くいっているときでも『特別上手くいっているとき』も
『微妙だけど上手くいっているとき』もあり、誤差が大きい。
ーーなるほど、それは確かに不明瞭ですね・・・。
そんな不明瞭さのなかでもまず
「宿主ごとに上手く発現しない」
というのは、やはり大きな課題なので・・・
このあたりが改良できるように、
「この世の酵素を、何でも発現できるシステムみたいなものが
あったらいいね」
という意味で、あるとしたら無細胞なのかな、という気はしています。
ーー何でも発現。夢がありますね・・・!詳しくありがとうございます。
さて、質問も残りあと2つになりました!
リフレッシュ方法や、余暇の過ごし方、趣味などがあれば教えてください。
僕は割と温泉が好きなので、よく行きます。
海の近くで露天風呂がすごく広いところや、
浴槽から水平線が見えているような開放感があるところが特に好きですね。
その他、銭湯、岩盤浴、サウナなども含めて
少なくとも月1は何かしらの温浴施設に行っています。
特にコロナ禍当初は藤沢に住んでいたので、箱根が比較的近く
よく行っていました。
ーーなるほど。インタビュー事前アンケートによると、
運動もお好きだとか。
はい。特にランニングがリフレッシュになりますね。
最近は忙しくて、あまり高頻度・長時間ではないですが・・・
ーーどれくらい走られるんですか?
今年の年明けの頃までは、週1回。
最近は週1〜2回で、毎回20〜30分くらい走りますね。
ーー結構走られていますね!すごい・・・
始めるにあたって、何かキッカケがあったんですか?
高校時代は山岳部で、トレーニングがランニング中心だったので、
その時から続いています。
僕は山梨県出身なので、地元には多くの山が・・・
高校の真裏にも山がありまして。
そこにほぼ毎日登っていましたし、夏休みになれば大会にも出ていました。
高校以降は、山にこそ登っていないですが、身体を動かすことはずっと好きですね。
ーー教えていただきありがとうございます!
最後に、digzymeに応募を考えている未来の仲間に一言あれば、お願いします。
「バイオの曖昧な課題の解決に最先端技術とアイデアで一緒に挑戦しましょう!」
中村さん、ありがとうございました!
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