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ドレイク×パーティネクストドアが贈る、バレンタインを華やかに彩る『$ome $exy $ongs 4 U』

カナダ・トロント出身のシンガー、PARTYNEXTDOORパーティネクストドア)は、2013年にドレイクのレーベルOVO Soundと契約し、デビューEP『PartyNextDoor』をリリースしました。その後、『PartyNextDoor Two』(2014年)、『PartyNextDoor 3』(2016年)と続けてヒット曲を生み出し、特にドレイクとのコラボレーション「Recognize」「Come and See Me」などで注目を集めます。

ソングライターとしても成功を収めたPARTYNEXTDOORは、リアーナ「Work」DJ Khaled「Wild Thoughts」など、多くのヒット曲を手掛けました。2020年にはアルバム『Partymobile』をリリースし、リアーナとの「Believe It」ドレイクとの「Loyal」も話題に。さらに2024年、4年ぶりとなるアルバム『PartyNextDoor 4』を発表し、大きな注目を浴びました。

そして2025年2月14日――バレンタインデーに待望のコラボアルバム『$ome $exy $ongs 4 U』をドレイクとともにリリース。今回はこのアルバムに収録された楽曲を中心に、彼らの新しい音楽的アプローチを深掘りしていきます。


レーベル  : OVO Sound, Republic Records, Santa Anna Records
リリース日 : 2025年2月14日
名前    : PARTYNEXTDOOR & Drake
本名    :    PARTYNEXTDOOR / Jahron Anthony Brathwaite
        Drake / Aubrey Drake Graham
年齢    : PARTYNEXTDOOR / 31歳
        Drake / 38歳
出身地   :    PARTYNEXTDOOR / カナダ、トロント
        Drake / カナダ、トロント


アルバムのリリースとその背景

パーティネクストドアは、ドレイクのレーベルOVO Soundが最初に契約を結んだアーティストとしても知られています。2010年代には数多くのコラボ曲を生み出し、OVO Soundの発展とともにドレイクの成功にも大きく寄与してきました。

そんな二人が共作したアルバム『Some Sexy Songs 4 U』は、もともと2024年秋のリリース予定が度重なる延期を経て、2025年に発売。『PartyNextDoor 4』(2024年)や、ドレイクの『For All the Dogs』(2023年)の流れを汲む形でリスナーから期待を集めていました。これはドレイクにとって3作目のコラボアルバムであり、パーティネクストドアにとっては初のコラボアルバムでもあります。

ドレイクはこのアルバムについて、「セクシーな曲だけでなく、盛り上がれる曲や感情的な楽曲も含めている。バレンタインデーに特別な人と楽しんでほしい」というメッセージをコメント。全21曲・約74分のボリュームには、Chino PacasYebbaPimmieなど新進気鋭のアーティストが客演で参加し、多彩な世界観が魅力となっています。

収録曲紹介

『CN Tower』

PARTYNEXTDOOR & DRAKE - CN TOWER

アルバムの幕開けを飾るコラボ曲『CN Tower』は、二人が過去の恋愛や失恋、そしてその後に残る喪失感や未練について歌い上げた作品です。注目すべきは曲の後半で使われている、Lil Wayneの2008年のヒット曲「Lollipop」のサンプリング。2分32秒から登場するこのサンプリングは、懐かしさと現代的なR&Bサウンドを巧みに融合し、深みのある世界観を生み出しています。

Lil Wayne feat. Static - Lollipop (「CN Tower」の2:32〜)

タイトルの「CN Tower」は、トロントのランドマークである高さ553メートルのタワーから命名。夜ごとに多彩な色でライトアップされる様子が、曲中では愛や失恋を象徴する比喩として用いられています。赤や青、緑などのライトが、ドレイクパーティネクストドアの複雑な感情を視覚的に表現し、作品をより印象的に彩ります。

歌詞では、ドレイクが噂や誤解によって壊れた関係を悔やみ、想いを再度伝えようとするも叶わない苦悩を吐露。一方のパーティネクストドアも、過去の恋愛を振り切れずにいる自分の姿を切々と描き出し、リスナーを切なさへと誘います。

『GIMME A HUG』

DRAKE - GIMME A HUG

ドレイクによる本楽曲は、サンプリングを巧みに用いたドラマチックな一曲です。イントロ部分にはTerrell Grice「Sing」(2023年)が使われ、後半ではAaron Hall「I Miss You」(1993年)のサンプリングが加わってビートが切り替わるという、耳を奪う構成が魅力。

Terrell Grice - Sing (2023)

Aaron Hall - I Miss You (1992) (「GIMME A HUG」の2:19〜)

歌詞では、ケンドリック・ラマーとのビーフを示唆するフレーズが登場し、「You Neo in the matrix, these niggas just Nemo in the ocean」などの表現で、周囲のラッパーを挑発。一方で、仲間であるLil Durk21 Savageへの感謝も織り交ぜながら、深い絆を感じさせる内容になっています。

さらに、トロント出身の元ビデオモデルメリッサ・フォードについて言及する一方、彼女が関わるラッパーJoe Buddenへ批判的な言葉を投げかけるなど、過去のビーフを再燃させるような要素も。

そして意外にも、この曲はかつて対立していたカニエ・ウェストから高評価を受け、SNSでの絶賛コメントがメディアに取り上げられたことで話題を加速。結果的に「GIMME A HUG」Apple Musicチャートの首位を飾り、大きな注目を集めました。

『NOKIA』

DRAKE feat. Elkan - NOKIA

ドレイクとイギリスのプロデューサーElkanによる楽曲で、タイトルどおり、携帯電話メーカーノキア(Nokia)社の着信音「Nokia Tune」をサンプリングした斬新な楽曲。イギリスのプロデューサーElkanが手がけるビートメイクも冴えわたり、これまでMetro BoominCordaeらと組んできた経験が見事に活かされています。

Nokia Tune (「NOKIA」の0:35~)

前半では、着信音が鳴るたびに「誰からの電話なのか?」とドレイクが問いかけ、クラブで気になる女性と過ごしたい気持ちを表現。しかしその関係が本気なのか遊びなのか、自身でも戸惑っている様子が語られます。また、トロントのストリートや仲間への言及も織り交ぜ、ドレイクの存在感を示す展開に。

後半に入ると、Elkanのプロデュースによるクラブ感がさらに強まり、女性がダンスやSNSでアピールするイメージが広がっていきます。そこにドレイクの駆け引きやライフスタイル、価値観が重なり、パーティーの熱気を一層高める仕上がりです。

「その他の収録曲をまとめてご紹介――幅広い音楽性に注目」

アルバムには、さまざまなジャンルの楽曲が収められています。スローな楽曲が中心で、サンプリングや新たな音楽的アプローチが光ります。

  • DEEPER
    パーティネクストドアが繊細な歌声を披露するスローR&B。心の奥深くまで浸透するメロディが魅力。

  • RAINING IN HOUSTON
    ドレイクがヒューストンのレジェンドDJ Screwへの敬意を示しつつ、恋人とのすれ違いを描く感傷的ナンバー。

  • MEET YOUR PADRE
    パーティネクストドアドレイク、さらにChino Pacasが参加。フラメンコ調のラテンリズムを取り入れ、恋人の家族に会いたい情熱を歌いつつ、パーティーの熱気をも感じさせる。

おわりに

OVO Soundファン待望のコラボアルバム『$ome $exy $ongs 4 U』が、バレンタインデーという特別なタイミングでリリースされました。昨年のケンドリック・ラマーとのビーフを経て、多くのリスナーやメディアの注目がドレイクに集まっている中でのリリースでもあり、一層話題を呼んでいます。

本作には、二人の長年の音楽的絆が凝縮されています。なかでも、過去の名曲を巧みにサンプリングしたトラックは懐かしさを誘いつつ、新境地を切り開く新鮮味も感じさせるポイント。甘くロマンチックな雰囲気だけでなく、感情的な一面やエネルギッシュなパーティーチューンも揃っているため、多彩なリスナーの心を掴む一枚と言えるでしょう。

バレンタインデーの夜を華やかに彩る『$ome $exy $ongs 4 U』。二人の才能が融合した“新時代のR&B”が、この先の音楽シーンにどのような影響を与えていくのか――今後の動向にも注目が集まります。

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今回紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️

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