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『でも、音楽が好きでたまらなかったんだ』2022年大本命のR&Bシンガーのニューアルバム!! Brent Faiyaz - WASTELAND (2022)

本日紹介する R&Bシンガー、ソングライターであるBrent Faiyaz(ブレント・ファイヤズ)は、2016年のGoldLinkのシングル「Crew」に客演参加し、グラミー賞「ベストラップ/ソングコラボレーション」にノミネートされ、一躍脚光を浴びるようになった人物です。

2020年に発表したシングル「Dead Man Walking」は、RIAAからゴールド認定を受け、翌年にはDrakeをフィーチャーし、The Neptunesがプロデュースしたシングル「Wasting Time」(2021)でさらに注目を集めました。

また、2 ChainzBaby Keemの作品に抜擢されたほか、Tyler, the Creatorのアルバム「Call Me If You Get Lost」では、全米チャート1位を獲得し、グラミー賞「最優秀ラップアルバム」を受賞するなど、業界からも一目置かれている若手シンガーです。

ここでは、先日リリースしたセカンドアルバム「WASTELAND」について解説します。

レーベル  : Lost Kids
リリース日 : 2022年7月8日
名前    : Brent Faiyaz
本名    :    Brent Faiyaz / Christopher Brent Wood
年齢    : 26歳


出身地   :    メリーランド州コロンビア

アルバム『WASTELAND』

ここ数年、その神秘性と音楽でファンを増やし、絶好調なブレント・ファイヤズですが、今に至るまで、必ずしも両親の理解があったわけではなかったといいます。

(両親から)「いいかげんにしろ、現実的になれ!」って言われてたよ。
正直に言うと、俺は学校でも仕事でも、成長する過程であらゆる面で失敗していたんだ。
でも、音楽が好きでたまらなかったんだ。
音楽は、自分が成功できることを証明するためのモチベーションだったんだ。
音楽は、いつも自分のためにやっていたことで、自分がやらなければならないと思っていたよ。
幼い頃は、イライラすることがあっても、自分の望む人生に集中するようにしていたんだ。
幸運なことに、俺の周りには同じような夢を持っている友達がたくさんいたんだ。

このように、若い頃は色々とうまくいかない事が多かったようですが「音楽が好きでたまらなかった」と話し、アーティストとして成功を掴むため、自分のモチベーションを高めるため音楽を探求し続けていたようです。

そんな彼の新作「WASTELAND」は、直訳すると「荒地」となりますが、このアルバムについては次のように説明しています。

警察による有色人種殺傷事件が相次いだため、多くの人と同じように街の路上で抗議していることに気がついた。その時に思いついたのが、新作のタイトルとコンセプトだった。
俺にとって『Wasteland』は、パンデミック後の混乱した感情の中で生きているように感じられた作品だ。女性の権利を奪っていくクソ野郎がいる。世の中にはクソみたいなことがたくさんある。だから、自分が本当にやりたいことを見つけるために、少なくとも今の気持ちを歌にしようと思ったんだ。

Wastelandはあらゆる都市で録音した。
いくつかはニューヨークで、いくつかはアトランタで。
アルバム制作は、アルバム作るというよりも、人生の制作過程のようなものと思ってる。
曲のコレクションを作り、それらがすべて似たようなテーマを共有しているとわかった時点で、ストーリーラインを結びつけただけなんだ。
アルバムの半分を少し過ぎたあたりまで、自分がアルバムを作っていることに気づいていなかったんだ。
それでこれはひとつの作品なんだって気づいたんだ。


また、パンデミックで自粛生活を送る中、彼は体を鍛え、映画や本をたくさん読んだようで、その中で1985年にNeil Postman(ニール・ポストマン)の著書「Amusing Ourselves to Death」に感化され、タランティーノの映画にも影響を受けたと明かしています。

俺は人生の見方、特に今の世界の見方について、全体的な視点を与えてくれる本がとても好きなんだ
俺のモチベーションを高めてくれるような本だよ。

タランティーノの映画をたくさん見ていたよ。
ジャッキー・ブラウンを何度も何度も見ていたよ。
バニラ・スカイも繰り返し見ていた。そこから多くのことを学んだんだ。

『俺よりも長いキャリアを持つアーティストの音楽を吸収していたんだ』

彼は今作について「正直であることが鍵だと思う」と語り、人からどう見られるかを気にせず、「作りたいと思ったもの、語りたいストーリーをまとめただけ」だと語っています。

正直であることが鍵だと思う。
自分がどう見られているかということに関しては、あまり気にしないようにしているよ。
もしそうしたら、自分自身がおかしくなってしまうからね。
俺は自分自身の人生を生きているだけであり、もし君がそれに干渉するなら、君は俺に干渉する。
そうでないなら、君はそうしない。
このプロジェクトがそうであるように、それ以外の方法で俺を動かすことはできないんだ。
俺はただ、良い作品だと思ったもの、作りたいと思ったもの、語りたいストーリーをまとめただけなんだ。
これは、俺がこの時期に感じた感情であり、俺はただそれを提供するだけなんだ。

そんな彼の魅力に惹かれたのか、DrakeKanye Westを手掛けたNo I.D.や、J. Coleを手掛けたJake OneSZAGIVEONを手掛けたLos Hendrixなど多彩なプロデューサー陣が今作にクレジットされています。

また、1曲目の「VILLAIN’S THEME」には、クレジットはされてませんが、イギリスのR&BシンガーJorja Smithが参加しています。
この曲は、アルバムのイントロ的な役割を担っており、彼女との掛け合いが印象的です。

Brent Faiyaz - VILLAIN'S THEME (2022)

一時的な幸福感、あるいは解放感
特に、君が常に仕事をしなければならない場合
やりたくもないことをやってもね
それは一時的な幸せのようなもので、逃避なんだ。
俺はそのことについて音楽を作っている
なぜなら、それはある地点に到達したと感じるから
その状態で人生の多くの時間を過ごすことになるんだ
なぜなら君はすごくたくさん働いているからね
何年経っても同じことを繰り返している

8曲目の「GHETTO GATSBY」は、Alicia Keysをゲストに迎え、プロデューサーにはRaphael Saadiq、作詞はThe Dreamと、大物がクレジットされており、彼らからも大きな影響を受けたと明かしています。

Brent Faiyaz feat. Alicia Keys - GHETTO GATSBY (2022)

The DreamからAlicia Keysまで、一緒にロックインした人たちからインスパイアされることがほとんどだったね。
Raphael SaadiqやNo I.D.のような、俺よりも長いキャリアを持つアーティストの音楽を吸収していたんだ。

特にThe Dreamがいなかったらこのアルバムは完成しなかっただろう、彼は、俺がレコード制作に長期間行き詰まったときに共に作業する一人なんだ。
俺は何かを始めると、途中で終わってしまい、出口がわからなくなる。
彼は、俺がまだ出し終えていないアイデアを、次から次へと引っ張り出して仕上げてくれるんだ。
彼はこのアルバム曲の4つか5つをスムーズにこなしたよ。

おわりに

今作は前作「Fuck the World」(2020)から大きくランクを上げ、全米アルバムチャート2位でのデビューとなり、周囲を驚かせました。

こうしてアーティストとして成功を掴んだ彼ですが、自分のように夢を追いかけ続ける人達に、次のような助言をしています。

ありきたりだけど、立ち止まらないこと。
才能や可能性を秘めた人が、思うようにいかずに辞めてしまうことはよくあることだと思う。
今、活躍している人たちの多くは、その道で一番だからというわけではないんだ。
ただ、やめなかっただけ。
自分が行きたいところへ行くまではやめない欲しい。


美しいメロディ、文学的な歌詞など、毒のある愛をありのままに綴り、映画のような傑作と絶賛された「WASTELAND」。
2022年大本命のR&Bシンガーの世界観に、今宵浸ってみてはいかがでしょうか。


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今回紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️

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