オフセット脱退でミーゴスが解散の危機?! これまでの噂とアルバムを解説! Quavo & Takeoff - Only Built for Infinity Links (2022)
"Versace"、"Fight Night"、"Look at My Dab "などのヒット曲でアトランタ・シーンの新しい風となった、Quavo(クエイヴォ)、Takeoff(テイクオフ)、Offset(オフセット)の3人組ラップグループMigos(ミーゴス)。
2016年に全米No.1シングルに輝いた「Bad and Boujee」は彼らを更にメインストリームに押し上げ、アルバム「Culture」(2017)「Culture II」(2018)は2作連続で全米チャート1位を獲得し、2021年に約3年振りにCultureシリーズの完結編となる「Culture III」をリリースし、注目を集めました。
そしてこの度、クエイヴォ、テイクオフの2人がニューアルバム「Only Built for Infinity Links」(2022)をドロップ。
親戚関係である3人の不仲が噂される中、リリースに至った新作アルバムとグループの関係性について解説します。
レーベル : Motown Records & Quality Control
リリース日 : 2022年10月7日
名前 : Quavo & Takeoff
本名 : Quavo / Quavious Keyate Marshall
Takeoff / Kirshnik Khari Ball
年齢 : Quavo 31歳
Takeoff 28歳
出身地 : Quavo ジョージア州アトランタ
Takeoff ジョージア州アトランタ
なぜ解散の噂が絶えないのか?
これまでに、グループ以外でも多くのプロジェクトを発表している3人ですが、解散の噂が最初に浮上したのは2022年5月、オフセットとその妻Cardi B(カーディ・B)が、インスタグラムでクエイヴォとテイクオフのフォローを外すところから始まりました。
いつフォロー解除ボタンを押したのかは明らかではありませんが、ファンがTwitterでこれをシェアをし、さまざまな憶測を呼んでいます。
これに対抗してか、クエイヴォとテイクオフも2人のフォローを外し、思惑が渦巻く最中にシングル「Hotel Lobby (Unc & Phew)」をリリース。
Quavo & Takeoff - Hotel Lobby
この曲は、2022年2月にインスタグラムを通じて曲の一部が公開されていましたが、ファンはその頃からオフセットの不在に気付き、不仲なのでは?と囁かれていました。
その1ヶ月後の6月には、ミーゴスが出演を予定していたフェス「Governors Ball festival」を辞退し、フェスの運営側も頭を抱えていることをTwitterで明かしています。
当時について、レーベル担当者はクエイヴォが映画撮影のため、スケジュールが合わなかったことと説明していましたが、この頃からオフセットとの間には距離ができていたようで、出演を見送ることになったようです。
7月に2人は、Gucci Maneをフィーチャーしたシングル「Us vs. Them」をドロップし、翌月にはオフセットがソロシングル「54321」をリリース。
Quavo & Takeoff feat. Gucci Mane - Us vs. Them
その後も、オフセットがMoneybagg Yoをフィーチャーしたシングル「CODE」をリリースしましたが、これに張り合うかのように、2人は同日にBirdmanをフィーチャーしたシングル「Big Stunna」をリリースし、彼らの関係がうまくいっていないことが明るみになりました。
Quavo & Takeoff feat. Birdman - Big Stunna
また、オフセットは現在、グループのレーベルであるQuality Controlとソロ活動を巡って揉めており、オフセットは「ソロ契約のために交渉して多額の金銭を支払った」として、レーベルを相手に音楽の権利をめぐる訴訟を起こしています。
さらにオフセットは「Quality Controlが契約を破棄した」とコメントしており、レーベルとの関係にも溝があるようです。
現在の心境について明かす
このように、2022年に入ってから様々な噂や憶測が飛び交っている3人。
今作の発表前にクエイヴォとテイクオフはインタビューに応じ、トリオの解散について、またファンが今後ミーゴスの新曲を期待できるかどうかなどについて語っています。
クエイヴォ
テイクオフ
また、ラジオやSNSでヒップホップのニュースやエンターテイメントを発信しているDJ Akademiksは、5月にオフセットに接触したようで「つい先日、実際にオフセットと話をしたけど、多少の緊張感はあるかもしれないが、どんなビーフも本格的な分裂にエスカレートするとは考えていない」と語り、3人が口を合わせて解散することはないと濁しながらも伝えています。
アルバムについて語る
多くの噂が流れる中、コンスタントに4枚のシングルを発表し、リリースに至った今作は、前述のGucci Mane、Birdman、Young Thug、Gunna、YoungBoy Never Broke Again、Summer Walkerなど、南部のアーティストを中心にゲストに招いた、全18曲が収録されています。
また、初のデュオアルバムとなりましたが、クエイヴォは今作について「とにかくアグレッシブにいこうと思った」と話しています。
アルバム制作には約2年を要し、その間にミーゴスの「Culture III」がリリースされましたが、このデュオプロジェクト自体は以前から動いていたようです。
また、アルバムタイトルはRaekwonのソロアルバム「Only Built 4 Cuban Linx...」(1995)からインスパイアされ、アートワークの背景はOutKastのアルバム「Stankonia」(2000)と同じアメリカ国旗をモチーフにしたものとなっています。
曲中でもOutKastの「Stankonia」へのオマージュが込められており、Buddah Blessがプロデュースした4曲目の「Bars Into Captions」では、OutKastの代表曲である「So Fresh, So Clean」をサンプリングしています。
これについてクエイヴォは、大ネタをサンプリングしているのは彼らの故郷であるアトランタへのアンセムだと語っています。
Quavo & Takeoff - Bars Into Captions
Outkast - So Fresh, So Clean (2000)
5曲目の「See Bout It」では、ミーゴスのシングル「Pure Water」(2019)で共演したMustardをフィーチャーし、ヒットメーカーのNic Nacがプロデュースした、クラブ映えする1曲となりました。
Quavo & Takeoff feat. Mustard - See Bout It
11曲目の「Mixy」は、ミーゴスの「MotorSport」(2017)も手掛けたMurda Beatzと、クエイヴォのソロ作品やAriana Grandeなど幅広い活躍を見せるJoseph L’Étrangerがプロデュース。
また、今作でSummer Walkerが唯一のシンガーとして参加しており、彼女の澄んだ歌声がアルバムに良いアクセントを加えています。
Quavo & Takeoff feat. Summer Walker - Mixy
13曲目「Nothing Changed」は、ミーゴスのオフィシャルDJであるDJ Durelがプロデュースしていますが、この曲はパンデミックでロックダウンが始まる数日前にインスタグラムライブで公開され、それから1年以上の月日が経ちリリースに至りました。
曲中では、テイクオフが「金、車、チェーン、名声、全てを投げ出してでも祖母に会いたい」とラップしており、この曲について次のように語っています。
Quavo & Takeoff - Nothing Changed
カルチャーシリーズについて明かす
クエイヴォとテイクオフは、今作でそれぞれのルーツに戻ったようで、2人の相性や制作時の苦労を語っています。
また、2人はミーゴスで発表した3部作のアルバム「Culture」シリーズを誇りに思っていると明かすも、続編やグループの活動については口を閉じたままで、未だ今後の展望について明らかにしていません。
ミーゴスの今後については言葉を濁しながらも、初心に戻って創作したという今作品。クラブ映えする曲がたくさん収録され、これから頻繁に耳にしそうです。
三人揃ったミーゴスを望むファンも多いと思いますが、まずはデュオアルバムを楽しんで、彼らの動向を見守ってみてはいかがでしょうか。
元の鞘に収まることを願いながら。
今回紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️
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